第4話 道具の確認
第六位階中位
隙間時間を使ってアイテムの確認をする。
先ずは天使を倒して入手した物から。
天兵、大天兵は、体の素材の表面が聖銀で出来ており、内部が魔鋼であった。
悪い言い方をすると鍍金の天使であるが、その実効率的に聖属性を発生、纏わせる事が出来る。
その上、聖銀よりも魔鋼の方が安価で簡単に手に入るので、コストパフォーマンスが良い。
それに、魔力の循環と言う面では、複数属性の循環効率が良い魔鋼の方が断然汎用性が高い。
正に良い所取りの構造をしている。
ただ、表面に掘られている魔法陣や魔法紋を見るに、発動する魔法は聖属性だけなので宝の持ち腐れである。
尚、装飾や魔法陣には金や聖属性の結晶が使われており、中々煌びやかである。
次に聖なる武具。
表記の上では名も無きとあり、実際にただの聖なる武具である。
材質は純天銀製、聖結晶を使って刻まれた魔法紋は聖属性の魔法を発動させる物。
槍には、槍全体に聖属性を纏わせ先端を伸長、突き刺した時に聖属性の魔力が爆発する様な魔法が仕込まれている。
盾は、同じく聖属性を纏わせる能力と、聖属性の結界を張る能力がある。
鎧には、盾に似た能力であるが、体表面に強力な結界を張る能力があるらしい。
これらの能力に加え、聖なる武具には装備者を強化する能力と装備者の力量次第で武具の硬度が増す能力がある。
中々に使える武具であるが、その性質柄攻撃より防御に向いている装備だ。
とにかく亀の様に防御力を増す装備なので、大体の攻撃は回避出来る僕には向いていない。
かと言って一番向いているマガネは大槍を扱う技術が無い様であるし、盾は既に良い物がある。
ただ立っているだけで良いならユウミかクリアにあげようか。
まぁ、宝の持ち腐れだけどね。
次はダモスの財宝。
その中で特に目立つアイテムは『竜王核』『禁忌の聖杯』『呪いの操り人形』『生命の宝石』『失われし王権の剣』。
僕としては特に気になるのが『失われし王権の剣』。
これは、僕が持っているのと同じ物である。
それは詰まる所、他の王権装備も何処かに存在していると言う事ではなかろうか。
まぁ、今どうにかなる話では無い、頭の片隅にでも覚えておけば良いか。
続いて『竜王核』。
これは竜王、ミルちゃんの、生前の体の一部だと思われる。
拳大の球体であり、宝石の様に透き通った綺麗な見た目だ。
長い年月が経っているだろうに、内部に込められている魔力はミルちゃんの生前の竜属性を保ち、尚且つ生産している。
この性質や名前から考えるに、竜としてはかなり重要な器官では無いだろうか?
例えば心臓、或いは脳、もしくは魔石、それに準ずる重要器官であろう。
これは保持者に強力な竜の力を与える。
ただ、普段使いするには少々大きい。
それこそ、ゴーレムに組み込むか丸呑みにするかくらいしか使い方が無い。
これの使い道もぼちぼち考えよう。
次に『呪いの操り人形』。
見た目は可愛らしい金髪碧眼の少女を模した、操り人形では無く普通の人形。
少し表面が汚れているが、長い年月の間に風化しなかった事から強力な力を持っていると分かる。
これは、人形を操る力を持った人形である。
王城の宝物庫にも呪いのアイテムは複数あったが、これはかなり強力な呪いを内包している。
多分『即席生命』や『偽造生命』でも完全な生物として動き出すくらいには強い念が込められている。
だが、そうしたとして生まれる者の性格はかなり歪んだ物になる可能性が高い。
『生命創造』でもそれは変わらないだろう。
もっと上の魔法『生命誕生』が使えれば問題は無いのだろうが、現時点ではあまり使えない。
何せ、持ってるだけで肉体に人形の魔力が入ってこようとしてくるから。
しかし、そう思ったのも束の間、急にうさぎのぬいぐるみがアルネアの手から抜け出すと、その人形に触れた。
ペフ、と効果音が出そうなタッチが行われた次の瞬間、七色の光が爆発し、それが収まると——
夢現操り人形 LV300 状態:
——綺麗な人形が立っていた。
中々堂に入ったカーテシーを見せ、リェニの隣にちょこんと座ったそれ。
見た所完全に不浄が祓われているので、敵対する事は無いだろう。
リェニは呆然とそれを見ており、アルネアは呆然とうさぎのぬいぐるみを見ているが、僕は気にしない。気にしないったら気にしない。
次、『生命の宝石』。
これは真っ赤な宝石の様な物質である。
溢れ出す力は回復系の力、所謂生命力そのもの。
おそらくは何らかの強力な生物の体の一部だ。
そして、生命力が溢れ出すと言う事は、これはまだ生きていると言う事に他ならない。
しかし、意思の存在は感じられない。
全く分からない未知の物質と言う事である。
能力は、所持しているだけで溢れ出す生命力によって肉体が再生する。
削って飲めば、この物質が死ぬまで高い再生力を維持出来るかもしれない。
つまり、『不死の薬』。
……まぁ、体に吸収されないだろうから排泄されるまでと言う期限がつくだろうが。
排泄しないマレビトの場合は神の加護のデメリットで、数時間程経つと分解されてしまうだろう。
完全にその能力を吸収出来るのなら話は別だが、そんな事が出来る生物は居な…………スライムなら……出来る、かな?
……次、『禁忌の聖杯』。
グレイルとは所謂聖遺物、聖杯では無く、願いが叶う聖杯の事だろう。
大量の魔力、それこそ地脈の一部に匹敵する量の魔力を保有する事が可能であり、その膨大な魔力で強引に願いを叶える事が出来るアイテムの様だ。
ただし、余程酷使されたのか、或いは意図的に削られたのか、願いを叶える肝心の魔法的機構が失われている。
要するに、魔力ポッドである。
用途から魔力を一気に動かす必要があるので、ハイスピードで魔力を供給する事が出来る仕様だ。
騎士像さんや戦士像さん、十字騎士像さんに埋め込めば、ほぼ永続的な活動が可能になるだろう。
と言うか、三人には後で『魔力吸収結晶《大》』に『マナシールブレス』をたくさんくっ付けた奴を埋め込んであげよう。
そうすれば召喚可能時間が大幅に上昇する筈である。
これらの激レアアイテム以外にも幾つか魔法道具があるが、どれも不浄の影響を受けて呪われているので、浄化の必要がある。
他所に不浄が漏れて何かあっても困るので、王城の宝物庫にあった呪いの道具と一緒のファイルに保存しておく。
題名は『呪具・要浄化』。
まぁ、不浄なら不浄でアンデットとして使えば良い。
意思の元に統制された不浄は新たな不浄を生む事はあまり無いのだから。
後は、文字通り山の様にある金銀財宝を、迷宮の宝とは別のファイルを作って其処に投入。
こちらの題名は『ダモスの遺体』。
『金銀財宝』と言う名前のフォルダを作って、其処に迷宮のお宝ファイルとダモスのお宝ファイル、僕が稼いだお金のファイルを入れておいた。
さて、次は……配下の進化を確認しておこうか。




