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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十七節 ?????

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第4話 白い

第八位階下位

 



 ゴゴゴっと扉が開きアルマロンが前に出る。



 僕達はそれに続き、少し高い位置に作られた大きめの玉座を見上げた。



 アルマロンが膝を突く。



「アルマロン、御身の前に参上致しました」

「ご苦労様、楽にしてね」

「はっ!」



 微笑みながらそう言ったのは、堕天使。



堕天使 ローネリア・グラシア LV799MAX



 金に輝く光輪はそのままに、髪は白く染まり、目は血の様な赤、翼は黒く染まった堕天使。


 長い髪に長身の美人さんだ。


 ローネリアは楽にと言われても跪くアルマロンから視線を外し、ナハトロンを見た。


 ローネリアが口を開く前に、もう一人が声を出す。



「ナハトロン! 良く無事に帰ってきたのだわ!」



悪魔女皇(デーモンカイゼリン) アロカント・グラシア LV743MAX



 白髪に白い瞳の少女。


 堕天したローネリアと良く似た配色の、1,000年以上の古より生きる大悪魔の1人。


 角や尻尾まで白い純白の彼女は、ローネリアの膝から降りるとナハトロンの両手を握った。



「うむ、久しく。まぁ我は一度死んだ様な物だがな」

「良く分からないけど、良かったのだわ。それにテリオヌスとルカナントも、生きていてくれて嬉しいのだわ!」



 ニコニコと微笑む彼女の瞳からは、ほんのりと涙が滲んでいる。

 ……やはりと言うか、アロカントは温室育ちの培養タイプだな。


 1,000年以上の間、ローネリアに守られて育てられたのだろう。


 アロカントは暫しにこやかに三人を見た後、僕に視線をよこした。



「それで……貴女はどなたなのだわ?」

「僕は彼等の新しい主人」



 その答えに対し、アロカントはショックを受けた様にたじろいだ。



「……ぐ、グラシアの者はグラシアに帰るべきなのだわ。お礼は弾むのだわ」

「まぁ、研究機関としては歴史あるグラシアに統合しても良いかな」

「そ、そうなのだわ!」



 僕の返答に気をよくしたアロカント。対してローネリアは眉根を寄せた。

 特に何と言う事も無く、ローネリアは直ぐにアロカントの前に歩み出る。


 そのままアロカント守る様に僕の前に立ち、攻勢意思を滾らせた。



「……グラシアの戦士達を送り届けてくれた事、感謝します。しかしユキ様、どうぞお引き取りください」



 そこまで言った所だった。



「な、何をするのだわ! ナハトロン!」

「な、ナハトロン様!?」



 アロカントの悲鳴に近しい声に、アルマロンの困惑した声。


 ナハトロンがアロカントの首に槍を当て、ルカナとテリーがローネリアに手を向ける。



「……なんの真似ですか?」



 動揺を隠し、ローネリアは3人に問う。

 それに対する答えは、ナハトロンから与えられた。



「この状況で分からぬとは……ローネリア、貴様、この1,000年で鈍ったな?」

「……」

「我はグラシアの灼星。ユキがグラシアの存続を望むのなら、我はその後押しをするのみだ」



 状況と全く異なる事を言うナハトロンに、ローネリアは困惑の表情を浮かべた。



「な、なら安心なのだわ」



 平和ボケの化身の様なアロカントは、槍を向けられたまま気を抜いた。寧ろ大物である。

 それに対し慌てたのはローネリアだ。


 瞬時に多くの可能性を考えた彼女は、視線だけナハトロンに向け、問うた。



「こんな事をして、私を止められるとでも?」

「ではローネリア、貴様はそれを止められるか」



 自信満々なローネリアに対し、顎で僕を指すナハトロン。


 ローネリアの視線が僕に戻るのに合わせて、僕は不可知化した。



「っ……何処に」

「いないよ」



 声だけは響く僕に、ローネリアは即座に光輪を光らせ、翼を広げて警戒する。


 その間に、僕はアロカントの頬をつついた。



「ふみゅぅ、なんなのだわ?」

「——やめて!」

「別に何もしてないよ」



 慌てて振り返った彼女の背後から声を掛ける。


 反応が鈍いな……本当に鈍ってるのか?


 此方を振り返った彼女に、視線を合わせた。



「っ……」

「……」



 此方を睨むその顔、急速に高まる戦意……だが、尽く遅い。



「はぁ……ナハト、槍を降ろせ。ルカナもテリーも。無駄な戦闘は不要だよ」



 第一、天使や悪魔、増してや熾天使級と女皇なら準精霊体なのだから、僕に敵意が無い事くらい分かるだろう。


 それぞれ滾らせていた殺気を納め、武器を降ろした。


 困惑しているのはローネリアとアルマロンのみだ。



「今のナハトロンくらいだね」

「ふん、本来格上でありながら落ちた物だな」

「アロカントはちょっと弱過ぎる」

「何故か罵倒されたのだわ!?」



 戦闘するに値しない相手だ。



「さて……」



 そう言いながら、僕はちょうど良く空いている玉座に腰掛ける。

 そのまま少しだけ、練り上げていた真気と神気を解放した。



「「「っ!?」」」



 おそらくローネリアは神気に、アロカントとアルマロンは真気に気付き、さっと顔を青ざめさせた。


 対する配下の3人は、直ぐに膝を付き、頭を垂れた。

 演技指導はバッチリである。



「グラシアの決定権を持つのはアロカント、君だね」

「そ、そうなのだわ……」



 グラシアの花は白い花。最初からグラシアはアロカントを指す名前だった訳だ。



「僕の目的はグラシアでは無くローネリアだ。ローネリアは何があろうと連れて行く」

「そ、それは……幾ら貴女が強くても承服し兼ねるのだわ!」

「アロ……」



 僕に立ち向かうアロカントに、微笑んで問う。



「では、君達グラシアも、付いて来るかね?」

「……それなら確かに万事解決なのだわ」



 色々と拙いが、真っ直ぐではある彼女は、色々起きるかもしれない諸問題をスルーし、自らの直感に従い頷いた。



「グラシアは貴女の傘下に降るのだわ! だから皆を大事に扱って欲しいのだわ!」

「良いだろう。おいで」



 よたよたあわあわ近付いて来たアロカントの頭を撫で、テイムを掛ける。

 テイム程の強制力なら、アロカントでも余裕で弾く事が出来る。


 これもまた、一つの篩の役割を持つ物だ。


 しかしアロカントは一切の抵抗も無く、テイムを受け入れた。



 次はローネリアだ。



「……ローネリア、僕の目的は天界を落とす事だ」

「天界を……」



 ローネリアが天使総軍の現状を知らない筈が無い。

 それ以外の情報については殆ど当てにならないが、唯一、熾天使達の事情には精通している筈。



「君の協力は本来天界を落とす上で不要だが、あればその分だけ良い。協力してくれるね」

「ふにゅぅ〜」



 アロカントの頭を撫でくり回しながら言うと、ローネリアは凄く何か言いたげに、頷いた。



「……分かりました……ですが、一つだけ聞かせてください」

「良いだろう」



 ローネリアはすっと、多くの物を飲み込んで、強い信念を覗かせる顔で問うて来た。



「貴女は、銀の巫女ですか?」



 偶に、特に五天帝の傘下に聞かれる事だ。


 僕は微笑みながら頷く。



「そうだよ」

「……分かりました、私も覚悟を決めましょう」



 ローネリアは僕に跪き、首を垂れた。



「天界の命運、そしてシルフィアーネ様の御遺志。全て貴女に託します」

「テイム」



《【大陸クエスト】『グラシアの花々』をクリアしました》



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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