第3話 復活の機械神
第八位階下位
山の神と崇められた彼は、イヴに預けられた新生児達の中の1人だった。
彼が目覚めてしまったのは、邪神との戦いの欠損による物。
決戦の時から解凍までは随分ラグがあるが、それでも彼が生きていたのは幾百年の月日。
壊れるには十分な時間だ。
取り急ぎ、新生児達の無事な子達は僕が預かる事とした。
必要な準備が整い次第、解凍して育て始めようと思う。随分先にはなるだろうけどね。
次に、クエスト『堕ちた神』のクリア報酬。
以外にも難易度は高い判定だったらしく、手に入ったのは、スキルポイント30P。アイテム『理論真球』。
アイテムの理論真球は、不接触の概念を纏う神器で、念動力の網で捕まえておく事は出来るが、他に使い道も無い道具であった為、魔力に分解した。
次は、イヴの持つ資源について。
人的資源は教育を経た後、然るべき場所、帝国等に配置する。
山に関しては、破損のある星核機装船の解体を行ない、その分の確保された神血と資源で、イヴ・ハルモニアの復活を助ける事とした。
まぁ、イヴの完全復活には神核が必要な為、機械神・イヴ・ハルモニアの復活は無理だが、エヴァ程度の子機であれば直ぐにでも用意できる。
「エヴァはイヴの再構築を手助けします。何をしますか」
「じゃあ取り敢えずイヴの神血を僕が集めるから、エヴァは山の上から順に魔力分解して来て」
「エヴァは役割を逆にする事を強く推奨します」
「? まぁ、どちらでも良いけど」
何か企んでいるのかもしれないが、特に問題はない。
エヴァがぴこぴこ怪しい動きでイヴの因子を搔き集める横で、僕は早速山の解体に着手する。
「……エヴァの方は気にしないで欲しいとエヴァは大きく胸を張ります」
「……そう」
……怪し過ぎる。
が、僕は僕で一応ディアリードの警戒もしないといけないので、母娘の隠し事はスルーする。
知らない。なんか因子搔き集める途中でエヴァの中からイヴの因子が出て来た気がしたが、知らない。
……いつから……いや、知らない。最初からエヴァに潜んでたかもしれないが知らない。言え。
取り急ぎ山の木々を解体し、土や岩を分解し、なんとなく美味しい気がしながら山の解体を完了。
続けて、顕になった星核機装船を上から順に破壊し、回収した金属をイヴの神血に食べさせて行く。
これでイヴのエヴァ並みの増殖は十分に果たせるだろう。
問題はイヴの子機、器の設計だが……。
「イヴの肉体の作成は既に完了している、とエヴァは不敵に笑います」
「……流石エヴァだね」
設計図どっから持って来たとか言いたい事は山ほどあるが、まぁ隠してるみたいだし気にしないでおこう。
ニヨニヨしながらジャジャーンと取り出されたイヴの器を観察する。
まぁ、相応の資源を用いて、エヴァ並みの能力は保証されている。
良くもまぁ神血機装やその上の血装神機を作るのに並行してここまでの物を作った物である。
どれだけの資源を横領したのかは最早、桁を数えるだけ無駄だろう。
まぁ、生きている内に肉体を削ぎ取ったり、放出された魔力を回収したりは本人の実力による所もあるので、悪い人がいるとしたら容認している僕である。
程なくして、星核機装船の解体は終わり、十分な量のイヴの神血の生産が完了した。
用意されたイヴの器に、イヴの神血が流入する。
そして瞳は開かれた。
《【運命クエスト】【大陸クエスト】『機械神の復活』をクリアしました》
「イヴは復活したと報告します」
「エヴァはイヴが復活したと報告します」
「ご苦労様」
エヴァ・ハルモニア LV760MAX
イヴ・ハルモニア LV700
後はエネルギーを注入して行けば、イヴ程の者ならレベル1,000程度までは問題なく上がって行くだろう。
イヴは間違いなく主神級の逸材だが、此処は敢えてエヴァ同様にイェガの配下として配置しておこう。
肝心のクエストクリア報酬は、スキルポイント50Pに、無色の神血を用いて作れられた神血機装の武装が4つ。
飛行ユニットに、武器の銃と剣、それから盾の4つだが、せっかく誰かが作ってくれた所悪いが、イヴに還元した。
まぁ、何せエヴァが武装を溜め込んでいるので、イヴはそれを利用すれば良い。
4つの神血機装も武装としては悪い物では無いが、イヴ専用のオーダーメイドでも無いので、致し方ない措置である。
これにて、僕の領域の西側で起きた謎の光事件は解決だ。
結局ディアリードの影は見えなかったが、一方で、イヴ・ハルモニアを復活させると言う大事が叶った。
これにディアリードの関与が一切無いとは思えないと言うのが僕の本音だ。
一つ言えるのは、もしディアリードの軍勢が襲って来て周辺をくまなく警戒していなかったら、落ちた光の柱、雷もどきは、そのまま雷として処理されていた可能性があった。
と言うより、今までも獣がこの村に侵入する事はあった筈なので、事実として雷として処理、もとい全く気にしていなかった事実がある。
勿論、それでもやがては観測上異常と判断されただろうから、時間の問題ではあった訳だが。
まるで本当に餌やりを受けている気分だ。
……或いはもしかしたら、ディアリードは、この世界の戦力を僕に搔き集めようとしているのではないだろうか?
だとするなら、目的は……2種程か。
単に銀の巫女に力を集める協力者か、力を集めた上で、今日の様な決戦を仕掛ける為か。
どちらにせよ、ディアリードの目的は、一貫して強者を生み出す事それ一つ。
その為なら、僕達を潰す事も、それ以外の全てを消し炭にする事すら厭わないだろう。
今後も要警戒である。




