第7話 技術力を御覧じよう
第八位階下位
何でもクルーエルは、ブランもといフブキに曰く、極めて変態的な奴で、しきりにキスを求めて来る奴だったらしい。
フブキは面白がってそれに応え、キスの度に分体を流し込んでいた様である。
クルーエルが半分しか堕天していないのも、その支配が完全で無いのも、それが理由だろう。
僕は取り敢えず、それに気付かないふりをして、イェガの軍勢を3方面に分けて出陣させる。
1つは、革命軍。
此方はほぼ遊びである。
接触寸前だった妖精騎士達は、帝国の支配を受けているので、バッタバッタと薙ぎ倒しておき、内1体をシーク&ターナーに当て、何体かを革命軍の精鋭に当てた。
残りは空でこれ見よがしに様子見させ、同時に革命軍と名の付く民の群れは囲んで逃げられない様にしておく。
2つ目は、帝国軍、一般兵。
此方は、彼等曰く、軍団魔法なる技術を利用する兵団である。
親バッチから子バッチに命令が飛び、所持者の魔力を消費して付与魔法を掛ける事で、戦力をレベルにして10分程度押し上げると言うしょぼい代物だ。
だがまぁ、そっちはあくまで人道的なおまけであり、本質は今正に準備が進められている物。
軍団の後方で、容易されている物は、巨大な砲。
上位の光線系魔法……と言うか、ジャッジメントを人口的に放つ兵器である。
効果の程は、革命軍に放つにはご存知の通りの過剰攻撃であり、その構造体は……天使が持つ物と全く同じだった。
何でも、天使にはゴーレム作成等に長けた天意軍なる技術者集団がいるらしいが……帝国はどうやらそこと繋がりがあるらしい。
大方、天使の方から、技術に優れる帝国と技術交友を持つ様になったのだろう。
仮にこの帝国最高戦力が、僕の知る奴、鬣が大好きで合成獣が大好きな奴だとしたら、一千年の月日が有れば、技術的な天使を堕天させる事も出来るだろうね。
取り敢えず、過剰殲滅兵器、ジャッジメント号の構造についてだ。
凄く単純に言うと、普通にジャッジメント。
威力は、強化の魔法陣が無い上、攻勢意思とかの点から見ても結構弱い。
そして問題のエネルギー源はと言うと、どうやら民に配布された帝都民の証、その内貧民、平民、上等民の順番で、魔力を搾り取る機能が付いている様である。
そりゃあジャッジメントクラスの高等魔法をそんなポンポン打てるエネルギー量が容易出来るなら、此処まで苦労しないと言う話だ。
何なら最大で3発くらいまでしか打てない欠陥品、それが帝国の叡智、軍団魔法と呼ばれる物の最高傑作、ジャッジメント号の正体であった。
取り敢えず、此方はそれを受け止める準備として、敢えてゴーレムの密集地帯を作った。
帝国一般兵達は、狙い通りゴーレムの密集地帯に狙いを定める。
まぁ、此方も軍団魔法、かつて希望を搔き集めたノードゥス・ルークの様に、防勢意思を集めた結界を張って、それを受け止めようと思う。
出来るかどうかは賭けだが、イェガ的には積み重ねたブロックにボールをぶつけてみる様な気軽さなので、3回分のキャッチボールを楽しく観戦させて貰おう。
最後に、天使方面。
分体の調査によると、長きにわたって、帝国は天使が堕天する条件等を調べていた様だった。
この場合帝国はと言うより、奴、もといバーチス、ことバカチスである。
そも、天使達が気軽に処分している、魔界で堕天した天使と言うのは、実際には闇属性に適応した天使達であり、堕天使では無い。
天使は、自らの信仰に疑念を抱き、ある程度確信する事で、堕天する様である。
それは一種、やり過ぎた善を諌める為の、光輪が元々持つ機能の一つと見られる。
今回の場合は、悪魔由来の隷属術式で縛った天使達に、痛みを伴う舌鋒を飛ばす事で、堕天を促した様である。
確かに、聖神が実在するのであれば、天使達が仲間に売られ、激痛を浴びせ掛けられる様な事も無い。
そもそも、天界すらも、そう言った堕天が起こり易い様な構造になってしまっている、もしくは意図的にそうさせられているので、堕天は案外簡単に済んだ様である。
そんな堕天使軍、もとい天使兵計画の天使兵達にはまた同じ様に飛行型のゴーレムを当てた。
戦えと命じられただけのしょぼい天使達はともかく、数日間フブキにスパルタに鍛えられ、それを愛と才能で無傷で乗り越えた狂ーエル、もといクルーエルは別格。
ゴーレム単体では抑えられない脅威である。
そこはかとなく複数で戦わせ、折を見てフブキにぶつけてブラッシュアップと行くのが良いだろう。
さぁ、次の手を早く打たないと、これで終わってしまうぞ?
エピソード63 第32話 竜の行方 に挿絵追加!
第32話 竜の行方 ※挿絵あり が目印です!
また、エピソード23 第19話 一騒動 にも挿絵追加!
更に、第1話 ゲームを始めよう の挿絵をカラーイラストに差し替えました! 是非色の付いたユキ(旅人装備)をご覧ください!




