表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第六節 大海魔の攻略

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

225/1539

AS 双剣使いタクの闘い 【Episode.1】 β島の闘い 三十三

第三位階上位

 



 イベント発生の時間になっても、特に海には異変が起きなかった。



 静まり返ったまま少し経ち、徐々にざわざわと声が上がり始めた時、唐突に海から一匹の蟹が上がって来た。


 掌よりもふた回り程大きく、しかし普段この浜にいる蟹と比べると小さ過ぎる蟹。

 その蟹が出て来た瞬間、ざわめきが一時的に静まったが、直ぐに緊張が切れて喧騒が大きくなった。


 次の瞬間——



「お?」

「うわぁ……」

「……すげぇな」



 ——海がせり上がった。



 正確には小さな蟹の群れが海から上がって来たのだが、その様は海から津波が押し寄せてくるかの様に見えた。



 どうやって戦えば良いんだ?



 前衛陣が待つべきか進んだ方が良いのか迷って止まっていると、魔法使いが詠唱を始め数が少ない弓持ちが矢を放った。


 石像達も弓兵が矢を放ち、雨の様に降り注ぐそれらが小さな蟹の群を蹂躙する。

 しかし、蟹の群れは後から後から沸いて来るので迎撃が間に合っていない。


 と言うか……プレイヤーの放った矢が全然当たって無いんだが……。


 一部の弓持ちプレイヤーが放った矢は全く当たらず、当たっても絶命させるに足らない流れ矢の様なひょろひょろの矢、対するアマネさんの矢は確実に一匹ずつ蟹を仕留めている。


 流石だ。



 行くべきか。待つべきか。


 そんな前衛プレイヤー達の迷いが、武器を握る手から伝わって来る。



 緊張感が徐々に高まって行く中、その音は聞こえた。



 ゴォォオッ! と、火炎放射器の様な音が響き、最前線で火柱が立ち上がる。


 視線は否応無しに炎を放った赤い騎士へと集められた。



 騎士は赤く光る槍を大きく振るい、それを合図に騎士型の像達が駆け出した。


 いつの間にか矢も止んでおり、後衛プレイヤーもアマネさん以外攻撃を中止した。



 騎士の突撃に合わせ、最前線にいた俺、アラン、コウキが駆け出す。


 それに続くのが身内の連中とテルマ、ミヨ。



「全軍っ!! ゴーレムに続けっ!!!」



 唐突に戦場に響き渡ったのはコウキの声。


 声の出し方を良く心得ている様で、良く通ったその声はおそらく殆どのプレイヤーに届いたんじゃないだろうか。


 その声に応えるコウキの一団の『応っ!』と言う声と突撃に、他のプレイヤー達も大声を上げて突撃を開始した。





 小さな蟹の攻撃手段は鋏による切りつけしか無い様で、泡を吐いてくる事も無い。


 コウキ達含め、今の俺達の防具だと比較的脆い生身に攻撃を受けても殆どダメージは無い。



「足を止めるなっ! 取り付かれたら終わりと思えっ!!」



 コウキの声は確実に届き、プレイヤー達は走り回りながら攻撃を続けている。


 どうやら小さな蟹達は甲殻も薄めらしく比較的簡単に撃破出来る。しかし数が数だ、プレイヤー達は少しずつダメージを蓄積させられている。



 対する石像、ゴーレム達は体が石や金属で出来ている為に蟹からの攻撃を全く意に返さず、当たるを幸い薙ぎ倒していた。


 特に凄いのはやはり赤の騎士、当たっていなくても槍を薙ぐ風圧だけでチビ蟹達を弾き飛ばし、絶命させている。



 ゴーレム達以外で活躍しているのは、派手に暴れまわっているアランとセナの二人。


 二人は水の迷宮踏破時に装飾品が手に入ったらしく、アランは青い宝石が付いている腕輪を、セナは髪留めを装備している。



 次に目立つのはコウキのパーティー。コウキは赤い大剣を振り回してチビ蟹を薙ぎ払い、テルマは体に炎を纏って直剣で蟹を屠りまくっている。


 ミヨはどうやら短棒術を心得ている様で、ワンドを巧みに操ってチビ蟹を殴ったり弾いたりしている。


 佐助は忍者をロールしているだけあり、体捌きが少々上手い、踏み潰したり短刀で刺し貫いたりしながら戦っている。


 ネネコは……味方にバフを送りつつ巧みに逃げ回っている。猫をロールプレイしているだけあると言わざるを得ない危機回避能力だ。



 玄人好みの戦いをしているのはユリちゃんとアマネさんのタッグで、フィールドの前線で殆ど動かず自分達の領域を作っている。


 両者共に戦闘時の勘が鋭く、お互いの死角をカバーし合いながら近付いてくるチビ蟹達を狩り続けている。



 他にも何人か目立つプレイヤーがいるが、その中に知っている奴がいた。



 名前は知らないが金髪のイケメン、女子プレイヤーをナンパから助けてた奴だ。


 今は何人かの女子プレイヤーと共に……と言うか侍らせて、防御主体の戦い方でチビ蟹を捌いている。


 金髪イケメンは何処で入手したのか白っぽい鎧、如何にも聖騎士と言った感じの防具を装備し、如何にも聖騎士っぽい剣を持っていた。




 俺や何人かのプレイヤーを除いた他多くのプレイヤーは、やはり膝よりも小さな獲物を狩る技術が無いらしく、中々に苦戦している状況と言えるだろう。


 たが、この後くるであろう大物と戦う為にも(テンペスト)城塞(キャッスル)、新しい能力の藍玉(アクアマリン)は使えない。


 敵も数を減らして来た様だし、そろそろ味方の援護は止めて殲滅にうつるか。





 程なくして、チビ蟹の群れは殲滅された。



 プレイヤー達に脱落者は無く、それぞれがポーションによる治療を終え、ゴーレム達が初期配置に戻ったのに気付いた者達から引き返して行った。



 次の集団とは仕切り直しって事か。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ