掌話 燦然と戦果 七
第四位階中位
黒霧さんの風通しの良い仮説テントに入り、黒霧さんに声を掛ける。
「買い取りお願いしまーす」
「はい」
ネズミの死骸が入った木箱を取り出し、黒霧さんに提示する。査定はいつも通り一瞬で終わった。
ギルドの通常受付とかだとこうは行かないんだよな。
「ラットマンジェネラル1体、ラットマンウォーリア2体、ラットマンナイト2体、ラットマンアーチャー2体、ラットマン78体。締めて470,000MCで買い取り可能です」
「それで」
47万か……1時間掛かってない上消耗自体もそう多くないが、随分稼げたもんだ。
倒したラットマン全部回収してたらもっと行ったんだろうが……今は時間が惜しい。
「ラットマンの強化はしますか?」
「レベル15までお願いします」
「魂の保護は如何しますか?」
「付けてくださーい」
「はい、合計で645,000MCになります」
「はーい」
ピピっとお支払いして、次。
「ラットマンは既に1段階目の進化を終えています。2段階目の進化を行いますか?」
「うい」
「現時点で選べる進化先は、ラットマンウォーリア、ラットマンナイト、ラットマンアーチャーの3種類です」
「ウォーリアでお願いします」
「10万MCといずれかの属性石10個で進化可能です」
「おなしゃーす」
ピピっとお支払いして、更に次。
「武器装備お願いしまーす」
「はい」
取り出したのは、ジェネラルの報酬、ラットマンの歯喰い剣。
一応鑑定もしてもらおうかな。
「あ、鑑定もお願いします」
「承りました」
剣を渡す。
サイズは大剣と言うには少しだけ小さく、幅広な両刃剣。
剣身には刃紋と言うかデコボコした模様があり、刃筋に沿って並ぶそれはまさしく名の通り、歯が並んでいる様な印象を受ける。
おそらく、歯が喰い込むから歯喰い剣なのだろう。
柄は灰色の革が巻かれており、鍔の部分には同じく灰色の宝石みたいな物が付いている。
そこそこ高そうな剣だ。
カードへの装備の装着は、武器が壊れたり無くなったりしない代わりに、装備の買取価格と同額掛かる訳だが、はてさて……。
「装備名、ラットマンの歯喰い剣。特殊な武技が2つ付いた魔剣です」
「ほーう」
武技付きか、それも2つも……これは高いぞー。
「1つは、窮鼠活撃。レベル15相当のラットマンウォーリア、ラットマンナイト、ラットマンアーチャー、ラットマンメイジからランダムで1体を召喚します」
「ふーむ、15か……」
そんなでも無いな、まぁ俺のラットマンも今15だけど。
「2つ目は、九鼠乱喰。レベル15相当のラットマンウォーリア、ラットマンナイト、ラットマンアーチャー、ラットマンメイジからランダムで9体を召喚します。また召喚されたラットマン達はスキル伝心を保有し、連携能力が高いです」
「ほほう」
「また、剣には純度が中程度の魔石が取り付けられており、窮鼠活撃なら10度、九鼠乱喰なら1度、装備者の魔力消費無しで武技を発動可能です」
「ふむ」
て事は、10匹の烏合を召喚するか、9匹のチームを召喚するか選べる訳だ。
使い道としては、迷宮探索とかで少数ずつ召喚したい時は窮鼠活撃。ボス戦とかで沢山召喚したい時は九鼠乱喰って所だな。
そんで……肝心の値段は……?
「買取額は200万MCが妥当です」
「200、かー……」
たっっっかっっ……いやメイン武器とかはもっとするんだけどもっ。なんならカイトの銛とかは1000万とか余裕で越えるんだけどもっ。
払えなくは無い。払えなくは無いが……かなり痛い出費だ。
……いや、今回のイベントでほぼ稼げるんじゃないか……?
「……因みになんすけど……レンタルマジックバックって借りられます?」
「可能です」
「1日だけレンタルって可能です?」
「可能です。その場合は月額の5%、5,000MCになります」
「すぅ……分かりました」
借りよう。1つのバックに50匹入るから……千人斬りとか出来てたし……10、いや20……借りよう。
「レンタルマジックバック20個借ります。あと歯喰い剣をラットマンに装備で」
「合計で210万MCになります」
「はいー」
……いいんだ。これでいいんだ。死に戻りしたら無駄な出費になるかもしれないが。
俺が多額の出費に怯んでいる間に、支払いはつつが無く済み、黒霧さんは更に口を開いた。
「……因みに武勲証をモンスターカードや装備に使うと強化が可能です」
「はへ」
「モンスターカードに使えば対応するスキルの取得や強化に、装備に使えば能力の向上や武技の付与に使えます」
「あ、あぁ……お願いします」
ウォーリアとナイト、ジェネラルの武勲証をラットマンに、アーチャーの武勲証をマリオネットに使って貰った。
値段は、ジェネラルが30万MC。それ以外が10万MCだった。
出費がぁぁ……!




