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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十六節 エルダ帝国の攻略

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第22話 神話編纂

第八位階下位

 



 早めの夕食も終わり、助っ人の面々が帰るのを見送った所で、次だ。


 アナザーにログインし、早速タスクを一つこなすべく、真横にいたサンディアを見る。


 ベッドに肘を付き、僕を見下ろしていたサンディアは、ひらひらと手を振った。

 強い奴は回復も早いが、完全回復にはまだ遠いだろう。


 まともに戦える程回復はしていないだろうが、考える事くらいは出来る筈。


 僕は寝たまま微笑んで、問う。



「神話は出来た?」



 そう言う間に、サンディアはもぞもぞ近付いて、僕と足を絡め、細腕で僕を抱き寄せ、額を合わせる。

 

 鼻先が触れる距離でじっと見詰めてくる赤い瞳を見ながら、伝わってくる情報を処理していると、徐に唇が触れ合い、情報が途切れた。



「…………ちょっと」

「♪」



 悪びれる様子も無く、サンディアはペロッと舌を出して笑う。



「まったく」



 仕方ない奴めと一先ず処分を保留して、情報を抜き取る。

 その間も、サンディアは僕の頬に噛み付き、カプカプと歯を当てて来た。


 行動パターンがウルルと同じで獣なんだよね。


 そんな碌に喋らない獣サンディアから得た情報を、ざっくり纏めて行く。



 先ずは、神話に組み込まれる強者達。


 彼等にはそれぞれ色と月の称号を与え、月の王と呼称する事とした様だ。


 アルビノの吸血鬼、リーリウム・サングレイスは白月の王。


 吸血鬼達の帝王、ヴァンディワル・ドラクルは青月の王。


 帝王の正統後継、レミアには黄月の王。


 親族たるアスフィンは、灰月の王。


 雷撃を操るセバスチャンは、紫月の王。


 その愛弟子、リアラは緋月の王。


 リーリウムの忠臣、カルミエラ・ヴァーリンは橙月の王。


 純野良にしてはやたらと強いウェンザードは、赤月の王。


 最高クラスの影使い、フォーレンは黒月の王。


 魅了系に特化しているアンテは桃月の王。



 そしてそれら10の月を従えるのが、弄月の女帝、サンディアと言う訳だ。


 10人の王だけでも、単純なエネルギー量では既にイェガやクリカに匹敵しており、ここに更に鬼化魔獣やメイドが控えている為、亜神級の戦力と言っても過言では無い。

 そして、サンディアはそれらの王たるに相応しい実力を持っている。



 次に、月紅宮パンデモニウムについて。


 様々な鬼化魔獣の住処であるそこに、血鬼郷とダンピールの楽園を併合。

 月紅宮パンデモニウムは単純な規模で言えば、イェガと同じくらいのサイズになった。


 吸血鬼を畏れる信仰は、月紅宮パンデモニウムに棲まう全ての生物を補強する効果を齎らし、魔力が循環する限り、全ての操血、操影、魅了、再生の力が増加する。

 黄泉に楽園を願う信仰は、魂の防護膜として作用する様になった他、精神や肉体の治癒力を増加させる力となった。


 また、新たな神話や色の月王達に対応する為、沈まぬ紅い月に照らされる月紅宮パンデモニウムは名と形を改め、銀月の輝く宮殿、月煌宮パンデモニウムとなった。


 月煌宮パンデモニウムは銀月が常に輝いているが、ギミックとして新たに月王達の月が発生する様になった様である。


 それはそこに棲まう者達の信仰を受け、月王達の力となる。

 神権の励起装置であると共に、神気の集積装置、霊石の役割を担う。


 言うなれば、模倣βコアである。


 サンディアの模倣βコアは、その輝きを増す事で励起され、神権を下ろす。



 中々どうして強力な代物だ。


 流石は黒霧とサンディアの合作と言った所。



 そんなハード面から生み出された神話の序章に曰く——



 ——そこは吸血鬼達の楽園。


 永劫の夜に棲まう国。


 数多の月が大地を照らし、幾多の星が夜を見上げる。



 ——弄月は輝く。



 無尽の夜を導く様に——



 この話のキモは、弄月が月であると明確に言及していない点だ。

 月を輝かせるのはいつだって太陽であり、サンディアは輝く月と、月を照らすモノの両方から力を得る事が出来る。


 そんな語り出しの物語は、大いなる光に照らされた盲目の少女が瞳を得る事から始まる。

 要は僕に会って覚醒したよと言う事のメタファーであると共に、僕の目に適合したいよと言うシミリーだ。


 そこから、戦いの歴史、6体の鬼化魔獣の使役や、10人の月王の支配が描かれ、追加に備えた空白のページが続いて、最後に大いなる光と一つになるのだとか。


 色んな場面で欲望ダダ漏れだったし最後なんて感動のフィナーレに見せた欲望の塊だけど、まぁ良いや。魂合の縁が繋がりやすくなる副次効果もあるしね。


 彼女の紡ぐ神話を承認し、共有した所で、最後に僕は金の本を開いた。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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