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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十七節 ?????

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第9話 待ち人来たる

第四位階下位

 



 広間の先にあったのは、これまた広めの通路。


 その道半ばに、朽ちた人骨が、壁に寄り掛かる様にして転がっていた。

 詳細は完璧には読み取れないが、戦闘による死では無さそうだ。


 その前の床には、文字を書いた痕跡があった。



「……ふむ」



 ”師よ、どうか彼女に幸福を”



 短く残されたメッセージ。宛先はおそらく、賢神グリエルだろう。


 僕は遺体を回収した。


 後で勝手に埋葬してしまおう。



 それよりもこの先で、彼女が僕を待ってる。


 僕は歌声に導かれる様に、通路を歩んだ。



 最後の門を、押し開く。



 そこにあったのは、祭壇。



 祭壇の上に、彼女はいた。



クラウリア LV771MAX



 穢れなき純白の髪に青い瞳の少女。


 御伽噺、マレビトと人形姫に出て来る、人形姫のクラウリア。



 彼女は歌をやめ、僕に微笑む。



「ますた?」



 僕は同じ様に彼女に微笑み返した。



「そうだよ。君を探してた」



 クラウはきょとんとした後、僕に問う。



「……もくてきは、はかい?」

「破壊であり、再生であり、創造だ」



 そんな事を言いつつ、僕は祭壇に腰掛ける彼女の横に座る。


 訝しむ彼女に構わず、コツンと額を合わせた。



「さぁ、おいで、クラウ」



 本体から情報群が流れ込み、クラウリアへ流入する。


 クラウリアは流れ込む未知の記憶に困惑しつつも、それを受け入れた。



「……そっか、わたしは、ひとりじゃない」

「そうだよ」



 クラウは瞑っていた瞼を開き、微笑んだ。



「ますた、わたしのちから、いつかみせるね」

「うん、その時はよろしくね」



 僕達は微笑みながら、クラウが隠密転送で回収されるのを見送った。



《【運命(ディスティニー)クエスト】『待ち人の人形姫』をクリアしました》





 クラウリアとは何なのか?


 それは人骨の正体と共に判明した。



 先ず、文字通り道半ばで死していた人骨は、間違いなく人形魔女オルメスの弟子だ。

 古城を詳しく調べた結果、その名をオリバーと呼ぶ事が分かった。


 僕は早速、古城内に作った墓に、オリバーの名を刻んだ。



 次に、クラウリアだが彼女は、ある天使の素材を用いて作られた、今や完璧な天使種である事が分かった。


 その天使と言うのが問題だ。


 そも、天使とは、死後、光輪を残して、体は白い粉の様な物に変じる。

 その白い粉は、エルクーンの元である甘い粉をより高次にした様な物質で、天使達は例え死んでも、その身の成れの果てから次代のより強力な天使が生まれる。と言う様な生態をしているのだと分かる。


 その天使もまた、光輪と白い粉を残して、死んだ天使だった。



 そう、リアの名が付く様な、古き高次の天使。


 大聖シルフィアーネの1番の友人。



 ——熾天使アシュリア。



 つまり、シスターアルメリアが埋葬した熾天使アシュリアの墓を暴いたのが、人形使いのオリバーだったと言う訳だ。


 シャンディリア教国の聖典がアシュリアの所持していた本であるのも、位置的に然もありなんと言った所である。



 正史では、クラウは間違いなく迷宮大爆発に巻き込まれただろうから、オリバーはその残骸の山から奇跡的に無事だったクラウを見つけ出したと言う事になる。

 オリバーの性格は知らないが、きっとセロ、ロニカ、リーンの3人は助けられなかったのだろう。


 その後、クラウの記憶を見る限り、幾百年の月日を経て、ルベリオン帝国時代に素体のアップデートを何度か繰り返した様である。

 その間にマレビトとの交流があり、御伽噺、マレビトと人形姫の雛型が出来た様だ。


 そうして、例のエルフの大国、ドランクール帝国の侵略が始まり、邪神が封印から解き放たれ、クラウとオリバーもその戦いに参戦、クラウの素体が破壊、オリバーもその後の死に繋がる深い傷を負った。


 その後……熾天使アシュリアの戦死を何処かで聞き付けたオリバーが墓を暴き、その遺体を利用してクラウリアを作成した。


 これがクラウリア誕生の顛末である。


 では、具体的なクラウリアの作成方法がどんな物だったかと言うと、これは至って簡単で、天使の生態を利用した物だった。


 クラウのコアをアシュリアの光輪と馴染ませ、それをベースに熾天使の粉で肉体を形成、擬似エルデクロンを作り、羽化を待った。


 簡単と言ったが時間はやたらと掛かっただろうから、それはきっと苦しい時間だっただろう。

 天使への深い理解も必要だし、賢神グリエルと知古を得たのもその時期かもしれない。


 何はともあれ、クラウは祭壇で完成の時を得て、その時には既にオリバーは死の間際だった。



 間に合ったのは……間に合ってしまったのは、きっと運命だっただろう。


 オリバーは死の淵で、賢神グリエルにクラウリアと言う規格外を託すべく、クラウリアに待機命令を下した。

 クラウリアはそれを律儀に守り、やがて訪れる新たなマスターを待った。


 そして賢神グリエルは度重なる邪悪との戦いで力尽き、クラウリアを迎える者はいなくなった。



 もし、クラウリアの誕生がもう少し遅ければ、クラウリアは地上に出て、爺様辺りと出会っていただろうに。


 彼女の歴史の分岐点は、オリバーが、彼等にとっての絶対者であった賢神グリエルの死を予測出来なかった事、これ一つ。


 誰も攻めるべき人のいない、数百年に及ぶ孤独は、賢神グリエルの孫弟子であるこの僕が癒してあげるのが筋だろう。



 取り急ぎ、クラウとクラウリアは融合処理を行われた。

 新たに生まれたのは、機械の天使。



機装熾天使(アジムス・セラフィム) クラウリア LV800



 神血(イコル)に加えて光輪を手に入れたクラウは、よく集まるちびっ子達の中でも頭一つ以上抜きん出たと言えるだろう。


 イェガの保有戦力としては、現時点で五指に入る実力者となった。



 クエストクリア報酬は、スキルポイント35P、武器『天ノ糸』。アイテム『人形宮(ドールパレス)』。


 アイテムの方は、小さな門型の異空間系アイテムで、例によって拡張機能を持つ居住区系アイテムだそうだ。

 此方は、イェガに取り付けたとの事。


 肝心の武器、天ノ糸は、支配系神性を持つ神器の糸だった。

 単純に操糸術として使う分には、光属性の強力な糸であり、クラウリアの武器としては十分な代物との事。


 早速クラウリアの持つ操り糸と合一化させたそうな。


 まぁ、どちらも妥当な配置である。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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