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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第六節 大海魔の攻略

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AS 双剣使いタクの闘い 【Episode.1】 β島の闘い 四十六

第三位階上位

 



 ユキがにっこりと微笑んで『何を考えてるのかな?』と言い始めたので、さっさと退散してゲームをやる事にした。




 ゲーム開始七日目の朝。


 昨日の内にアラン達やアマネさんに火の迷宮を見付けた旨の連絡はしてある、今日の探索場所は火の迷宮だ。


 各自に集合場所を書いたメールを送信し、噴水広場の前で待つ。


 掲示板で情報収集でもするか、とメニューを開いた所で、何やら騒がしい声が聞こえて来た。



「約束と違うじゃないか!」



 視線だけで声の元を確認すると、大声を上げたのは一人の男性プレイヤー。

 どうやらパーティーでトラブルがあったらしい。


 そのパーティーは男性プレイヤーが五人、それに加えてよく見ると、声を上げたプレイヤーの肩に小さな鳥が乗っている。



 この時点で分かったが、これは所謂召喚術師(サモナー)トラブルと言う奴だろう。


 召喚獣はパーティー枠を埋め、経験値が分配されてしまう。

 その不公平さがトラブルの原因だ。


 更に付け足すと、召喚獣は弱くレベルアップが遅い、言ってしまえばほぼ役立たず。

 トラブルが表面化して来た理由は、プレイヤーのレベリングが頭打ちになり始めたからだ。


 要するに、少ない経験値を役立たずなんかに取られるのは納得がいかない、と言う事だ。



「もういい! うんざりだっ!」

「はん、さっさと消えろ! 業突く張りが!」

「なんだとっ!」



 どうやら和解は無理そうだ。



 数少ない召喚術師(サモナー)は今後冷遇されて行くんだろうな。世知辛い。

 俺にはそれを止める術も無い、悪いが放置だ。




 掲示板で現在の攻略情報を調べた。



 先ずフィールドの情報だが、特に変化無し。


 北の草原脇にある森で新しいモンスターの狼が発見されたとか。俺が序盤に遭遇した奴らだな。


 それ以外に情報は無い。見えない壁を超える方法も見付からず、今は殆どのプレイヤーが迷宮探索をしているらしい。


 一部のプレイヤー達はフラグ未回収を考慮して街中の探索を行っている様だが、街中で発見された図書館にある本はオリジナル言語を使っているらしく読めない。多数ある建物の中は現在調査中らしい。


 彼らの本命は街一番の大きな建物、その奥にある巨大な扉だ。

 其処だけやたらと強そうな白いゴーレムが守っており、扉に近付くと追い払われるのだとか。



 迷宮の方は多数のプレイヤーが潜っているものの、どこの迷宮も四層で足止めを食らっているらしい。


 殆どのプレイヤーは三層の中ボスを突破出来ず、出来たとしても四層では中ボスを六匹倒さなければいけないので、深奥のボス部屋に到達出来たプレイヤーは一握りしかいないらしい。


 プレイヤー達の中ボスとの戦い方に関しては何というか……考え方の差と言う物を感じた。


 虎を例にして見ると、俺等は腱を切って機動力を奪ったり、目玉を潰して視界を閉ざしたりして戦っていたが、他のプレイヤーは毛皮に剣を振り下ろして少しずつ体力を削っているらしい。

 中ボス硬すぎ、などという声が散見されるが、そりゃ硬い所を攻撃してるんだから硬いだろうよ。


 ただまぁ、各部位を攻撃するって言うのも常に動き回る必要がある戦闘中では難しい様で、各部位の弱点と言う考え方は出来ても其処を狙って攻撃すると言う事が実行できないのだろう。


 プレイヤー達の技術力の低さ、それをレベルやスキルの補助である程度補ってはいる様だが、愚直に剣を振り回す事は出来てもそれ以上が出来ない。


 その結果、攻略が遅々として進まない。


 強いモンスターを倒せないからレベルも上がらない。


 正に悪循環。


 技術力、こればっかりは時間が必要だ、しばらくはストレスの溜まる期間が続くだろうな。





「よぉ三人共、待ったか?」

「遅れちゃいましたか!?」



 少し申し訳なさそうにやって来たアランとセナ。

 待ったかと問われれば待ったとしか言えないが、特に腹をたてる様な事でも無い。



「私はつい先ほど来たばかりですから」

「私もそうだけど……悪いセナちゃんにはお仕置きが必要かしら?」

「えぇ!?」

「っ!? そ、そうですね、悪いセナちゃんにはお仕置きが必要です」

「な、何で私だけですかっ!?」



 女子が戯れ始めた。セナは頰を突かれたり脇を擽られたりしている。


 別に急ぎと言う訳でも無いししばらくは放っておこう。



「あー……悪いアランさんはタクに擽られたりするのか?」

「アホな事言って無いでぼちぼち行くぞ」

「おう」



 全員に声をかけ、連れ立って歩き始めた。


 目的地は、火の迷宮。





「そいっと」

「ふぅ……火と言う物は厄介ですね」



 火の迷宮内部は赤い石壁に閉ざされていた。


 ユリちゃんの言う通り、火は小さくても厄介で、眼前に迫ると反射的に回避してしまう。


 動きが悪いのはセナで、正に警戒する猫の如く、ファイアエレメントが現れる度にビクビクと震えている。

 怯えていると言うか……まぁ怯えているが、どちらかと言う『フシャーーッ!』と威嚇している様な、本能的な火への恐怖とそれを起こす者への敵愾心が如実に現れており、正に警戒する猫そのもの。


 逆にアランは慣れた様子で、『こんなんじゃ火傷にもなんねーよ』と言いつつファイアエレメントを切り払っていた。


 俺とユリちゃんは前衛として可もなく不可もなし、アマネさんは弓使いとして十二分な結果を残している。



 こうして、一層は容易く駆け抜け、二層へと到達した。



 二層は、所々に火が噴き出る穴があり、性質(たち)の悪い事に、熱湯が噴き出る場所まであった。

 勿論それにぶつかればダメージを受けるし、迷宮内部もかなり暑い。


 ただ、亀の防具には何か秘密があるらしく、露出している部分はほんの少し暑いが、それ以外は適温に保たれている。


 出てくるモンスターも少し強くなっている……筈だが、火を吐く赤い鷹はアマネさんが射落し絶命。火の魔法を使う赤いゴブリンもアマネさんが頭を射抜いて即死。とこの様に、アマネさんが無双している。



 結果、二層の攻略は瞬く間に進み、遂に三層、中ボス戦へと至った。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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