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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第六節 大海魔の攻略

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AS 双剣使いタクの闘い 【Episode.1】 β島の闘い 二

第三位階中位

 



 ふと、磯の香りがした様な気がした。


 それを感じた瞬間、瞼を透かして光が差しているのに気付いた。



 ゆっくりと瞼を持ち上げ、見えて来た物は——



 ——広い海だった。



「……まじかよ…………」



 今いる場所は古い石造りの建物の上らしい、目下には森があり、その先には広大な青が広がっていた。


 海の青と空の青の境界が交わり何処までも広がる青い世界を、燦々と輝く太陽が照らしている。

 大地を照らす光は暖かく、それを冷ます様に波風が涼を運んで来る。


 海の反対側には街の様な物が見え、其処には石像がロボットの様に動き回っているのが見えた。


 別の方向へ視線を向ければ、遠くに大きな山が見える。



 これは所謂没入型VRと言う物だろう。



 それを理解した瞬間、背筋がゾクゾクと震えた。


 一人のゲーマーとして期待に身を震わせ、体の違和感の無さ、世界の違和感の無さに、武術を嗜む者として魂が震えた。



 これならユキも——



「っ!?」



 興奮に身を震わせ感動の余韻に浸っていると、気配としか呼べない何かを背後に感じて振り返った。



「む?」



 振り返った先にいたのは——幼女。


 腰までのストレートの髪は真っ白で、金色のメッシュが入っている。目の色は鮮やかな緑色だ。



「ふむ? よもや我の目前に現れるとは……これもまた運命(さだめ)と言う事か……」



 その幼女は、何処と無く小さい頃のユキに似ていた。

 見た目こそ幼いが、その瞳に宿る知性の光は年相応の物では無い。


 その幼女はじっと俺を見ているが、その視線は不思議と、俺では無い何かを見ている様だった。

 まるで、そう、俺を透かして何かを見ている様な……。



「ほう、これは中々……今代のマレビト候補を見に来て見れば……」

「……なぁ、あんた——」

「——そう急くで無い。さて、どうしたものか」



 声をかけようとしたが遮られた。


 チュートリアルか? それとも突発的なクエストなのか?


 正に今始めたばっかだから何が何やらまったく分からん。



 幼女はしばらくの間考え事をしていた様だが、考えが纏まったらしく一つコクリと頷いた。



「うむ……手を出せ、お主にこれを授けよう」



 言われた通りに手を出すと、幼女は機体に挿入した物と同じ様な見た目の透明な宝石らしき物を投げて渡した。



「これは……?」

「然るべき時、然るべき場所で、然るべき用途に使うが良い。さすれば矮小なる世に縛られ鬱屈と佇む彼の御子の魂も解き放たれようぞ」



 幼女は良く分からないヒントらしき事を教えてくれた。

 もう少し具体的なヒントが欲しいんだが……。



「どう言うことだ?」

「其方が正しき道を選ぶなら何れ分かるであろう。ではな」

「あ、あぁ……え?」



 どうやら自分で調べろっつう事らしい。

 そう思っていると、唐突に幼女は別れの言葉を呟き、次の瞬間には居なくなっていた。


 まるで、空気に溶けて消えたかの様に一瞬で……。



「……結局……なんだったんだ?」



 俺はしばらくの間、狐につままれた様な気持ちで手の平の上にのる丸い宝石らしき物を見詰めていた。





 ずっとボケーっと海を眺めているのも良いが、取り敢えず行動するべきだ。

 最初はログアウトの方法を探すべく、色々と試行錯誤した。


 その結果、どうやらメニューと口に出すか念じるとメニューのホログラムの様な物がでると分かった。


 メニューの内容は。


・スキル

・ステータス

・アイテム

・フレンド

・パーティー

・クローズゲート


 の六つ。


 スキルはスキルポイントを使ってスキルを取得する物。


 ステータスは名前、レベル、状態、それと緑と青の二本のバーが表示されていた。

 メニューの端には『換装(チェンジ・イクイプ)』、つまり装備を変える事が出来る項目があった。


 アイテムはどうやら取得したアイテムを入れる事が出来る所謂アイテムストレージの様だ。

 その他に『解体(ドロップ)』と言う項目がある、これは今は選択出来ないが、名前から考えて獲物を狩った時に使えそうだ。

 折角だから幼女に貰った宝石をアイテムストレージに入れると、魔結晶と表示された。何ともファンタジーなアイテムだな。


 フレンドは、そのままフレンド。申請と許可、解除に連絡、メールが出来る。ここからパーティーに誘う事も出来る様だ。

 その他に、『掲示板(パブリックボード)』という項目があり、機能はゲーム内容を他のプレイヤーと話す事が出来る。という事だ。


 パーティーは、パーティー申請、許可、脱退が可能で、左手側に簡易ステータスとして俺の名前と緑のバーだけが出ていた。緑のバーはHPバーなんだろうな。


 最後のクローズゲートは……ログアウトと同じ物らしい。

 起動の時も思ったが……ゲート、ね……ゲートを開いてアナザーワールドに行く、と言う意味なんだろう。

 大抵は題名がグランドコンセプト、象徴になるもんだが……このゲームの象徴はこの再現度の高さだろう、それ故にアナザーワールド。



 確認はこんなところで良いだろう。



「さて、と……確認も済んだし、取り敢えず……戦ってみるか!」



 うずうずしてしょうがない。


 俺は櫓の様な建物から降りると、早速森へと入って行った。





「お?」



 しばらく歩いているとスライムらしき物体と遭遇した。

 形状はまん丸、水饅頭とでも言おうか。


 中心部には何か角張った物が浮いていて、動きは非常に遅い。



「敵……だよなぁ」



 どうやって倒すんだ、これ……。


 普通の動物やなんかなら、弱点と言うのは分かりやすい。


 頭があるならそれが弱点、頭を狙えないなら首を、首もダメならその少し下くらいが心臓だ。

 万一弱点を狙えないのだとしても、手足を斬れば攻撃も逃亡も封じる事が出来る。

 まぁ、木剣じゃあ斬ると言っても断ち斬るだがな。



 さて、このスライム? は如何だろう。


 木剣を抜き、何時でも斬りかかれる様にしながら観察する。


 全身が透明度のある柔らかそうな物体で構成されていて、一見弱点部位は無い様に見えるが……。



「……あれが弱点か?」



 スライムの中にプカプカと浮かぶ角張った物、それは如何やらスライムの一部らしい。

 正八面体、六角形の水晶の様にも見える物体。


 取り敢えず突っついて見れば分かるだろう。



 そう思い近付いた瞬間、スライムが飛び跳ねた。



「うおっ!?」



 空中で広がりながら飛び掛かってくるそれを、咄嗟に地面へ飛び込む様に回避し、地面に手を付いて向きを変え、スライムに剣を向けつつ着地した。


 スライムは地面にビシャッと広がり、うねうねと動いて元の形に戻った。



 今のがスライムの攻撃方法か……厄介だな。


 とは言え、最初に遭遇する様なモンスター、それもスライムだ、当たった所でそう大きなダメージにはならないだろうな。


 取り敢えず被弾覚悟で突っ込んでみるか。



 のろのろと此方へ向かってくるスライムに走り寄り、水晶目掛けて剣を突き込んだ。

 それと同時に、スライムは俺に向かって液体を吐き掛けていた。



「っ!?」



 それは右腕に直撃し、次の瞬間、チリチリとした痛みが走る。


 スライムは今の剣の一撃で力尽きたのか水晶の様な物体に亀裂が走り、液体の体が地面に広がった。



 微妙な痛みに顔を顰めつつ患部をみると、僅かに赤く腫れ、爛れていた。

 ステータスを確認すると緑色のバーが少し減少している。やはりHPバーだったか。



 スライムが死んだか確認する為、おそるおそる水晶へ剣を伸ばして突くと、僅かに剣の周りにスライムの液体が纏わり付いて来た。


 それを振り払い、今度こそ木剣を振り下ろして水晶を叩き割った。



《【鍛錬(トレーニング)クエスト】『初勝利』をクリアしました》



鍛錬(トレーニング)クエスト】

『初勝利』


参加条件

・初めて魔物を倒す



達成条件

・初めて魔物を倒す



失敗条件

・無し



達成報酬


参加者報酬

・スキルポイント5P

・道具『初級ポーション』×5

・道具『下級ポーション』

・道具『初級マナポーション』×3

・道具『下級マナポーション』



エクストラ評価報酬

初戦闘

初撃完全回避

初被弾

初攻撃

・スキルポイント6P

・スキル『見切り』

・防具『マナシールリング』

・道具『初級塗布剤』




「……今のがクエストなのか」



 少し驚きながら、倒したスライムを見下ろした。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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