第11話 ダンジョンマスターユキ
第六位階中位
拠点の島に移動した。
アルネアとリェニ、ルカナ、ルェルァの4人も一緒である。
全員が全員酷く驚いた様子だ。
やはり、爺様がほいほいやっている転移と言うのはかなり異常な力なのであろう。
空を見上げると、太陽の位置が元遺跡の街より東にある。
この場所は、ルベリオン王国の西側にあるのだろう。
此処に来た目的は、
・ワーカー達が集めたアイテムの回収
・ドリアードに会う
・農場の生産プラントを動かす
・生産核の研究を進める
以上の4点である。
取り敢えず、ワーカー達には西の農場へ向かうように指示を出し、僕達も自走型リッド荷車に乗って移動する。
その間にスポナーの研究を進めてしまおう。
◇
現在僕が所有している迷宮核は5つ。
それぞれ、
レッサーラビットの生産核。
レッサープチスライムの生産核。
レッサーアースワームの生産核。
スライムの生産核。
ビッグスラッグの生産核。
の、5つである。
つまり、虫とスライムと兎の生産を行う事が出来ると言う事だ。
それぞれの詳細情報によると、最大魔力保持容量は100万。
迷宮核内に保有されている魔力は、マナシールブレスやマナシールリングと似て通常の魔力とは少し性質が異なる。
簡単に言うと、通貨の代わりになっている事からも明らかだが、濃度が一定に保たれているのである。
つまり、大気中に漂う魔力を1と言う数字に押し固めたのが、迷宮核が保有する魔力である。
そんな貨幣魔力は迷宮核内ではDPと呼ぶらしい。
現在所有している生産核は全てが満タン、つまり、100万DP入っていた。
魔物の生産スピードはおおよそ10分に一匹程。
DPは満タンのまま一切減っていない。
これらのDPと言う物を遊ばせておくのは勿体無い。
如何にかして使用出来ないかと色々調べていると、クランショップで良い物を発見した。
・スキル結晶『ダンジョンマスター』
ダンジョン関連の物。で全体に検索を掛けた所、これを発見した。
値段はインベントリと同じで100億。
現在の所持マナは1億と少々しか無く、自動で貯まって行くスピードも遅い。
仕方が無いので、クランショップの売却システムを使って、ダモスの財宝を110億分売却した。
ざっとダモスの体の6%程である。
早速購入したダンジョンマスターのスキル結晶を使用し、スキル『ダンジョンマスターLV1』を取得した。
さて、弄くり回してみるとしようか。
◇
『ダンジョンマスター』のスキルを取得して迷宮核を調べると、出てきた項目は5つ。
・迷宮核成長
・迷宮拡張
・魔物生成
・収納空間
・ガチャ
上から調べる。
先ず、迷宮核成長は、
・DP保持容量の増加
・魂魄限界値の増加
・迷宮核の統合
の三点。
魂魄限界値と言うのが気になるが、それはともかくとして……。
DP保持容量増加は、そのままの意味でDP、魔力貨幣の保持容量を増加する物だ。
魂魄限界値と言うのは、名前から考えるとおそらく……スキルを刻みつける部分の事だろう。
つまり、迷宮核は生きていると言う事である。
そして、魂を拡張する必要があると言う事は、スキルか何かを迷宮核に取得させる必要があると言う事だ。
現在のポイント量は、概ね1万以下。
最後に迷宮核の統合。
要は迷宮核と迷宮核を合体させる事である。
DP保持容量、魂魄限界値、所有能力などを統合出来るらしい。
やり方は簡単で、
不活性状態の迷宮核を統合したい迷宮核に統合するだけである。
活性化状態の迷宮核の場合は、所有権を持つ迷宮核同士でのみ、遠隔で統合する事が可能。
ただし、迷宮核が消滅する方の迷宮に敵生物が存在しない事が条件となるらしい。
以前本で読んだ物に、一度迷宮核が失われた迷宮はしばらく沈黙した後、幾らかの階層が消滅して復活する。と言うものがあった。
迷宮核の統合では、そう言った、復活した迷宮核も統合出来る様だ。
つまり、一つの迷宮を執拗に攻め続けて迷宮が消滅するまで迷宮核を回収すれば、かなり多くのDPや魂魄を取得出来る。
鍛錬島の迷宮は、おそらく神かそれに準ずる存在の支配下にある様なので、軋轢とか心象とかを考慮して迷宮核の回収は野良の迷宮でだけにしよう。
次、迷宮拡張。
これは、その名の通り、迷宮を拡張するシステムの様だ。
僕が所有する迷宮核は現時点では、ウサギ穴程度の広さが迷宮として登録されている。
迷宮拡張では、DPを消費する事でウサギ穴の範囲を広げる事が出来るのである。
DP1消費毎の拡張範囲は、土地や状況によって異なる様だが、拠点の島ではおおよそ僕1人分、だいたい重さ30キロ前後が拡張可能である。
岩や鉱石などがある場合は、それを除外するのに相応のDPが消費され、除外されたアイテムは迷宮核の収納空間に自動で回収されるらしい。
また、迷宮拡張には建築系も含まれており、結界や照明、転移施設、門、宝箱、罠、池、家など、自然物や人工物を設置可能である。
その他にも、異界迷宮と言うエリアを設置する事が可能で、例えば、燦々と日が照らす森、や、白い月が見下ろす雪原、小さな島々が並ぶ海域、など、広大な地上を再現する事が出来る様だ。
他にも、それらとは少し異なる物で、階層毎に属性を付与する事でその属性に有利な空間を作る事も出来る。
ただし、設置の必要DPが多い上、どうやら拡張には魂魄限界値を使用するらしい。
迷宮核の魂魄に、迷宮を管理するシステムを刻み込むと言う事だ。
それは詰まり、迷宮核が僕の魂の代用として機能していると言う事に他ならない。
いくら僕でも巨大な迷宮、一つの小さな世界を完全に統率する事は出来ない筈、とてもありがたい機能である。
「ほう?」
ざっと迷宮拡張を見ていると、中々面白い物を発見した。
・木の宝箱
備考:一日おきに下級アイテムを一つ、自動生産する。
お値段何と10万DP。
永遠にアイテムを回収出来る様なので、投資と考えるとちょうど良い塩梅のお値段である。
これの他に、ポーションの木札や武器の木札などの、生産するアイテムの確率を操作するアイテムが1万で販売されていた。
宝箱の種類は沢山あり、木、石、鉄、銅、銀、金、それ以上の順番で生産されるアイテムの希少性が上がる様だ。
尚、お値段も一桁ずつ上昇する模様である。
さて、次は魔物生成の確認である。




