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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十七節 ?????

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掌話 燦然と戦果 一

第四位階中位

 



 かねてより気になっていた、見習い薬師講習に参加した。


 場所は、クランティアと言うらしい、土神の残影との戦場になった浮遊島の首都。

 時間が早朝とあってか、もしくは元から人気のない講義だからか、参加者は少ない。


 まぁ、参加者が少ない最大の理由は他にある訳だが。


 先ず、参加費用が5000MCと少し高めな事。


 今となっては大した額じゃないが、プレイヤーの内9割の新規参入にはまだまだ他に使いたい物があるだろう。

 そして、コレを払わなくても、内容自体は掲示板に上げられており、それを見れば事足りてしまうと言う事もある。


 じゃあなんで参加したのかって言うと、講習を直接見ておきたかったからである。


 そんな訳で、案内された部屋を見回す。


 広い講堂の様なそこには、それぞれの席にカセットコンロみたいな物やすり鉢みたいな物が用意されていた。

 早速、前の席に移動し、受付で貰った初心者ポーションキットなる物を置いてマリオネットを召喚する。


 数少ない全員が着席し、規定の時間になった所で、先生の黒霧さんが話し始めた。



「それでは、見習い薬師講習を開始します」



 最初に行われるのは、講義。


 掲示板で予習しているが、しっかりと聞いておく。



「ポーションとは、即効性の治療効果を持つ魔法薬の事を指します。今回の講習で取り扱うのは、その中でも初歩の初歩、癒属性魔力によって形成される初級ポーションです」



 初級ポーション。


 主にレベル10代までしか使われない激安ポーションで、状態異常に殆ど効果が無く、今のレベルじゃ大して回復もしない。



「ポーションには初級、下級、中級、上級の4種類があり、その階級を分けるのは癒属性魔力の総量のみです。よって初級の最高品質のポーションが回復量で下級の最低品質のポーションを上回る事はありません」



 掲示板によると、コレはあくまでも回復量だけの話であり、最低品質のポーションは味とか匂いとかの飲みやすさがそれはもう悪い為、今では患部に掛けるのが主流。その分回復量が落ちるから、総合的な回復量では飲みやすいポーションが勝っていたりするんだとか。


 まぁ、そう言った事も含めて市場の定価は設定されている様で、安物買いの銭失いにはならない。



「ポーションに含まれる癒属性魔力とは万能な回復作用を持つ魔力であり、凡ゆる怪我や栄養不足等に効果があります。一方でウイルス、細菌、悪性腫瘍等に使うと、症状の悪化等が起きます。コレは同じ癒属性魔力を行使する回復魔法にも言える事です」



 さらっと言っているこの話は、やがてウイルスとか細菌系で攻撃してくる敵が出てくるフラグだと言われている。

 既存の治療アイテムや回復スキルの全てが使えない為、新たに専門薬の開発が必要な可能性があるとか、回復魔法スキルや耐性系スキルの強化が必要だとかで、掲示板がにわかに白熱していた。



「ポーション作成に必要な素材、薬草とは癒属性魔力を多く含む草類を指します。万能回復作用を持つ癒属性魔力を溜め込んでいる物が薬草として扱われており、環境が過酷である程蓄える癒属性魔力が多くなる為薬草としての質は高い物となります」



 これは薬草採取において重要な話だ。


 近場の森で手に入る薬草よりも山の上だったり樹海の奥だったりで取れる薬草の方が良い薬草、いわゆる上薬草等と呼ばれる物で、より上位のポーションが作れるが、当然取りに行く難易度も上がると言う事である。


 まぁ、現状ではどれが薬草かも殆ど分かっておらず、上薬草なる物に関しても存在が仄めかされているだけで確認は取れてないのだが。



「また、ポーションの薬材は薬草に限った物では無く、上位のポーションや特殊なポーションを作る際には、果実や鉱物、魔物の素材等を用いる事もあります」



 この件で特に有名なのは、水にスライムの粘液を混ぜると言う物だ。

 何がどう作用してそうなるのかは分からないが、回復量が増加するらしい。



「それでは、お手元のキットから薬草を取り出してください」



 その指示に従い、袋から葉っぱを取り出す。


 大きく、少し肉厚な葉だ。



「これはオオバソウと呼ばれる薬草です。森林の広範囲に自生している薬草で、主に葉の部分に薬効が多く含まれます。採取時は葉を茎からちぎる様にし、調合時は茎を切り落としましょう」



 そう言って黒霧さんは何枚かのオオバソウの茎をちぎっていく。


 これは確か、掲示板に曰く、茎にはあまり薬効が含まれておらず、味も悪くなる為とかだったな。

 掲示板の内容を思い出しつつ、俺もマリオネットと一緒にオオバソウの茎をちぎっていく。



「では、一通りポーションを作っていきましょう」



 その一言で、実習が始まった。





 手鍋がぐつぐつと音を立て、薬草が煮られて行く。

 透明だった水が黄緑色に変わり、ぶくぶくと滲み出るアクを取った。


 暫くして薬草を取り除き、粗熱を取る。


 まるでお茶でも淹れてるみたいな感じだが、コレで初級の最下級ポーションの完成だ。


 掲示板に曰く、回復量はガチで少ないが苦味も少なく飲みやすい。

 ……飲みやすくはあるが、薬草をそのまま食った方が回復するとまで言われる代物で、市場価値は無いに等しい。


 まぁこんなんでも、薬草を追加して煮詰め続ければ、苦味はともかくマシにはなる訳だが。



 次に、何枚かの薬草をすり鉢で潰して行く。


 特段コツとかは無く、とにかく細かく潰し、出来たのが緑色のドロドロ。


 それ等を手鍋に入れて、少し煮込んでアク取りをして、完成。


 薬草のスープと言った感じだが、コレもまた初級ポーションの製法の一つ。

 と言うか、なんならポーション界隈ではコレが1番ポピュラーな方法らしい。


 当たり前だが混ぜる水分量が多い程回復量が少なくなる。一方水分量が少な過ぎると何故か賞味期限が早く切れる、と言うか効能低下が早く起こるらしい。

 水分量に関しては後々の調整が可能なので、煮詰めるのも合わせてそこまで気を張る必要は無い。



 更に続けて、乾燥させてパリパリになった薬草をすり鉢で粉々にし、手鍋で煮詰める。


 出来たのは、茶褐色のこれまたお茶みたいなポーション。


 掲示板に曰く、苦味と渋みで飲みにくいが、薬草をそのまますりつぶして入れるよりは飲みやすく、回復量は同じくらい。



 最後に、すりつぶした薬草、水、粉末魔石を混ぜて煮た薬草スープ。


 初級ポーションの中では回復量が多く、その理由は黒霧さん曰く、粉末魔石が癒属性魔力を宿し、ポーション内の癒属性魔力の含有量が多くなる為との事。

 尚、飲みやすさに影響は無い。



 完成したポーションを小瓶に詰め、これにて5,000円の講義は終了となった。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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