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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十六節 エルダ帝国の攻略

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掌話 頂きを見上げて 二

第四位階中位

 



 槍をみかんに渡し、武装のドロップと所有権に関する情報を守る会のメンバーにメールした。


 掲示板で周知されれば下手な真似をする奴等も減るだろう。

 現状の情報だと抜け道は幾らか考えられるが……実際は結構細かく犯罪指定が為されてるだろうし。


 まぁそれでも、何かの拍子に犯罪に走る奴はいなくならないだろうし、迫られてする者だっている。中には当たり前の様にする奴もいるだろう。


 出来てしまう以上、警戒するに越した事はない。



 ……こんな食うに困るでも無い世界で犯罪をするなら……きっとリアルの方の問題だろうな。





 塔の迷宮のスタート地点、最下層にいる皆と合流し、改めて1、2層の攻略動画を早送りで見る。


 最初の相手は、何の変哲も無い事前情報通りの狼系魔物。

 熊程もあるが良く小ボスなんかで見る大型の狼に、それと比べれば小型だが十分でかい取り巻き狼4匹。


 でかいはでかいし相応の脅威ではあるが、何なら初期の属性迷宮のボスでさえ小山の様な巨体だから、ボスとしては本当に初心者向けだ。


 適正レベルは25のフルパーティーとの話だが、今回は参加者数を増やす為2パーティーでの挑戦だ。


 ……その実、見てた限りの話だが、第二陣はレベリングに際して適正な狩場の供給があったからか、レベルの割に少し弱い様に見受けられるので、そう言った意味での安定の為の2パーティーでもある。


 細かい作戦に関しては彼等のパーティーリーダー達に一任してあるが、さて、どうなるか。



 開戦と同時に、プレイヤーは8人が取り巻きの狼へ、4人がボスへと襲い掛かる。

 全員が全員槍と盾を持ち正面から狼へ突進する様は、中々様になっていた。


 突っ込んで来るプレイヤーに対し、取り巻き狼もまた突進し、盾へ飛び付き牙を剥く。

 最初に噛み付かれたプレイヤーがそれを受けて押し留め、後続のプレイヤーが横っ腹目掛けて武技を振るった。


 スピアは隙の少ない最初の武技だが、レベルや武器の威力等により、狼は派手にぶっ飛んだ。

 地面へ転がるそれへ、盾役をしていたプレイヤーが追撃の武技を振るって止めを刺した。


 一方ボスの方はと言うと、飛び掛かられた盾持ちはその勢いのままぶっとばされ、それに驚いた近場のもう1人がどつかれてぶっとばされる。


 慌てた1人がストライクを放ち、横っ腹に直撃したボスが怯みを見せるも、束の間に復帰したボスは技後硬直する3人目をぶっとばし、最後の4人目に体当たりをかました。


 だが、流石に心構えが出来たか、或いは連続行動とダメージでボスが鈍っていたか、4人目はぶっとばされずに体当たりを受け止め、ボスの追撃を辛うじて受ける。

 そうこうしてる内に取り巻きを倒した援軍が駆け付け、ボスは敢え無く御用となった。



 続けて第2フロア。


 敵は大型のバッタが15匹。


 対する第二陣2パーティーは、剣持ち3人、槍持ち2人、棍棒が4人で鎚が2人、杖が1人と、バラバラの装備。

 内剣持ち1人、大鎚持ち1人、杖持ちの3人以外が皆小盾を持っていた。


 事前情報は通達していた筈だが、大盾を新調する余裕は無かったのだろう。


 プレイヤーは盾持ちで隊列を組み、大きなバッタ、カノンホッパーを正面から受け止める構え。

 そこへ突っ込んで来たカノンホッパー15匹は……案の定と言うか、高威力の突撃で小盾持ち9人をぶっとばし、後方にいた3人はそれに巻き込まれてもんどり打って転がり、更に追撃の突進が倒れ込む12名を襲った。


 運の悪かった3名が2発以上の追撃を喰らって死に戻りし、その後乱戦の模様へと移行。

 幸いにもカノンホッパーは2回までしか高威力の突進は出来ないものの、通常突進でギリギリ命を繋いでいた3名が死に戻りした。


 その一方で、2度盾に突っ込んで反動ダメージを負っていたバッタ3匹を撃破。


 その後、まともに詠唱出来ない杖持ちは抵抗の末僅かなダメージを与え死に戻り、盾無しの剣士は弱っていた1匹を道連れにし、大鎚持ちは1匹を叩き潰して死に戻り。

 残ったのは棍棒と小盾を持つ3名のみで、どうにか体勢を建て直すも流石に多勢に無勢、当たれば幸いと棍棒を振るって1匹を撃破するも、突進でガリガリとHPを削られ、敢えなく全滅となった。


 やっぱりMPをきっちり使って来る敵は強いな。棍棒持ちが生き残ったのは、短めの武器だから取り回しが良く、幅広だから盾の役割を担えたからだろう。


 残った9匹のバッタは、隠密活動で撮影していた佐助を発見してぴょんぴょん飛んで来るが、流石にレベル差がありすぎるか、逃げる佐助に全く追い付けない。

 そうこうしてる内に補欠として待機していた第1フロアの攻略班が佐助に呼ばれて駆け付け、それに気付いたバッタ達がそちらへ向かう。


 十分に警戒していた12名は、同じ様に盾を構えて隊列を組み、9匹の突進を受け止め、そのまま少しの抵抗を受けながらバッタの群れを片付けた。


 MP消耗の貢献度は割と高めだからそう文句も出ないだろう。


 しかしカノンホッパー、強いな。確かモンスターカードにビックホッパーがあった筈だ、導入を検討してみるか。



 そうこうしてる内に第3フロアの攻略が終わった様なので、第3フロアへ移動しながら送られて来た映像を見る。

 そのついでに戦いを終えた連中の労いと助言も行なった。


 見ていて特に思ったのは、盾術系統の武技を使っていない事とパワー不足。

 まぁそうそう正面から撃ち合える敵では無いが、盾術の初期武技とそれを補助する筋力があれば、油断していても十分防げた筈だ。


 大型アプデからクエストの分母がかなり増大したし、襲撃イベントみたいなでかいイベントもあって、第二陣でもスキルポイントには余裕がある筈。

 必須とは言わないが、安定性を上げるにはおすすめと言う体でメッセージを送った。



 改めて第3フロアの戦いを見る。


 敵は、空飛ぶ鮫とそれより小型の鮫5匹。


 サイズ的には稀に見る鮫系ボスと大差無いが、戦闘力は段違いらしい。


 対するは、第二陣トップクラスパーティー2つ。


 トップクラスと言うだけあり、装備の質が見て分かる程には高い。

 スキルもおそらくちゃんと振って鍛えてあるだろうし、何より戦いを前に浮ついた気配が少ない。


 そう苦戦とはならないだろうな。



 開幕と同時、仕掛けたのは鮫。


 そのギラつく牙の森を見せ付け、口腔を緑色に光らせる。


 対するは5人の大盾持ち。


 素早い動作で前に出ると、1番重装備の者が前に出て、他4人は左右に分かれた。



 放たれたのは、5つの光玉と大きく太い風のブレス。


 各大盾持ちは盾術武技を用いて光玉を防ぎ、中心の重装盾は専用武技でブレスへ立ちはだかる。


 唱えると共に現れたのは、大きな石塊の腕。


 それはブレスを押し留め、ガリガリと削られる。

 僅かな間の末にブレスは石塊の腕を貫通し——武技を間に合わせた重装盾に着弾、それを防いだ。


 事前情報によるとブレスは強ブレスと弱ブレスがあるらしく、総合的には強ブレス3回と弱ブレス1回で打ち止め、即ち弱ブレスは10回吐ける訳だが……これは間違いなく強ブレス。つまりMPは3割削れている。

 対する重装盾は、MP消費が多い傾向にある専用武技とスキル武技を使った事で、MPがおおよそ半分程度まで削られていた。



 一方取り巻き鮫は、情報によると風の玉を4発まで放てるらしく、その威力は盾の武技を使った大盾持ち4人に僅かなダメージを与えるに留まる。


 5匹の鮫は4人の大盾持ちでどうにかなりそうだが、ボス鮫の猛攻を1人で耐えるのは流石に無理だろう。

 そう思いながら見ていると、後方にいた7人が徐にモンスターカードを取り出し、現れたるはやや小ぶりなゴーレム7体。


 石製でレベルもそう高くなさそうな上に装備も無いが、単純な壁と同時に囮の役割となるとこれ程適正な味方はいない。


 盾役の前に召喚されたゴーレムは、鈍重緩慢な動きで前へ進み、鮫達は近付くそれらへブレスや風の玉を放つ。


 ブレスは流石の威力かゴーレム1体を粉砕し、易々貫通したそれを慌てた重装盾が通常武技で受けて体力を大きく削られる。

 一方風の玉は、着弾地点の石の身体を大きく破損させるに留まった。


 更に続いた攻撃では、強ブレス3回目でゴーレム1体、風の玉各3発ずつでゴーレム5体がやられ、これで残すはボスの弱ブレス1回分のみ。


 対するは、MPこそ減っているがHPは回復魔法で治療された盾集団5名と、無傷でほぼ万全な戦士7名。

 それでも決して慢心せず作戦に徹し、大盾持ち5人で格上たるボスを囲み、残り7人で格下の飛ぶ鮫5匹へ攻勢に出る。


 その後、格下鮫に関しては大した波乱は無かったが、ボス鮫はやはりと言うか、弱ブレスや素のパワーで暴れ回り、5人の大盾持ちでも危うく抜かれそうになる綱渡りの戦いとなった。



 装備も練度も特段助言する様な事は無いが、強いて言うならモンスターカードのゴーレムをもうちょっと強化した方が良いだろう。

 具体的にはより大きく進化出来るレベル15。後は攻撃を当てられる長得物か、防御力の足しになるゴーレム用の大盾。


 まぁ、この練度だ、それを見越してはいるだろうが、金が足りないって状況なんだろうな。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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