表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第六節 大海魔の攻略

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

180/1539

第14話 パーティー 結?

※ブックマーク登録数が千件を超えました。


第五位階下位

 



 ——させる訳が無いよね?



 ——ギィィーーンッ!!



 会場内に響き渡ったのは金属音。

 しかし打ち合わされたのはどちらも金属では無い。


 片方は悪魔の爪、もう片方は蟹の鎚鋏なのだから。



「え……!?」

「っ……!」



 どうにも、悪魔と言うのは油断する性質(たち)であるらしい。

 愉悦と快楽を目前にした彼等は、(はた)から見れば隙だらけだ。


 だからこそ、少し隠せば仕込みをする時間も十分にあり、こうして間に割り込み攻撃を弾く事も出来る。



「……おや、先に壊れたいと言う事でよろしいでしょうか?」

「奇矯な事を仰いますのね」



 カルキノスを発動させての割り込みだが、どうやらこの悪魔、彼我のパワーバランスを見抜けていないらしい。


 僕の要領を得ない返しに苛ついた顔を隠しもしない。



「……くふふ、お望みとあらば握り潰して差し上げましょう」

「あら? 握り潰すとは、これまた奇妙な事を仰いますのね——」



 既に仕込みは終えているのだ、後は()るだけの事。



「——貴方の何処に、その様な部位が?」

「なにを言ってっ!!?」



 ゴトッと重い音を立て、悪魔の豪腕と両腕が地面に落ちた。


 悪魔が驚愕の声を上げるのと同時、会場内の黒尽くめ達が動揺し、肩を震わすのが見えた。

 後一押ししてみようか。



 悪魔は、地面に落ちたのが自分の腕だと認識するや、直ぐに翼を生やして後方へ大きく飛び退った。



「……貴様、ただの人間でハナイナ、ナニモノダッ!」



 悪魔は翼に続いて全身を悪魔のそれへと変化させ、僕へ誰何(すいか)した。


 それに対して僕は、武器から手を離し、優雅にカーテシーを決めながら一礼する。



「これは失礼しました。(わたくし)、エスティア王女殿下に仕えております一介の侍女、スノーと申します。短い付き合いとなりますが、どうぞお見知り置きください」



 もちろん、そんな隙を悪魔が見逃す筈も無い。

 武器を持たない僕に向かって斬爪の一撃を加えるべく急速接近して来た。



「あ……え……?」



 そんな間抜けな呟きを零したのは、僕の背後にいるメーア。残念ながらそのご尊顔を拝する事は出来ない……事もない。


 画像スキルがMAXになったので、360度全域の写真が撮れる様になっていたのだ。



「グッ……ナゼウゴカナイノデス」



 僕を殺す為に振るわれた悪魔の爪は、僕の目へ接触する直前で停止していた。



 理由は簡単。


 パーティー会場は明かりの魔道具や篝火、燭台等の光で照らされているが、空は厚い雲がかかり、ポツポツと雨が降り始めているので全体的に暗い。


 そんな中、隠密系のスキルの効果や隠蔽、注意を逸らすタイプの魔法をコピーして掛けた血刃は、魔力で感知し辛く視認も難しい。

 その上、雨に紛れて振り掛けられれば感覚で気付くのも難しい。


 黒い毛で覆われた全身が血で覆われていても気付けないのは仕方無いだろう。

 それだけで無く、操影魔法と念力、念動等を重ねている。


 僕はクスリと微笑むと悪魔の爪に手を乗せた。



「ふふ、何故でしょうね? 貴方の腕が、今まで殺してきた方々の血で濡れているからかもしれませんよ?」

「ナニヲ!」



 軽く冗談を言いつつ、氷雪の宝珠(アイシクル・オーブ)で強化された氷魔法を発動する。



「クッ! ヨセ! ヤメロォッ!!」



 周囲の温度が一気に氷点下まで下がり、降る雨粒や水蒸気が凍ってダイヤモンドダストを発生させる。


 悪魔の腕は、僕と接触している部分から凍り付いて行く。



「グッオオォォォオオッ!!!」



 悪魔はその強大な魔力を迸らせ、無理やり腕を動かそうとするが、魔力量はともかく出力では僕が上。

 ついでに、周囲に飛び散る悪魔の魔力を浄化しつつ回収、もはや勝負はついた。



「オノレッ! ユルサン! ユルサンゾォォオ!!」



 悪魔はどんどん氷に侵食されて行き——



「それでは、御機嫌よう」

「キ……サ…………マ………………」



 ——氷像へと変わった。



 完全に内部まで凍り付いている。


 普通の生物ならこれで十分死んでいると言えるが、分類上は精霊に近い生物である純悪魔の大悪魔(アークデーモン)なら凍り付いただけでは死なないだろう。


 と言う訳で、浄化。



「救いなき魂に救済の光を『聖なる光(ホーリーレイ)』」



 後光の様に輝く光の帯が悪魔の氷像を覆い尽くし——バラバラに砕け散って霧散した。



《レベルが上がりました》



 氷まで浄化されたと言う事は、悪魔の断末魔の怨嗟が氷を侵食したと言う事ではなかろうか?

 だとするなら、スノーさんはわざわざ演出等している場合では無いだろうに。


 念の為指を打ち鳴らし、その音に『福音』スキルを上乗せする事で残留している不浄を浄化した。

 マレビトに紛れ込んでいた下級悪魔(レッサーデーモン)悪魔(デーモン)は、指揮官が一瞬で消滅した事や福音の不意打ちを受けたせいで酷く動揺している。


 やるなら今だろう。



『と、言う訳で。やっておしまいなさい』

『了解』

『任せろ』

『やっちゃうよ!』

『流石ユキさん、僕達も負けてられないね!』

『さっさと仕留めて料理回収しねぇとなぁー、駄目になっちまうよ』



 まぁ、後は消化試合と言う物だ。


 現状悪魔は、プレイヤーへ襲撃し被害を増やし混乱させる為にばらけている。

 要するに悪魔は今、一体一体が複数のプレイヤーに囲まれている訳だ。


 常に最悪を想定するのは指揮官としての務め、悪魔の敗因は(ひとえ)に指揮官の怠慢が原因である。




 会場の各場所で戦いが始まった。



 それを高台から見ながら、時にナイフを投擲して援護し、その殆ど一方的と言える戦いの推移を見守る。


 結界は既に解除されているが、悪魔達が逃げないのは混乱しているからだろう。



「あ、あの!」

「何でしょうか?」



 しかし、今回の襲撃は妙だ。



「その……ありがとう」

「エスティア王女殿下の侍女として、当然の事をしたまでです」



 悪魔達が襲撃に選んだのは、国の中枢が集まるパーティー会場。

 それを逃さず殲滅すれば、成る程確かに国は国としての機能を無くしルベリオン王国は終焉の時を迎えるのだろう。


 その後結界を解除し王都の住民を虐殺、マレビトの死に戻り(リスポーン)地点を占拠するのだとして。

 マレビトが隠れない為であろうが、あの程度の戦力で王都を地図上から消すとなると労力が足りない上に無駄で無意味だ。


 マレビトを狩って強くなってから消滅させるのだとしても、それだと今宵にはならない。



「それでも……!」

「……わかりました、その礼を受け取りましょう。……どういたしまして、メーア様」



 雨足強く、風が吹き荒び、荒れに荒れ始めた空を見上げる。


 あの言葉、所詮は狂人の狂言と言えばそれまでだが、あの悪魔、最後こそ残念だが最初はかなり理性的だった。

 わざわざあんな言い方をするからには、『今宵』の内に王都を地図上から消すつもりだったのだろう。



 それはつまり——




《《【王国クエスト】【緊急クエスト】『愉悦に浸る悪魔の宴』がクリアされました》》



《【王国クエスト】【緊急クエスト】『愉悦に浸る悪魔の宴』をクリアしました》




《《


【王国クエスト】【緊急クエスト】

『愉悦に浸る悪魔の宴』


参加条件

・ボス『大悪魔(アークデーモン)』率いる悪魔達と戦う



達成条件

・ボス『大悪魔(アークデーモン)』率いる悪魔達の殲滅及び撃退



失敗条件

・全滅する



達成報酬


参加者報酬

・スキルポイント5〜10P


》》



【王国クエスト】【緊急クエスト】

『愉悦に浸る悪魔の宴』


参加条件

・ボス『大悪魔(アークデーモン)』率いる『下級悪魔(レッサーデーモン)』『悪魔(デーモン)』と戦う



達成条件

・ボス『大悪魔(アークデーモン)』率いる『下級悪魔(レッサーデーモン)』『悪魔(デーモン)』の殲滅及び撃退



失敗条件

・全滅する



達成報酬


参加者報酬

・スキルポイント10P



参加者貢献度ランダム報酬

貢献度30%ーー38%

・武器『悪魔の杖(デーモンステッキ)

・防具『悪魔紳士の紳士服(デモンズ・モーニング)

・スキル結晶『闇属性』

・スキル結晶『闇耐性』×2



エクストラ評価報酬

大女優

演技派

一騎打ち

圧倒撃破

個体名『エスティア・ルベリオン』との友誼

・スキルポイント16P

・スキル『礼儀作法』

・スキル『宮廷儀礼』

・スキル『侍女』

・スキル『奉仕』




 ——つまり、王都を消滅させるに足る何かがある?



 そう思い至った瞬間、不吉にも、或いは警告する(・・・・)かの様に大きな雷が落ちた。





《《【王国クエスト】【緊急クエスト】『深淵より来たる者』が発令されました》》



《《


【王国クエスト】【緊急クエスト】

『深淵より来たる者』


参加条件

・ボスと戦う



達成条件

・ボスを討伐、撃退する



失敗条件

・王都が滅びる



・備考

 遥か遠い海の底より、悪魔によって誘き出された大海魔が王都へと迫っている。

 死力を尽くして事に当たるべし。


・主な出現魔物

ギガント・スクィッド


》》




 嵐の様相を示す空、雷の音は鳴り止まず——



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
― 新着の感想 ―
1D10/1D100かな?ww
[一言] イカでゲソ〜ヾ(๑╹◡╹)ノ"
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ