AS 双剣使いタクの闘い 【Episode.1】 β島の闘い 四十一
第三位階上位
《《【緊急クエスト】『蟹行軍』がクリアされました》》
《【緊急クエスト】『蟹行軍』をクリアしました》
《《
【緊急クエスト】
『蟹行軍』
参加条件
・ボス『キングクラブ』率いる蟹の群れと戦う
達成条件
・ボス『キングクラブ』率いる蟹の群れを殲滅、撃退する
失敗条件
・無し
達成報酬
参加者報酬
・スキルポイント3〜7P
・貨幣:魔力1,000〜100,000
全体報酬
・評価点+
》》
【緊急クエスト】
『蟹行軍』
参加条件
・ボス『キングクラブ』率いる蟹の群れと戦う
達成条件
・ボス『キングクラブ』率いる蟹の群れを殲滅、撃退する
失敗条件
・無し
達成報酬
参加者報酬
・スキルポイント7P
・貨幣:魔力100,000
参加者貢献度ランダム報酬
貢献度7%ーー42%
・武器『王蟹の鋏剣』
・防具『王蟹の甲鎧』
エクストラ評価報酬
仲間思い
軍団指揮
剣の達人
・スキルポイント8P
・スキル『聖剣術』
・スキル『魔剣術』
全体報酬
・評価点+
《レベルが上がりました》
「なに?」
目の前で海がせり上がっていると言うのに、響いたのはクエストクリアのメッセージ。
勝ったのか? だとしたら何故海から何かが上がって来ようとしている?
その疑問の答えは直ぐに判明した。
「……冗談きついぜ……」
海から現れたのは巨大な蟹の鋏。
先程戦った蟹より更に巨大な鋏は、ピクピクと開閉されている。
おそらく、筋肉が咀嚼されているからだろう。
——そう、咀嚼。
六度目の襲撃になる筈だった最後のボスは、水中で別の何物かに捕食されていた。
それでは一体何が、先の蟹以上に強力な筈の蟹の討伐を成したのか。
その答えは、目の前にいる。
「……ドラゴン…………!」
海を割り裂いて出てきた物は、暮れ始めた陽光を照り返す巨大な生き物。
青い鱗は金属質の輝きを放ち、並ぶ牙はどんな剣よりも鋭利。
——正しく水の竜。
見えている頭部の大きさはざっと見て超巨大蟹の二倍近い。
そのドラゴンははっきりと俺を見て、直ぐに水中へと戻って行った。
「………………はぁ……た、戦うのかと思った」
しばしの沈黙が戦場を包み誰もが呆然とする中、俺は汗ばむ手のひらを開閉し、怯んだ心を落ち着けていた。
◇
素材の分配に関しては大いに揉めることになった……と言うことも無く。
コウキが分配を取り仕切り、各自のメニューから確認できるクエスト履歴の様な物を利用して、貢献度から素材を分配する事になった。
クエスト履歴は他者に見せる際に情報の幾らかが伏せられてしまう様だが、貢献度は確認出来たので分配は不正なく終わった。
因みに、俺の貢献度は何故か二種類あったが、確認出来たのは42%の方だった。
これは何をやったんだ? と聞かれたが、俺にもさっぱりわからない。
そんなこんなで分配が終わる頃には夕食には遅い時間になっていた。
◇
ログアウトしてリビングに降りると、夕飯のハンバーグは出来ていた。
ラップが張られている上に、『レンジで温めて食べてね』と言う意味の言葉を少々華美に飾った書き置きがあったが、触れて見るとまだ温かい。
今日はかなりの連続戦闘で疲れていたので、付け合わせの野菜やスープをサクッと平らげ直ぐに風呂へ向かった。
服をさっさと脱いで洗濯カゴに放り込む。
風呂場に入ると、早速シャワーを浴びてから頭を洗い始めた。
昨日はしっかりと洗ったが、最近はゲームを早くやる為に軽く洗うに留めている。
それは今日も例外ではなく、直ぐに洗い終わるとボディスポンジに手を掛けた。
しっかし今日は本当に疲れ——
「——こら、しっかり洗わないと駄目だろう?」
「……は?」
非常に耳慣れた声が聞こえ、湯船に視線を向けると……ユキがいた。
浴槽の縁に両手を置き、その上に頭を乗せた状態の雪は、仄かにピンク色になった頬に雫を垂らし『ん?』とか言いながら小首を傾げて見せた。
顔を上げた雪の頬から水滴が滴り、顎を伝ってその下へと流れ落ちる。
上気した肌は浴槽の縁によってギリギリのところで隠され、首を傾げる姿は妖艶…………。
「…………」
「疲れてるんじゃないかい?」
確かに雪の言う通り、度重なる戦闘でかなり疲れてはいた。
……と言うか、何でここにいるんだ?
「……なんで——」
「——ユリちゃんがー——」
「——成る程」
入ってくるのか。
ユキが風呂に入っていたら、目隠し&バスタオル姿のユリちゃんが入ってきてユキの背中を流し始めたらしい。
……素手で。
その後、何故かのぼせたユリちゃんが鼻血を吹いたのでリビングで休む様に伝え、ユキものんびりせずにさっさと上がったらしい。
「と言う訳で勝手に使わせて貰ったよ」
「……あぁ、そう」
そんなどうでもいい情報を、ユキに頭や背中を洗われながら聞いた。
ユキは指使いが絶妙で、頭を洗う時なんかは気持ちが良い。眠くなってくる。
その後、広い湯船にユキと並んで浸かった。
……こうしてユキと一緒に風呂に入るのは何時ぶりだろうか?
「9歳の時以来だよ」
「……そうか…………」
ナチュラルに思考を読むなよな……まったく……。




