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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第七節 呪われし遺構の攻略

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第12話 魔眼の使徒

第五位階中位

 



「……次、何処、行く?」



 元遺跡の街から王都へ向かう途中で、マヤが僕の上半身に指を這わしながら聞いて来た。



「次は王都、その次が北の港町で、夜は南の遺跡かな。一応長期で潜るつもりだから、セイト達に予定を聞いておいて」

「……分かった」



 分かったと言いながらも、僕の体を(まさぐ)るマヤの指は止まらない。


 とりあえずアランとタク、セイト達にメールを送った。

 ざっと予定を書き綴り、集合時間と集合場所、参加出来るかどうかの質問を書いて送信。

 もちろんマヤにも送ってある。



 マヤはほんの数秒停止すると、『……参加、する』と呟き、僕のうなじに顔を埋めた。



「……良い匂い……柔らかい……あったかい……可愛い……優しい……気持ち良い…………欲しい」

「……あげないよ?」

「……大丈夫、ユキは押しに弱い」

「そんなことは無いけどね」

「……痛いのは最初だけ、直ぐに気持ち良くなる」



 ……まったく、マヤは適当な事ばっかり言うんだから困る、僕が押しに弱いだなんて、そんなことは有り得ない。

 マヤは放っておこう。



「……好きにしたら?」

「……ん、最初から、そのつもり」



 ……むぅ。





 王都に到着すると、早速ゴーレム部隊配置を開始した。


 先ず最初に森から出た足で東の草原へ向かい、ボコボコになっているそこを血刃で一気に整地した。

 草原は元より大分低くなり、出て来た大量の土を全てインベントリにしまった。



 続いて、その土を使ってゴーレムを生成する。



 品質の高い魔石を大量生産してあるので、手早く土塊のゴーレムを100体生成した。


 それらをソルジャー達に率いて貰う。

 ソルジャー1体につき3体のゴーレムを付け、余りの10体は東西に半分ずつ配置する。


 ソルジャー達は各門に5体ずつ配置し、残りの10体を外壁の外側で警邏させる事にした。

 まぁ、警邏と言っても外壁の上に兵士が配備されている様なので、発見自体は兵士さん達の方が早いだろう。

 ゴーレム達は敵が来た際に直ぐに対応する為にいる。


 そして、北には『ゴーレムパラディン』を、南には『ゴーレムスカーレットナイト』を配置した。



 勿論、この事は兵士の隊長らしき人物に報告してある。

 更に上の人物へは事後承諾になるが……まぁ、問題無いだろう。



 取り敢えずの防衛戦力は此処まで。

 少々心許ないが、次へ移ろう。



「……王都が……包囲された……!」

「……」



 マヤは放置。





 魔物が出る海岸にそって北上し続けると、港町が見えて来る。


 まったく整備されていない海岸は進み辛く、足場が安定しないので戦い辛い。

 そんな道とも言えない場所をウルルに乗って駆けていると、遠目に人影が見えて来た。



 その人影は黒っぽいフード付きのローブを羽織り、ふらふらとしながら港町の方へ進んでいる様であった。


 ……声をかけた方が良いかも?



「ウルル」

「ウォン」

「?」



 ウルルは僕の意を汲んで、ローブの人物の元へ走ると、その眼前で華麗に停止した。


 ウルルが横を駆け抜けた風圧でフードが捲られ、その人物の顔が陽光の元に晒される。


 黒く長い髪。僕と同じくらい白い肌。

 身長は僕と同じくらいだが、体型はしっかりと女の子らしい肉付きがある。


 その瞳の色は、赤色と青色のオッドアイ。


 そして、その顔には——



 ——見覚えがあった。



 ……恵ちゃん?



 女の子はヘテロクロミアの瞳で僕を見上げ、その目を大きく見開いた。

 小さな唇が震え、聞き覚えのある声が溢れる。



「——ユキ……様……?」



 『ユキ様』なんて言う風に僕を呼ぶのはメグミちゃんくらいの物だ。やっぱりメグミちゃんだろう。



「はっ!? あ、あのっ!」

「?」

「体、見ててくださいましぇんか!」

「うん」



 急にもじもじし始めたメグミちゃんは、何やらログアウトしたいらしい。


 取り敢えず頷いておく。



「あ、ありがとうございましゅ! 直ぐに戻ります!」

「うん、ゆっくりで良いよ?」



 何が何やら分からないが、とにかく急ぎの様だ。

 取り敢えず休憩にしようか。





 メグミちゃんは、宣言通り直ぐに戻って来た。



「ふふ、ふふふ、ふははははは……待たせたな! 銀の天使よっ!」

「ううん、待って無いよ?」



 1分掛かっていないんじゃ無いかな? その間にマヤにはクラスメイトの妹と説明してあるが。




「わ、わりぇは魔眼の使徒、メィミー!」



 メグミちゃん改めメィミーは、普段とは違う言葉遣いで名前を名乗り、右の赤い目にVサインを合わせた。

 換装スキルを取得している様で、唐突に黒い眼帯が現れた。

 それと同時に左手でローブを払い、はためかせる。


 ……どうしちゃったのかな?



「定命の器で巡り会うは我らの運命(さだめ)なり、今こそ友好の盃を交わそうぞ!」


《フレンド申請:個体名『メィミー』》


「うん、良いよ」



 メィミーをフレンド登録し、分かり辛い喋り方のメィミーから話しを聞くと、どうやら昨日の夜から今まで北上し続けて来たらしい。

 さっきはトイレにでも行ったのかな?


 ともあれ、メィミーはマヤともフレンド登録し、ウルル便は3人乗りになった。


 尚、僕は何故かメィミーとマヤに挟まれる様に真ん中になり、後ろは全身でしがみつくマヤ、前は騎乗が初めてのメィミーをしっかりと抱き締めて支える僕、とサンドイッチ状態だった。



「ユ、ユキ様……!」

「?」

「……」



 ウルル便は、時折メィミーがブルっと震える以外は特におかしな事もなく、昼食の時間を少し過ぎた頃には港町が見えて来たのだった。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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