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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第六節 大海魔の攻略

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AS 双剣使いタクの闘い 【Episode.1】 β島の闘い 六

※110万PV達成


第三位階中位

 



「ふぁ……眠みぃ……」



 寝惚け(まなこ)を擦りながら階段を降りる。


 昨日の群狼戦が思っていた以上に負担になっていたらしい。その上、寝る時間は遅かったのに朝は何時もと同じ時間、眠くもなるってもんだ。



 寝惚けた頭を働かせて、リビングに入り、予定を考える。


 親父とお袋はもう出掛けただろうし、庭の花壇に水をやって……掃除もしなくちゃな。



「タク、おはよう。朝食はもう少しで出来るから先に顔洗って来てね」

「おーう……」



 食卓に並んでいるのは、珍しく和食だった。


 言われた通り、顔を洗いに洗面所まで行く。



 水やりに掃除、洗濯、飯も作らなきゃな……朝は……美味そうだったが……昼はカップ麺かな。



 ゲームの方は……取り敢えずクエスト探しに行くか。



 バシャバシャと音を立て冷水で顔を洗う。



「ふぅ」



 はっきりと目が覚めた。朝はやっぱり冷たい水だな。


 タオルで水気を拭きつつ、今日の予定をしっかり考える。



 ゲームは取り敢えずクエスト探し、情報収集だ。


 リアルの方は掃除洗濯、風呂は入るから沸かさなきゃならんしガーデニングの水やりもしなくちゃな。


 飯は取り敢えず朝飯食って、昼はカップ麺かな。



「……ん?」



 朝飯? ……和食? …………誰が?



「……」



 少々急ぎ足でキッチンへ向かい覗き込むと、其処には——



「〜〜♪〜〜〜♪♪ うん、良いね」



 ——ユキが居た。



 朝日を浴びて艶やかに光る長い黒髪、それを所謂ポニーテール、頭の後ろで一つに括っている。


 お袋がユキ用に用意したフリフリのエプロンを着たユキは………………鼻歌を歌いながら味噌汁の味見をしていた。



 ……いや、おい。






「ご馳走様」

「お粗末様」



 美味い飯を食いつつユキに話しを聞くと、どうやら犯人はお袋だったらしい。だろうな。


 ユキは食費と書かれた封筒をひらひらと振り、お袋の依頼、8日間俺の面倒を見てくれたらその分の食費も出す。といった内容のそれを受けたと話した。



 アヤちゃんはGW中は桜庭姉妹の家で強化合宿をするので不在、どうせ暇なので受けたらしい。


 ……それと、その強化合宿には珍しくユリちゃんが参加しなかったらしい。という俺としては色々とどうでも良い情報も貰った。



「それじゃあ僕は買い出しとか色々やるから、タクも休みとは言えだらけ過ぎないようにね?」



 そう言うとユキは、エプロンを着たまま手提げ袋を片手に買い出しに行った。


 ……はぁ……まぁ良いか。




 早速自室に戻り、ゲームを起動する。


 現実逃避ではない。






「さて、面白いクエストはあるかね?」



 ログインすると昨日ログアウトした場所、リスポーン地点付近のベンチに出た。


 直ぐにメニューを開き、掲示板を確認する。



 見つかっているクエストは、役所っぽい所にある依頼板に張り出されている素材収集系や討伐系のクエスト。

 各施設にある依頼板らしき物に張り出されているクエスト。


 後は街中、外問わず、稀に突発クエストが起きるらしい。発生原因は不明。



 取り敢えず欲しい物は回復アイテムと予備の武器。

 薬屋と武器屋のクエストを見にいこうか。



 事前情報に従い公園に一番近い施設、薬屋へと向かう途中、少々顔に違和感のある3人の男プレイヤー達が数人の女子プレイヤー達を軟派しているのが見えた。



 正直に言って理解出来ない。



 リアルの街中ならいざ知らず、せっかくの世界初VRゲーム、それも2日目、時間で言うなら18時間しか経っていない。

 それなのにゲームを楽しむでも無く軟派に走るなんて……ゲーマーとしては理解し難い。


 俺は狼の群れにやられなければ今も森の中で狩りをしてただろうしな。



 とは言え放っておくのも寝覚めが悪い。


 声を掛けようと近付いて行くと、俺より先に声を掛けた奴がいた。



「君達! 彼女等が困っているだろう! 止めたまえ!」



 そう声を掛けたのは金髪の男、顔は良く整っていて特に違和感は無い、リアルモジュールだろうな。


 しかし、もっと然りげ無く出来んのかね?



「あぁ?」

「んだテメェ()?」

「ちっ、クソイケメンが」



 案の定、ヘイトをばっちり稼いでやがる。


 アホ3人組が全員女子プレイヤー達から視線を外したので、手をヒラヒラ降ってさっさと行けと合図する。

 女子プレイヤー達はペコリと頭を下げてから、音を立てない様に走って逃げていった。



「嫌がる人達に物事を強要するのは決して許される事では無い。悔い改めて真っ当に生きるんだ」



 何度も心配そうに振り返る女子プレイヤーをその度にしっしっと追い払い、事の成り行きを見ていると、金髪の男がそんな事を言い出した。


 何でそう言う言い方になるかなぁー……あぁ、ロールプレイか。

 ロールプレイなら納得だ、VRゲームのロールプレイになるとこんな感じになるんだな。


 しっかし……全否定とは煽り過ぎだろ。



「んだとクソがっ!」

「ふざけやがってっ!」

「ぶっ殺してやるっ!」



 案の定、いやそれ以上に怒り出した男達。相手もロールプレイか? 沸点低過ぎだろうよ。



 チンピラロールをプレイしている連中は、街中で木剣を抜き放ち、金髪に斬りかかった。


 それを金髪は青銅らしき青緑っぽい剣で軽々と防ぐ。


 市販の金属剣の中では安い方らしいが、18時間で持っているという事は運が良いか結構頑張ったんだろう。


 そんな事を考えていると、何故かチンピラロールの内一人が俺にも斬りかかって来た。



「おらっ! ぐえっ!?」



 おかしいだろ。と思いつつも、成っていない、適当に振り下ろされる木剣を右手で払いのける。


 力んでいたせいで剣と一緒に右側に流された体、その無防備な肝臓の辺りに貫手を差し込んだ。

 しかし、突き込んだ感覚から言って革の服で守られてダメージがあまり通っていないかもしれん。


 おまけで耳の後ろにある尖った部分、乳様突起と呼ばれるそこを裏拳でかち上げておいた。



 ユキならかなり雑破に処理するんだろうが、折角のゲームだ、急所(ウィークポイント)は積極的に狙っていこう。



 倒れて動かなくなったそいつを放置して、もう一方の戦いを見ものする。


 へっぴり剣とは言え二対一、どんな物かとも思ったが、なかなかどうして金髪の剣術は堂に入っていた。


 二本の木剣を危なっかしくも対処して、時折反撃もしている。



 このゲームには、ちゃんと迷惑プレイヤーの対応策が講じられている。



 判定はいまいち分かっていないが、迷惑行為をしたプレイヤーはパーティーやフレンド、鑑定時の名前の欄が暫くの間黄色に変わり、デバフが掛けられてステータスが低下、モンスターに狙われ易くなるらしい。


 更に、他のプレイヤーがそのプレイヤーに攻撃してもペナルティーが掛からない様だ。


 黄色が直るまでの時間はおよそ12時間。

 倒されると直ぐに直るらしい。



 犯罪行為をしたプレイヤーは名前が橙色に変わり、重いデバフが掛けられ常に橙色の名前が表示される状態になるらしい。


 それだけでなく、倒された時に高確率で武器や防具がドロップするとか。


 直るまでの時間はまだ不明。

 一度倒されてもオレンジのままで、三度目でようやく直った事から、最短でもおよそ36時間くらいはオレンジのままかもしれないとの事。



 以上が自称検証チームの連中が真っ先に調べた事らしい。

 全ては楽しいVRゲームを守る為に! とか何とか。




 そんな訳で、名前の欄が黄色に変わったプレイヤー3人。


 デバフが掛けられて身体能力が低下した筈なので、もうじき決着がつくだろう。



 わざわざペナルティーを被ってまでロールする訳でも無いだろうし、やっぱり本気だったんだろうな。



 このまま行けば金髪が勝つ、野次馬も少し集まってきたし、今の内に立ち去るとしよう。


 面倒事はゴメンだ。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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