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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十六節 エルダ帝国の攻略

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掌話 頂きを見上げて 五

第四位階中位

 


 リッチへ突撃する大根。


 何やってんだアイツ!?


 そう思った次の瞬間、光を纏った大根が、正しく引き絞られた弓から矢が放たれるかの如き勢いで加速。リッチの振るった杖と大根の蹴りが衝突し、それを強く、押し込んだ。



「……へぇ」



 詠唱を妨害されたリッチは、杖を大根に向け、即座に黒い線を走らせる。

 大根はそれをさらっと避け、リッチの周囲を走り回り始めた。


 サヨナキが大根は回避盾をやらせていると言っていたが、まさか格上のボスにこれ程ヘイト稼げるとはな。


 まだ一瞬に等しい時間。だが十分な時間稼ぎ。


 戦場に到達した狼達は次々に弓兵や剣兵に襲い掛かり、ゴーレム達はその図体で槍兵を抑え、ドール達は骨の体へ攻撃を重ねる。

 そうこうしてる内に他の獣や蟻達が戦場入りし、乱戦の様相を呈して行く。


 僅か数秒の事だ。


 槍兵は殆どゴーレムに被害を与える事なく殲滅され、剣兵と弓兵は蹴りや斬撃、矢で狼達に少なくない被害を与えながらも、後続によって殲滅された。


 狼が先行して到達するのは予想の内だが、やはり弓兵の攻撃を掻い潜りながらフリーの剣兵、格上に挑むのはかなりの無茶で、ぱんきち以外の狼6匹中4匹がやられた。

 追撃の獣、ってかうちの鷲猫蜥蜴も、蟻より早く到達したから3体とも剣兵や弓兵の餌食となったが、やや遅れて来た蟻達が流石の連携で一息に数体を弾き飛ばし、アシッドアントとうちのマリオネットの遠距離攻撃や、更に遅れて入ったドール達の攻撃でほぼ殲滅した。


 最後の1体、剣兵のスケルトンは哀れな物で、ぱんきちに弾き飛ばされた先で1番遅れていたスライムにダイブ、暴れるそれをスライムが取り押さえ、ドール達が武器を差し込みまくって撃破となった。



「よし」



 最後の1体が光になって解ける前に、声を張り上げ指示を出す。



「ゴーレム部隊はそのまま前進、リッチを包囲しろ! 他はゴーレムの後ろに付け!」



 そう指示を出している内に、大根がMP切れを起こしたらしく、粒子になって送還されるのが見えた。


 とんでも加速は相応にMPを消費するらしい。いやそんな事よりMP消費し切るまで生き残ってるのがちょっとやばいが。

 単独で、格上相手だぞ? 速度特化型第3段階目の面目躍如だな。



 ゆっくりと前進するゴーレムへ、リッチは再度ダークレイを連発。木製の盾が変色し切るや、今度は黒い炎の槍を放った。ダークファイヤーピラーか。


 着弾したファイヤーピラーはその名の通りの炎柱を出現させ、木の盾を粉砕した。

 更にリッチはダークレイを連発、木の鎧へファイヤーピラーを放ち、それを破壊した。


 十分な距離に近付くのに削られたHPは1割、一方それらをモロに受けていたフルメタルゴーレムは4割。

 接近するまでにこれだけやられるんだからリッチの脅威が分かる。あと大根の凄さも。



「やれ!」



 声に応じて、ゴーレムの後ろにいた狼達が飛び出し、リッチへ襲い掛かる。


 リッチは単発のダークレイやスフィア、新たにダークアローなんかを放ち、ぱんきち以外の狼がやられたが、ぱんきちがリッチの腕へ噛み付いた。

 続けて蟻達が群がり——



 ——突如闇が弾けた。



「まじかよ」



 未見の技だ。


 あの距離だ、多分ギリギリ切羽詰まる時だけ使う様な自損技だろう。

 だから、追い詰める前に一息に仕留めただろう情報元達は、その技を知らなかったに違いない。



「怯むな! 進め!」



 僅かに止まった戦場へ、声大にして鼓舞をする。


 ぱんきちや蟻4匹が吹き飛ばされた事で射線が通り、マリオネットとアシッドアントが遠距離攻撃を行う。

 遅れたドールやゴーレムが闇色の矢を受けながらもリッチへ迫り——不意に、フルメタルゴーレムが、その足元をゆっくり通過中のスライムを掬い上げた。


 両手に掬われたスライムは、即座に勢い良く放り投げられ、大きく広がってリッチを絡め取る。

 墜落したリッチへスライムが纏わり付き、闇が再度爆ぜた。


 今度は、リッチに起き上がる隙は無かった。


 群がるドールが次々に武器を叩きつけ、闇色の光が何度か弾け、僅かな青い粒子が宙を舞う。

 追い付いたゴーレム達が、リッチへ四方八方から拳を振り下ろし、踏み付ける。


 これだけの攻撃を喰らって尚、死に切らないのだから、やはりリッチは化け物だ。


 やや遅れたフルメタルゴーレムにドールやゴーレム達が道を開け、目に映ったのは……ゴーレムに左右から腕を取り押さえられ、哀れに捕まったリッチの姿。


 あちこちズタボロなそれへ、フルメタルゴーレムは駆けながら腕を振り上げ——叩き潰した。



《レベルが上がりました》



「……おし」



 リッチが粒子になって弾けるのを見てから、一つ頷く。


 なんだかんだで被害がデカいが、爆発をモロに受けたぱんきちや蟻、スライムは生きてる様だし、最終的な被害は12体の死亡と1体のMP切れ、木製盾と鎧のほぼ全損。

 被害の補填額的にはざっくり……50万MCくらいか? 木製とは言え大きい鎧と盾は高く付く筈だ。


 まぁ、第二陣エキスパートクラス3パーティーと大剣士を相手にしたって考えるならそんな所だろう。


 対してお待ちかねの報酬は、と。


 皆があちこちから拾って来るアイテムを集める。



「へぇ、中々だな」



 スケルトンの骨類は、闇系統に分類される弱体化や毒の術式を刻んで鏃にしたり爆弾にしたり出来る。

 これ等骨類がスケルトン丸々2体分、下位のスケルトンなら7万MCくらいになるが、こいつ等上位だからその倍の14万MCくらい期待出来る。


 おまけに、頭蓋骨が3つ。


 スケルトンの頭蓋骨は他の部位よりもなんか良い物らしく、キロ単価3,500MCくらいの他の部位の倍以上の値段になる。

 と言う事は、頭だけでざっくり1万と5,000MCくらいになるか。3つで45,000MC。


 骨は合計19万くらいかな。


 それから、大盾が3つに槍が4本、小盾が2個に剣が4振り、弓が3張りで矢筒が2個に骨の矢が13本。


 武器の相場は質によってかなり変わるからあんまり分からないんだが、下位のスケルトンが落とす錆びたボロ剣は2,000幾らの品。

 対する今回の武器は、どれも直ぐに使えるレベルで質が良いし、それを用意するってなると1つ3万以上は固いだろう。何かの力が込められてたりしたら、2桁万行くかもしれない。


 矢は何にも付与されて無い様だが、間違いなく質が良い。

 どうせ上位スケルトン素材なんだろうし、闇属性の術式を複数刻めるだろうから……俺だったら1本3,000は出す。


 武装だけで最低58万MC超えて来るだろう。


 それから魔石が6個。通常スケルトンの倍くらいと考えると、1個1万、6個で6万程か。



 そんで最後に、リッチ素材。


 明らかに他と違う異質な空気を纏うそれ等は、幾らかの骨と纏っていた布の一部、杖がまるっと1本出た。


 正直値段が全く予測出来ないが……。



「杖……絶位高いな」



 何たってボスドロップ。


 見た目は黒い金属製の杖で、特段の飾り気は無いが、今回ドロップした武装全部よりも高いかもしれない。


 武装系のドロップ品はこのワクワク感がマジで堪らんのよな。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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