第18話 迷宮攻略と迷宮作成(真)
第六位階中位
時刻は、まだ寝る時間には早い。
全員を回収し、集めたアイテムと情報の整理をしよう。
現在、この鍛錬島には、僕達以外に人がいる。
と、言うか、タク達である。
街の出入り口にリッドホームを設置し、タク達にメールでその旨を伝えておいた。
アルネア達は、お小遣いを渡して街に行かせている。
僕がログアウトした後にでも帰って来るだろう。
さて、先ずは情報である。
街の中には、色々とそれっぽい壁画や碑らしき物があり、それらを統合すると、『楽園の守護者を倒せば道は開かれるだろう』と言う事である。
楽園の守護者は全12体、それら全ての守護機神を斃し、12の鍵を集めれば、楽園の門を開く事が出来る様だ。
中々にハードなクエストである。
続いて迷宮の情報。
新しく解放された迷宮は、『失楽園』が街の中央の大きな広場。
他の5つの迷宮は街中の様々な場所に点在している。
全体報酬にあった各迷宮の解放と言うのは、鳥獣、水棲、植物、昆虫、不死、傀儡、精霊、竜龍、の種類別の魔物が段階的に出現する小さな迷宮が複数解放された事の様だ。
次はアイテムの確認。
上級ポーションは、合成獣の一件でインベントリに大量に保存されている
薬効と言う名の回復作用が濃縮されているので、部位欠損すら治す強力な回復アイテムである。
新しく入手した上級ポーションも、錬金術の魔導抽出を使って濃縮し、高品質ポーションに変えておいた。
マナポーションの方は、魔力を吸収してマナシールリングの方へ移しておく。
戦闘中に一々取り出して飲んでいると無駄に隙が出来るからね。
次は犠牲の羊。
これは、小さな羊のぬいぐるみだ。
効果は、鍛錬島の迷宮内のみ。と言う制限があって、死亡時に蘇生する作用がある。
通常の羊は蘇生後体力バーの半分まで回復、銀は魔力も全て回復、金は全回復の上に能力強化が付くらしい。
解析するに、これは神の力らしきものが働いている様だ。
魔力の気配が無いのに効果が出ると言う事はそう言う事なのだろう。
身代わり護符は、所持者がダメージを受けると判定された攻撃を自動で防ぐ機能が付いている様だ。
出現する盾は魔力が尽きると砕け散り、次の盾が展開される。
大量に所持していればそれだけ生存率が上がる様な代物だ。
続いて、各武装と付与結晶。
武装は、希少金属の属性鋼で出来ている。
付与結晶は、それぞれの武装に対応した物の様で、それぞれとペアにした方が効率が良さそうである。
最後に、新参の子達の進化を確認する。
まぁ、ざっと見た感じだと、全員からデミが抜けてレッサーだけになる程度の進化だが。
さて、取り敢えずやる事はここまでにしておこうか。
配下の皆には、夜通しで迷宮の攻略をして貰う。
昨日の疲れが尾を引いているのか、今日はもう眠くなってきた。
◇
翌朝、諸々の雑事を終えてログインすると、迷宮をクリアした旨のメッセージが大量に流れた。
クリアした迷宮は、鳥獣、水棲、植物、昆虫、不死、傀儡、精霊、龍竜、の8つ。
報酬は、
・道具『下級ポーション』×24
・道具『下級マナポーション』×8
・道具『中級ポーション』×24
・道具『中級マナポーション』×8
・道具『上級ポーション』×80
・道具『上級マナポーション』×48
・道具『犠牲の羊』×8
・道具『銀の犠牲の羊』×8
・道具『金の犠牲の羊』×8
・スキルポイント18P
・魔力:貨幣100,000
・『迷宮核』
・『深淵迷宮』解放
攻略された8つの迷宮は全10階層。各階層毎にボスと宝箱がある単純な作りの迷宮だったらしい。
それを全てクリアしたら、街の東に深淵迷宮とやらが解放され、街の西にある迷宮の支配権限が受け渡された。
西の迷宮は、作成に幾らか制限が掛けられている様で、今の所内部は短い一本道と小部屋が1つ。
直ぐに改修しないと一瞬で攻略されてしまう様な貧弱さだ。
取り敢えず、皆がログインしてくるまでに作り直しておこう。
◇
初期ポイントは5万DP。
先ず、通路《小》を東、西、北の三方向に伸ばし、各通路の先に四角部屋《小》を設置する。
そこから更に北へ通路《小》を伸ばし、四角部屋《小》を設置。
一層は通路と部屋を複数設置した迷路を作った。
真っ直ぐ進んだ最深部にプリセットのボス部屋を設置し、鋼鉄獅子を配備して門を付ける。尚、門の先には壁がある模様。
続いて、最初からある部屋の中央に落とし穴をつくり、隠し通路を設置して、その先に巨大な空間を作ってゴブリン師団を配備した。
迷宮核があるのはゴブリン部屋の方である。
一層の迷路には1万DP使い、二層のゴブリン部屋にも1万DP、後の3万は一層の通路と全20部屋に魔物を配置する事に使おう。
先ず、一部屋目に250DPで土のゴーレムを配置する。
そのゴーレムに、『ピストルシード』と言う魔物を8匹と、ポイズンフラワーを4匹寄生させた。
ピストルシードは1匹40DPとお安く、ポイズンフラワーは1匹80DPだった。
寄生させる数が少ない理由は、養分関係の不具合である。
殆どの魔力は迷宮から補填される様だが、植物魔物達がゴーレムから魔力を抜き取っている様で、ゴーレムの稼働を考えるとこれくらいが精一杯であった。
それぞれの魔物の戦力評価は、ゴーレムは言わずもがな、ポイズンフラワーは毒の花粉を撒き散らす魔物で、ピストルシードは硬い種を温度が一定値の物へ植え付ける寄生植物である。
ピストルシードの装填数は最大3発。通常は2発。
威力は皮膚を貫通して体内に残る程度で、この植物はそうやって動物に子孫を寄生させるのだろう。
射出されて体内に残った種は、熱を感知しておよそ2〜3分以内に発芽、5分以内に根を張り始める。
その後30分掛けてしっかりと固着すると、一日後、皮膚表面に出て来るのである。
根を張っている間はかなりの痛みが伴うので、直ぐにほじくり出す事が出来る器用な生物にはあまり寄生出来ないらしい。
ピストルシードは種を撃ち切ると力を使い果たして枯れるそうだが、迷宮産のピストルシードだと小粒の魔石を取り出され無い限り魔力補充で復活する。
野生のピストルシードは、寿命が近付くと周辺に種を吐き出して枯れ、その種達はおよそ1ヶ月掛けて成長するらしい。
ピストルシードの種は一粒5DPと格安であった。
一部屋目、合計DP890。
東、西、北の2部屋目には、同じゴーレムを3体ずつ設置、お値段2670DP。
合計8010DP。
中央以外の2つある3部屋目は、165DPのドール《土製》、ピストルシード、ポイズンフラワーを設置。
ピストルシードは2匹、ドールの手の甲に寄生させ、ポイズンフラワーは背中に1匹。
1体合計330DP
そんなドールを5体配備し、3体に木の小盾と短剣、残り2体に木の弓と矢8本を持たせる。
木製武器は安く、小盾が60DP、短剣が40DP、弓が60DP、矢が1本5DP。
これで1体880DP。
5体で4400DP。
2部屋で8800DPである。
中央の3部屋目には、アイアンゴーレム7200DPを設置。高い。
魔力を込めて全身魔鋼製に変え、錬金術を用いて形状を騎士風にする。
腕は4つ、余った部分で4本の剣を作った。
胴体には砲台、と言うか銃口を、実弾4門、魔法4門、合計8門で腹部から首に掛けてと背中に設置する。
剣はそれぞれ、火、水、土、風の4属性を纏わせた魔法剣にして、それぞれの先端からアロー系の魔法が射出できる様にした。
完成したゴーレムは、どうやら処理能力が足らず、上手く動いてくれなかったので、結局『物兵創造』の魔法で新たなゴーレムとして作り直す事になった。
名前は『四腕の魔法騎士像』。
売却額30万DP。
魔物は売却する時値段が10分の1になる様なので、購入費は300万DPと言う事になる。
単純に考えると、鉄を魔鋼に変え、形状を四腕の騎士に変え、魔鋼製の魔剣を4本持たせ、8門の砲台を装着した。
消費魔力量は遠距離操作だった事もあり、およそ3割。
……内職しよう。
中央の3部屋目には、木の宝箱を設置し、その裏に隠し通路を開くボタンを置いた。宝箱を開くと箱の上部でボタンが隠される仕様である。
中央を直進するには、ゴーレムを倒して宝箱の裏にある隠されたボタンを押すしかない。
続いて、4つある4部屋目。
取り敢えず内職して『四腕の魔法騎士像』を2体作成し売却したので、残りのDPは60万程である。
魔力が全回復するにはおおよそ2時間程掛かるので、一日で約1,080万DPの儲けが出来る。
単純に計算して、およそ20と数年でケルベロス1体を召喚出来る仕様だ。
……ケルベロス高いね。
さて、4部屋目に取り掛かろうか。




