第11話 ぴぴぴ
第四位階下位
この村3つは、シークエルと言う大天使が管理している区域らしい。
と言う事で、他の村への進出を一時取りやめ、シークエルの支配する町へ潜入する事とした。
今回もまた、カリーノの案内だ。
壁で囲まれた町の、開け放された門。人間の兵士は天使カリーノの羽パスで通り、そこの詰所にいた1人の天使と対話する。
「総軍所属カリーノ、シークエル様宛ての専属シスターの護衛としてやって参りました」
「あら? カリーノ、貴女確か村落防衛の任に付いていた筈じゃ」
「ぴぴぴ」
取り敢えず無防備な手を掴み、天使1人を籠絡する。
「この街の天使達の動きを詳しく教えて貰おうかな」
「は、はい、お任せください」
総軍所属天使から得られた情報によると、この町には門が後2つあり、そこにも天使が2人いる事。それから、宿舎か街中の何処かに、普段は門衛の任に付く天使が3人いる。
また、町内には2人1組の天使が3組パトロールをしている他、その交代要員として更に6人が宿舎や街中にいる。
加えて、近傍エリアのパトロール隊予備戦力として12人、そして、都市中央に護信軍の都市内管理者、周辺エリア管理者、村落管理者が2人ずつの6人、最後に副統括が1人と、統括のアルケー様、シークエルがいる。
即ち、現在この都市には門衛の天使が6人、町内パトロールが12人、近傍パトロールが12人、管理者が6人、副統括が1人と統括が1人の、38人の天使がいる。
中でも、アルケー様とやらのシークエルはとんでもない実力者との事なので、都市内にアンテナを張っているだろうから、カリーノとは此処で別れた。
此処は天使同伴で動くと、却って怪しまれる場所である。
◇
先ずは居場所の割れている門衛2人を落とした。
続けて、町内を彷徨いている天使を探す。
「コリーヌ、ちょっと分けて」
「はぁ? クーリエ貴女ね、前も——」
「ぴぴぴ」
串焼きの屋台の前で揉めていた天使2人を辻ぴぴぴして、素通りする。
「……もう、仕方ないわね」
「……やったー」
2人は先程のやり取りに戻り、街に溶け込んだ。
こう言った事を何度かやって、街の中にいた天使達を辻ぴぴぴして行く。
程なくして彷徨いてるのは終わったので、宿舎に向かった。
そこは、他の建物よりもやや豪華な、大きな建物。
何人かの使用人が彷徨いていたので、最初の2人、コリーヌとクーリエを利用して侵入した。
エントランスを素通りし、階段で天使とすれ違う。
「あぁん? コリーヌにクーリエ、またあんたら2人で……んん?」
僕に気付いて止まった粗野な感じの子に辻ぴぴぴ。
「……ああー、まぁ良いか、飯食ってこよ」
棒読みでそう言う子とすれ違い、2階へ進むと、早速手前の天使がいる部屋からノックする。
「はーい、誰?」
「コリーヌよ」
「はいはい」
ひょこっと現れた彼女に、コリーヌが話を続ける。
「フイユ、貴女確か聖乙女隊好きだったわよね」
「ええー、そりゃまぁそうですけども」
「じゃあ今日から入りの新しい子、連れて来たわよ」
「えっ? コリーヌが? ……気が効くー、どれどれ」
僕の方に近付いて来た天使フイユ、無防備だね。
僕の顔を見て息を呑んだ彼女に、ぴぴぴっと洗脳。
「ぁっ、う? ……えー、ユキ様、残念」
「聖乙女隊ってなに?」
「あー、ユキ様みたいな高貴な方にはとても言えない様なですな……」
ズボラっぽいフイユ君でも口を濁す物らしい。
「まぁ、良いや、次」
そんなこんなで部屋を周り、聖乙女なる謎の役割に扮した僕は、天使達を次々籠絡して行く。
それらが一通り終わり次第、更に続けて、宿舎の食堂に入った。
そこでは、3人の天使達と使用人がいたので、取り敢えず1人ずつ呼んで貰う。
「彼女はうちの宿舎の専属で、シークエル様が今日から私達の為に配属させてくれたユキよ」
「へぇ、幼いけど凄い美人だね。予約はやっぱりフイユが?」
「ぴぴぴ」
すらっとした美人な天使を落とし。
「彼女はうちの宿舎の専属で、シークエル様が今日から私達の為に配属させてくれたユキよ」
「ふーん、美人ね。それをなんでコリーヌとクーリエが……やっぱり2人はデキてるって噂本当だったの?」
「ぴぴぴ」
小柄なツインテ天使を落とし。
「彼女はうちの宿舎の専属で、シークエル様が今日から私達の為に配属させてくれたユキよ」
「ほぇ……ま、まぁ顔は良いじゃん……ちょっと、予約1番に出来ない?」
「ぴぴぴ」
こそこそっと話し掛けて来た天使を落とした。
これで宿舎の討ち入りも終わりだ。
最後は本庁を攻める。




