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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十七節 ?????

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第10話 待ち人来ず

第八位階下位

 



 あちこちで、魔界を物理的に揺るがす決戦が起きている。

 そのどれもが、神話の一節を飾るに相応しい戦いだ。


 その中で、最も早く決着に向かっているのは、ペルセポネとガリオンの戦場。



 ペルセポネは生成した両腕を自在に操り、武術を持ってガリオンと相対する。

 対してガリオンは、武を知らぬ獣そのものの振る舞いで、破壊を振り撒く様に拳を振るった。


 武術においては特段強者と言う訳でも無いペルセポネはしかし、この戦いにおいては、赤子の手を捻る様にガリオンを圧倒する。


 それでも尚決着が付かないのは、ガリオン生来の頑強さに対して、ペルセポネの攻撃が決定打に欠けるからだ。



 そもそもこの戦闘、接触しただけで、お互いの神話は衝突しあっているのだ。


 ガリオンの持つ魔界破壊の神話と、ペルセポネが編纂した悪魔獣支配、巨獣服従、異界征伐の神話。

 それらは接触の度に相争い、主導権を奪い合っている。



 だが、それも間も無く終わりだ。



 夜が立ち昇る。



◇◆◇



 ペルセポネには、30万の魂の配下達がいた。


 30万の魂は、付与された情報群と公式イベント会場を利用した1日36日間と言う絶大な時間で洗練され、その演算力はペルセポネの大きな力となっている。



 その戦場には、冥域があった。


 冥域は何処までも広がる。


 世界の壁などありはしない、弱きを狂わせる毒の海。強きを惑わせる無尽の海。



 莫大な資源であるそれを、強者達が利用して来なかったのは、それが自我を汚染する強力な毒であると理解している為。



 しかし、ペルセポネは違った。



 ——彼女は冥界の女王。



 その華奢な肢体には幾万の命を宿し、冥界そのものを身に秘めたるその有り様は、生来の混沌。


 それでいて全ては統一された意志の元動く、秩序の化身。


 ——生まれ付いての混沌の支配者(カオス・ルーラー)



 ペルセポネはガリオンとの戦闘の最中、ひたすらに冥域を吸い込み続けていた。



 そして遂に、その時は来る。



神話(コーリング)降臨(・ミソロジア)冥界の女王(ペルセポネ)



 呼び起こしたのは、今も纏う神話。


 現れたのは対の巨腕。



神話(コーリング)降臨(・ミソロジア)冥界の女王(ペルセポネ)



 ——2度目の降臨。


 聳え立つは、合計6つの巨腕。



 ガリオンは驚愕に目を見開き、後退った。


 それでも尚戦わんと拳を振り上げ——



 ——刹那の一瞬で巨大な六腕がガリオンを取り押さえた。



神話(コーリング)降臨(・ミソロジア)冥界の女王(ペルセポネ)



 ——3度目の降臨。



 現れたのは、闇。


 巨躯を誇るガリオンを遥かに超える、巨大な冥界。



 それは瞬く間にガリオンへ喰らい付いた。


 巨腕に捕らわれ、闇に覆われるガリオンに、抵抗する術は無し。

 必死に暴れ、命懸けで滾らせた真気も、こうなっては最早ここまで。



 抵抗虚しくガリオンは冥界に呑まれ、沈黙した。



◇◆◇



 悪魔獣の元となる冥域の持つ特性は様々だ。


 それこそ、鮫獅子のクーロスの様に、鬣から蛸の足が生えて来る様な異常進化。

 そう言ったケースが散見される程度には異常が通常の範疇にある。


 その理由は、冥域の中の混沌とした魔力、因子の濃度が、それぞれ全く異なるからだ。

 エネルギーとして分解し切れなかった高濃度因子が、進化や魔法に形となって現れてしまう。


 レベル600、即ち霊験門(イニティウム)を越えた濁冥獣(アビスビースト)クラスならば、多少の高濃度因子も気にせず分解し、エネルギーとして使用できるだろう。

 ペルセポネの場合、吸い取った冥域を30万の魂で丁寧に濾過、分解し、多少の時間を掛けて安全な利用を可能とした。


 そうして冥域の莫大なエネルギーを利用したペルセポネは、創出した神話を2度、そして元から持つ冥界創造の神話を1度降ろし直し、ガリオンを捕らえた。


 その身全てが冥界に囚われてしまえば、魔界破壊の神話を効かせるには工夫が必要だ。

 ガリオンにはそれが出来る様子もなく、迫り来る死を前に出来得る限りの抵抗を見せている。


 まぁ、全てにおいて手遅れであるが。



 もし、ディアリードが手を降すなら此処だろう。


 そうと警戒を続けるも、ディアリードに動きは無い。



 そうこうしている内にも、ガリオンの吸収は続けられ、魂の眷属化も進んで行く。


 敢えて隙を晒す様に、僕もガリオンの眷属化を手伝ってみたが、結局ディアリードからのコンタクトは無かった。



《【運命クエスト】『魔王列強・滅亡の魔王ガリオン』をクリアしました》



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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