掌話 光は舞い降りる 三
第四位階中位
回数を重ねても変わらぬ激戦。
プレイヤーのレベルが上がり、更には……流石に6度目のイベントと言う事もあり、人の数は減ったり増えたりした末殆ど変わっていないが、やりこんでいる奴等が残っている。
そんな戦場で、プレイヤー達は雑魚の群れに無双し、ある程度作戦立てた動きや余裕を持った動きを見せ、最終ウェーブに到達した。
現れたのは、第三ウェーブの中ボス、白い巨大な天使型ゴーレム2体と、遠目に浮かぶ5つの結晶。
どんな残影かはまるで分からないが、余力はある。
俺のお願いで温存していたトップ層を今こそ解き放つ時だ。
『全軍に通達。今より最大戦力を投入する。決戦に備えて各自、覚悟を決めるでござる』
先ず目指すは、天使型ゴーレムの排除。
気張っていこう!
◇◆◇
マスター同好会の名義で、抽選で第二中ボス戦右の権利を得た俺達は、その時を今か今かと待っていた。
果たして、時は訪れる。
「手筈通り、行くぞ!」
『応!』
海狩の声に皆が応え、走り出す。
翼持つ巨大な人型像へ先ずは大将の一撃。
「スパイラル、オーシャンッ!」
放たれた渦が巨像へ衝突し、小魚や鮫が次々とその石のボディに傷を刻む。
その中で、龍の様な渦の流れがその顎門を開き、翼を片方もぎ取った。
流石大将! 負けてられねぇなぁ!
続けて放たれたのは、ナルミさんの一撃。
「アサルトストリーム!」
放たれたのは、龍と言って差し支えない巨大鱓らしい一撃。
それにも追加で小魚が伴い、胴体に傷を刻むと共に、もう片方の翼を破壊した。
これで大ジャンプ系のやばい叩き付け攻撃は封じた。
「今だ!」
その掛け声と共に、放つのは作りたて大型スクロール、スパイラルカノン。
人の身長程もある螺旋を描く水の塊が一息に直進し、巨像の巨体に螺旋の傷を刻むと共に、次々と破石や爆石が投じられ、爆発する矢が射かけられる。
それ等の爆煙が消え去る前に、声が響いた。
「追撃だ! 追い込め!」
『応!』
やっちまったかと思ったのを引き締め、前に出たのは一。
「いっくよー! クラウドッ、ハンマーー!!」
出現したのは、巨大な白い拳。
巨像と同じサイズの巨大な拳は、巨像を薙ぎ倒す様に地面へ転がせた。
これ、未強化コートの専用武技なんだぜ。ダメージ自体はそう高く無いけどノックバックが凄いらしい。
多分コートが大当たりだったんだろうな。
そんなちぴっとの羨ましさを抱きつつも、俺も俺のコートの力を使う。
「デモンズブースト!」
一と同じ様な白いオーラが溢れ出し、体が一気に軽くなる。
勢いそのまま飛び込み、ゴーレムの脚部に拳を叩き付けた。
バキッと軽めの音が響き、足の石材にヒビが走る。
——連打。
バキバキッとそのヒビが広がって行く。
俺が足を粉砕して行く中、その声は聞こえた。
「スピリット、爆破」
ドンッと鈍い音が巨像の胴体で響き渡る。
それに構わず片足を粉砕し、最後に起きあがろうとした腕をぶん殴って滑らせてから離脱、直後、スピリトーゾの声が響く。
「サモン・ゴーレム。やっちゃってください!」
スピリトーゾの声に応え、現れたのは、黄色いオーラの巨大な拳。
巨像程では無いその拳が、巨像の胴体に撃ち込まれ、地面が大きく陥没、胴体が砕け散った。
流石のヘビィ火力の直撃を目前にして、その余波の風を頬に受けながら苦笑いする。
この強化状態ならギリ受けられるか? 無理か。無理だわ。
ゴーレムはそのまま巨像の片腕を押さえ付ける。
そこへ、追撃。
「サモン・スライム。腕を抑えろ!」
大型のスライムが召喚され、もう片方の腕を取り押さえる。
「サモン、全員噛みつきなさい!」
その声で、蟻の群れがスライムの抑える片腕に殺到し、パワーファングを放って腕を削る。
「サモン! 皆やっちゃえー!!」
その叫びで、現れた狼の群れが蟻達の隙間を縫って、同じパワーファングによる噛みつきで腕を削り、そして——俺達の希望が駆け抜ける。
「サモン・ラディッシュ! 例の凄いのやれ!」
応える様に、大根は黄色のオーラを放ち、超加速。
勢いそのまま飛び蹴り、アクセルキャノンと言う必殺級武技を放ち、巨像の脆くなった腕を粉砕した。
いやほんと、あの混雑した状況で的確に腕に攻撃を当てるあたり、威力もそうだが正確性が半端じゃない。
動けなくなった巨像目掛けて次々と武技が放たれ、やがて巨像は沈黙した。
「勝利だ!」
「マスター同好会! しょうりー!」
一が全員とハイタッチをして周る。
これでマスター同好会は公式に戦果を上げた訳だ。
これからも海狩の助力が貰えたら嬉しいんだがなぁ。
そんな事を思いつつも、もう1体の巨像が倒された報を聞き、一時撤退に入った。
第一章、第1話にユキのビジュイメージを載せました。
また、挿絵がある話には挿絵ありを付けました。
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