表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第六節 大海魔の攻略

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

203/1539

AS 双剣使いタクの闘い 【Episode.1】 β島の闘い 十一

第三位階中位

 



 ログインすると朝日はすっかり昇っていた。


 ゲーム開始3日目の朝、気合入れて行こう。



 食材売り場に入り、魔石を売却した。


 夜中の内に赤い像のおかげで大量に入手していたので、合計額は店売りで一番高い鉄の大剣を購入出来る程だ。

 大剣の値段は50万、剣は20万、俺が買うとしたら剣二本くらいの物で、後の10万は薬に使うか……こっちの飯を食うのも良いかもな。


 そう思い、併設されているレストランへ視線を向けると……妙な物が見えた。



「……あれは」



 客は殆どが女性プレイヤー、その中で一際に異質な机が一つある。

 机一杯に山と積まれた皿の壁、その壁を築いた人物は、他と同じ一人の女性プレイヤーだ。


 それも、見知った顔の。



「……百合ちゃん……だよな……」



 美味しそうにケーキを頬張る黒髪美人と、目があった。





 百合ちゃんもβテストをプレイしていた。

 フレンド登録をして情報を交換し合う。


 百合ちゃんがケーキを山程食っていたのは此方では太らないからと言う分かりやすい理由だ。

 武器は鉄の槍で、防具は要所を守る鉄の鎧。中々どうして様になっている。


 小柳百合。

 彼女の戦闘力は信頼出来る。

 お互いの利を考えてもパーティーを組む事になるのは必定と言えるだろう。



「それじゃあよろしくな、ユリちゃん」

「此方こそ宜しくお願いしますね、タクさん」



 手をグッと握る。


 さて、何処に行こうかね?



「追加注文のケーキがまだなので少し待っていてくれませんか?」

「あぁ……まだ食うんだ」



 ユリちゃんは家庭の事情があって和菓子よりも洋菓子の方が好きらしい。

 ……ユキが何かしたらしいんだが、その話は詳しく聞いて無いから分からん。


 ユリちゃんがケーキを爆食いしている間に情報収集でもするか。



 メニューの掲示板を開き、攻略情報を優先して調べる。


 幾つか立っているスレッド。モンスターの情報が纏められているスレや、各エリアの大まかな地図、スキルの取得条件や発見されたクエストの一覧。

 中々の攻略スピードだ。



「……タクさんもケーキ、食べますか?」



 調べ物をしていると、唐突にユリちゃんに声を掛けられた。

 一人で食べている事に居心地の悪さを感じたんだろうか?



「いや、いいよ、ユキが作った甘味以外はちょっとな」



 偽らざる本心だ。子供の頃のバレンタインデー以来甘い物には少し苦手意識がある。

 俺の言葉にユリちゃんはムッとした表情を見せ。



「ユキさんは男ですよ!」

「その言葉、そっくりそのまま返すわ」



 どうでも良過ぎる問答はやめにしよう、何方も得をしない。





 掲示板によると、攻略が進んでいるのは東西南北の森まで。それ以上先の海岸や草原、農場は手前に少し入った所までしか進めていないらしい。


 南の海岸は他より少し攻略が進んでいるらしく、モンスターの情報が纏められているスレに蟹の情報が入っていた。


 色々と情報が寄せられる中には、あのニワトリの情報もあった。

 相変わらず超高速で走り回っているらしい。


 後は真贋不明の情報が一つ。『四方の森で洞窟を見つけた』とだけ書かれて場所や中がどうなっているかが一切書かれていない。

 名前の欄が匿名になっているから誰が書き込んだかも分からない情報だ。


 ガセネタの可能性もあるが、調べてみる価値はあるだろう。

 今日行くのは一番近い西の森で決定だな。



 ……しっかし……どんだけ食うんだ? 周りの女性達もだが。



「ふぅ……ご馳走様でした」

「……御粗末様でした」



 堪能しましたぁ、と微笑むユリちゃん。こっちは胸焼けしそうだよ。


 ムカムカする胃を抑えつつ、笑顔を意識して話し掛ける。



「早速で悪いが、西の森にあるっつう洞窟を探しに行こうかと思うんだ」

「分かりました、植物相手はここ2日で大分慣れましたので足手纏いにはならないと思います」

「実力に関しちゃ心配してねぇんだが……」



 割とかなりリアルなこのゲームで、かなり不自然な植物型やスライムならともかく動物型のモンスターを狩る事が出来るのかと言う心配があった。

 だがまぁ、女子とは言えユキに色々された輩だ、必要とあらば何でもやるだろう。



「……いや、何でも無い、行こうか」

「? はい、行きましょう」



  疑問顔のユリちゃんを促して店を出た。


 洞窟、直ぐに見つかれば良いんだが。





 ユリちゃんの戦いぶりは中々の物だった。


 長柄物を使っている分リーチが取れる為、苗木の体当たりも難無く貫いている。

 それも、どうも弱点を把握してるらしく、一撃で仕留めていた。


 茨と種のモンスターも同じで、複数で出てくるのを串刺しにしつつ殲滅している。


 長柄だから一振りの遠心力もあり、突き刺した獲物を別の獲物へ弾き飛ばして次々と狩り進めている。



 話を聞くに、倒した獲物を物理的に解体して弱点を調べたらしい。


 動物型は脳を破壊すれば一撃で、他は魔石の様な部位を貫けば良いのだとか。

 ある場所はモンスターによってそれぞれ異なり、種のモンスターは中心、苗木のモンスターは胴体のやや左、茨のモンスターは瘤状の部位の真下らしい。


 それらを破壊すれば簡単に仕留められるそうだ、次からはそうしよう。



 そんなこんなで進む事しばらく。


 またもやニワトリに遭遇した。


 ……同じ個体じゃ無いよな。



chicken(チキン)ですね」

「あながち間違って無いが、この場合はfowl(ファゥル)……正確にはhen(ヘン)だな。多分雌鶏だろ」



 件のヘンは此方に気付いているのか、此方側の茂みを一瞥すると声を上げるでもなく森の奥へトテトテと歩き始めた。



「仕掛けますか?」

「まさか、仕掛けたら速攻で逃げられるぞ」



 しかし、どんな生態をしているのかは気になる。


 少し追跡してみよう。






 ニワトリはずんずんと森の中を進む、時折襲い掛かってくる植物達を蹴り飛ばしては一撃で仕留め、魔石らしき物を啄んでは先に進む。


 そんな、やたらと強いニワトリの観察を続けていると、ふと、ニワトリが一瞬光り消滅した。



「……は?」

「……消えましたね…………」

「……光って消えたな」



 何が何やら分からないが武器を構え、ニワトリが消滅した場所へ近付く。


 其処は森の中では少し開けた、日の差し込む場所だ。

 草はくるぶしの辺りまで伸びていて、特に視界が悪い訳では無い。


 ニワトリの痕跡が無いか。

 ニワトリが消えた理由は何なのか。

 周囲を油断なく見回しつつ消えた地点に踏み込んだ。瞬間——



「……っ!?」



 ——視界が光に包まれた。



 視界が戻ると、其処は——




「——洞窟か?」




《《【探索(フィールド)クエスト】『選別の試練:風の迷宮を踏破せよ』が発令されました》》



《《


探索(フィールド)クエスト】

『選別の試練:風の迷宮を踏破せよ』


参加条件

・風の迷宮を探索する



達成条件

・風の迷宮を踏破する



失敗条件

・無し



達成報酬

・スキルポイント1〜5P

・貨幣:魔力100〜1000000



全体報酬

・評価点+



・備考

 風の迷宮が『匿名』によって発見された。五層からなるその迷宮を攻略されたし。



主な出現魔物

・レッサーウィンドエレメント

・レッサーグリーンスライム

・レッサーグリーンゴブリン

・レッサーグリーンゴブリンメイジ

・レッサーグリーンキャット

・レッサーウィンドタイガー

・テンペストタイガーの幻影



》》



「……まじか」

「コケッ!」



 仄明るい洞窟の中で、ニワトリの鳴き声がこだました。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ