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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十七節 ?????

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第9話 鵺の集会場再び

第八位階下位

 



 ふらふらするローネリアを労い、ベチョっとするシスターアルメリアを労い、ピタッとくっ付いてくるクラウを労い、シャルロッテを足蹴にして、2頭身アウラを撫で繰り回し、三巨像さんやルクスにご苦労様と声を掛け、三天使をよしよしし、リブラリアを撫で撫でし、頑張った皆にしっかり休憩を取らせた。


 僕も万全に回復した所で、次に向かったのは、リソースの確保だ。


 保留にしていた迷宮、『鵺の集会場』の攻略である。



 到着したそこは、相変わらずの夜の学校。


 魑魅魍魎が跋扈するそこを軽く見回り、解放されている六角プレートの前で立ち止まる。

 少し前に一つ目をクリアしたので、残すは猫、狐、甲虫の六角プレート。


 目の前にあるのは、甲虫の六角プレートだ。


 となると、相手は巨大な虫か、或いは精強な甲殻人(ガーテラル)だろう。

 然らば、此方が出す手も限られる。


 具体的には、同じ虫系か甲殻人(ガーテラル)が良いだろう。



 果たして——



 六角プレートに触れ、転移した先は、街と海の境目だった。


 眩しい程の月光に照らされる海は何の変哲も無く、どこまでも広がっている。


 見上げた街は、白く塗られた石造りの街。所々にある青い屋根が綺麗で、まるで空を見上げている様だった。


 不意に、黒い風が吹いた。


 白い街を駆け抜けた風は、渦を巻いて収束し、そこには1人の女が立っていた。



 やや燻んだ銀色の髪に、血の様に赤い瞳。


 黒いゴスロリ衣装に包まれた肌は白く、細い。


 少女は切れ長のつり目で僕を一瞥すると、ツーサイドアップの髪を払い、自然な動作で顔を逸らし、僕を見下ろした。



「……随分待たせるじゃない」

「忙しかったからね」

「ふん」



ナイト・ヴァンパイア・エンプレス ルーミラ LV680



 彼女は僕が鑑定したのを知ってか知らずか名乗りを上げる。



「私はルーミラ。ただのルーミラよ」

「僕はユキ、よろしくね」

「知ってるわよ。有名だもの」

「僕だからね」



 なんか神様界隈でも有名人らしいな。流石僕。


 呆れた様に此方を見下ろすルーミラは、徐に海を指差した。



「まぁ、此処のメインは私じゃないから、精々見てあげなさい」



 そんな事を言いつつ指差す海に視線を向けると、そこには渦潮があった。


 渦潮は瞬く間に肥大化し、海を飲み込んで行く。

 暴き出された海底に、仁王立ちする巨大な影が一つ。



マルガレア・ホロウ エスカータ LV680



 そうと認識した次の瞬間、冷気が吹き抜け、見渡す限りの海が凍り付く。


 ばっと跳ね上がったエスカータが、僕の前に降り立った。



 ——甲殻人(ガーテラル)だ。



 真っ白な装甲に僕の2倍はある巨躯。


 全体的に刺々しい装甲に腕が2本。一見してどんな虫が元になったかは分からない。


 感じられる属性は火と氷が強く、次点で水、ほんのり風、そして僅かに雲と雷。メインは火と氷の2属性だろう。


 エスカータはじっと僕を見下ろした。



「……」

「……」

「……よ」

「……よ?」

「……ん」

「……ん?」

「まともに会話しようとしても無駄よ」

「無駄なのかー」

「……むだ」



 さては蟹の系譜だな?


 基本的に情緒が無くて会話を重んじず、結果に向けてストイックだが何故か時に頑固。


 まぁ何でも良いが、問題は彼等の練度とアバターのレベルである。

 今までの感覚値から言って、おそらく亜神級の実力者と見るが、取り敢えず聞いておこう。



「神名を聞いても良いかな?」

「ふ……私は夜麗神よ」

「……」



 ふふんと髪を払いそう言う彼女の横で、エスカータが腕をクロスした。

 やっぱり神では無いらしい。



「強い武器や防具はある?」

「……み」

「ふ、来い、キャスウィングス!」



 エスカータが我が身こそ矛にして盾と肉体を見せ付けるに対して、ルーミラは相変わらず気取った様子で髪を払い、手を前に出した。


 呼び掛けと同時にルーミラの胸元から闇の粒子が溢れ出し、現れたのは一本の剣。

 漆黒の剣身を持つ大剣、若干の反りが入っているそれは、闇属性に特化した神器級の代物である。



キャスウィングス・レプリカ 品質S レア度8 耐久力S

備考:闇の獣の爪を用い、高貴なる夜によって鍛えられた剣のレプリカ。



 中々悪く無い。


 防具や肉体の質、実力面から見ても、戦闘力はざっくり750分はあると見て良いだろう。


 そして彼等には黄金の月と言うバフもある。


 相手にとって不足無し。



 呼び出すのは、サンディアとクリカだ。


 召喚に応じて現れたサンディアは、瞳をキラキラに輝かせ、剣をブンブン振り回す。

 一方クリカは僕の意図を汲み、甲殻人(ガーテラル)型に変身、背中にくっ付いていたマルボ君は結晶宮に取り込んだ。



「ふ、妥当な配役ね」

「……♪」



 吸血鬼2人が向かい合い、互いの剣を構える。



「……」

「……」



 甲殻の戦士達もまた、その拳を構えた。



 さぁ、報酬は何かなー?



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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