第1話 昼飯前に
第八位階下位
無事シャンディリア教国を支配し、サキュバスの姉妹を捕獲した所で、早速偽装工作を盛大に開始する。
やる事と言えば、新たに僕の支配地となったシャンディリア教国の整備である。
天使達から詳しく聴取した結果、天界への報告は緊急時以外月に一回程度、筆頭アルケーである第一翼と呼ばれる者が領地の情報を持って天界へ戻るらしい。
その期日が後3日と迫っているが、天界はその前に潰すので何も問題は無い。
と言う訳で、今回の偽装工作は、天界から緊急で教国に天使がやって来た際にバレない様にしつつ、外敵の対策も完璧な整備を行う事とする。
先ずは教国のそこそこな広さの領土内に、獲得した分も合わせて100体程の黒霧を配置。
街や村等に置く他、街道等の人通りが多い所にも配置し、残りは全て領土を囲う様に布陣した。
これで、転移による襲撃を観測出来るし、それ以外の襲撃や遠距離攻撃にも対応出来る、物量で来られても人里に侵攻する頃には援軍を用意できる。
まぁ、僕の様な者が潜入してきた場合はどうしようもない訳だが。
統治の方向性としては、取り敢えず地上の数少ない魔物をそこそこに駆除し、農耕牧畜を支援、実際の生産は地下の迷宮で行い、マレビト向けに色々なサービスやクエストポイントを準備。
国民は順次基礎を履修し、レベル上げは天使を支配してから行う事とする。
これで外敵にも天使にもきっちり対応出来るだろう。
教国方面と天使対策が終わった所で、次はペルセポネとその配下達を今一度確認する。
先ずペルセポネだが、その後イベント会場にてひたすらに神話編纂の力を使い、力への理解と配下との連携能力を高めた。
彼女の最大の武器はまさしく神話編纂の力だが、結局の所神話編纂にて組み上げられた神格は付け焼き刃の域を出ない。
それでも、並大抵の神気を保持する事しか出来ない者や少し操る程度の者とは渡り合えるが、今後想定される敵と戦うには元々の神格、冥界の女王の力を使い熟せる様にならなければならない。
まぁ、ペルセポネの神格は冥界の降臨とその支配。冥界の住人たる配下が強くなればその支配力も強くなるので、そう鍛えずとも慣らして行けば相応に強くはなる。
ペルセポネのしたい様にさせて置けば良いだろう。
次に、ペルセポネの元々の配下、ベルゴとナリファン、コレーとクーロスについて。
ベルゴとナリファンに関しては……まぁ、元々それなりに才能があった者達ではあるのだが、天凛を持つとは言えない者達でもある。
ディアリードが切り捨てた巨人の悪魔王や捨て駒にした元ツァーリム、現ツァーラムの様に、そこそこの才に収まっている程度の者達だ。
それでも鍛えてはいるが、残念ながら他の神群の幹部級達には劣る。
勿論鍛えて行けば追い縋る事は出来るだろうが、そこまでだ。
凡百の雑兵と比べれば天地の差ではあるが、期待値はそう高くも無い。
一方でコレーとクーロスの方はと言うと、レベルこそ現時点ではベルゴやナリファンに劣っているが、才能と言う点では2人を上回っている。
ギリギリで他の神群の幹部級に至れるだろう。
時間さえあれば他の磨き上げられた才能を凌いで更なる高みに至れる筈だ。
続けて、新たに配下に加えた元アニマルズの面々。マルコシアス、フリュフール、カリュドンの3匹。
此方は、僕の元で初期から割ときっちり鍛えて来た面々と言う事もあり、実力と言う点ではそれなりに見れるレベルである。
他の神群の幹部級と比べれば些か劣るが、十分な実力者だ。
更に続けてドルス一行。
神鉄の魔王ドルスが配下に加わった事で、パイア達が正式に配下となった。
実力で言えばドルスは極めて優秀な部類に入り、その配下の4体も準幹部級、加えて1,100体の武人までいる。
彼等は日々熱心に脳筋に鍛錬を続けており、成長は大いに期待出来る。
それから、肝心のガリオンとエルバーナ。
彼等は語るまでも無い本物の実力者達であり、各々の神話を持つ絶対強者だ。
それこそ主神たるペルセポネと張り合う程の力を持ち、教育を受けた今となっては互角の力量を持つ物と考えられる。
武術と操魔、戦術眼を学び取らせた今となっては、ただ蹂躙されるだけの巨体では無い。
まだまだ詰めは甘いが、それは伸び代があると言う事。
まさしく、ペルセポネには少々過ぎたおもちゃである。
まぁ、その分ペルセポネが成長してくれれば良い。
それら強者達に加えて、ペルセポネが体内に保有する冥界には、現時点でおよそ40万に及ぶ悪魔獣が控えている。
冥域を吸って獲得した莫大なエネルギーでそれらの育成を行い、今やその大半が混沌獣へ到達していた。
混沌獣と言えば、魔界に置いては一つの山を統べる主の様な怪物であり、それが40万もいれば魔界の雑兵程度なら制圧は容易いだろう。
情報群の投入とひたすらな基礎訓練、それにより増大する意思量とレベル限界。結果的に肥大する信仰。
その軍勢は今やサンディアやイェガに次ぐ神群となっていた。
そんなペルセポネ一行のイベント会場と言う篩による評価は、中々良好。
先ず、主神たるペルセポネが冥界を降臨させイベント会場を呑み込む。
続けてガリオンとエルバーナがイベント会場を挟み込み、素早い英雄達をそれぞれ4体程釣り上げる。
そしてベルゴ、ナリファン、コレー、クーロス、それからマルコシアス、フリュフール、カリュドン、続けて崩天、灼炎、骸廟、嵐刃の11体が殴り込み、英雄11体と相対。
おまけでパイア達の将、貪鉄、繁呑、触飽、睨視の4体で英雄2体と相対。
小回りの効くペルセポネとドルスで残る英雄4体を抑えつつ、全体のサポート。
パイアの兵士達1,100体は、門番系や部隊長系等の雑魚から毛が生えた奴らの相手をし、40万の混沌獣達で同格の雑魚人形達と相対する。
ペルセポネが上手く戦場を操作出来ている為、強くなった配下達にも程よい修行になっている。
少々残念なのは、ペルセポネ、ドルス、ガリオン、エルバーナには大した負荷になっていない点だ。
僕の分体が援護する程度では、セフィロタスも大災霊も七罪も現れはしない。
この4人であれば如何に精強なイベント会場と言えど瞬きの内に滅ぼせるので、然もありなんである。
今後の予定としては、ペルセポネにクリプトシーカーやワルプルギス、グラシアの面々を合流させるつもりだ。
これでようやくサンディアやイェガと互角の神群になるだろう。
取り急ぎペルセポネ達の様子も見終わったので、早速昼食を摂る事とする。




