第14話 支援態勢をアップデート
第八位階下位
吸血鬼のケアに闘技祭の設定、イベントの進行管理、僕があれこれやってる横で、黒霧もこの機に幾つかのサービス等のアップデートをやっていた。
1つは、道具預かりサービス。
なんだかんだ言って貸家は敷居が高いので、アイテムの置き場に困っている人が多くいた。
そう言ったプレイヤーは、必要な物だけ宿屋に置くか、レンタルのマジックバックを借りて持ち歩くかで、ポーションやら破石類やらの消耗品は必要な物を必要な数だけ買って行くしかなかった。
最近はクランインベントリの枠を使い、箱や袋に消耗品を詰め込んだり、ポーションだけは即使える様に1枠使ったりしているプレイヤーはいるが、それでも物を持てる数と言うのはネックだった。
そこへ、預かりサービスの登場により、始まってそう時間も経っていない今の時点で掲示板を中心に話が広がり、既に5,000人程度が利用を始めている。
保管されているアイテムは予備の武器が多く、後は毛皮や牙等の武装に使える魔物素材に高めのポーションやスクロール等の高級消耗品と、まぁ概ね予想通りのラインナップである。
また、イベント中の取り出しが出来ない旨は初期の注意事項で説明しているとの事。
2つ目は、白紙のモンスターカード。
リンカちゃんにあげた物と同じで、支配抵抗力の弱い魔物を隷属させる事が出来る。
具体的には、低レベルの野生動物や迷宮の支配から外れて久しい放流された低レベル魔物等だ。
捕獲方法は、弱らせるか抵抗させないかのどちらか。
迷宮の支配は個体の強弱に比例する物では無いので、迷宮に支配されていない事が前提となる。
また、一度の使用で魔力が枯渇するので、捕獲失敗時には充填が必要になる。
捕獲に成功すると、真っ白のカードは黒くなり、全体を包む様に鎖の模様が浮き出る。
その状態では何を捕まえたかは分からず、黒霧のカードショップに持って行く事で始めてモンスターカードとして使える様になる。
その実初期の白カードは、支配をすると言う構造である手前、魂への関与が必要なレベルの代物であり、とてもじゃ無いが安易に買える物では無い。
なんなら黒霧入りの薄い板状結晶が仕込まれているので、トッププレイヤーパーティーの総資産分は堅い。
なので、一度回収の行程を挟み、安価に作り替えたカードと中身を提供すると言う訳である。
値段は10万MCとし、充填は1万MC。有効化はまぁ調教を含む物だが、捕獲のコストを考えて10万MC固定とする。
そんな白カードで捕獲可能なラインは、10以下なら80%、15が50%、20が10%、25から1%、30は不可とする。
疲労させる等して抵抗力を弱めた場合は、概ね20%程度確率を上げ、30から1%とする。尚、ダメージを与えて死に物狂いに抵抗している場合は逆に確率が下がる物とし、あくまでも疲労困憊、もしくは意識薄弱の状態で確率が上がる事とする。
まぁ詰まりは、レベル上では下級迷宮のボスを弱らせると捕獲出来る可能性が出るよと言う事だ。
黒霧仕込みの確率なので、100枚カードを買って使えば確実に捕獲出来る事としてある。
因みにスペック上では100までなら100%捕獲出来る。なんなら魂での活動が活発化する300までなら行けない事もない。
結局の所、魂の管理が出来る程にスペックを上げていると、魂の活動力が低い300以下までは全部同じ様な物なのだ。
また、態々黒霧仕込みにした理由は、単に魂を捕獲すると言うだけで無く、捕獲させないタイプの生物を判定させる為でもある。
具体的には人間等亜人であったり、誰かが保有する魔物であったりだ。
捕獲可能性が0の生物や捕獲させない生物には、カードが反応しない仕様とする。
取り急ぎこのモンスターカードを売り始め、その後は対迷宮用や属性別に捕獲確率が上がる等、白紙のカードをアップグレード出来るサービスを展開する予定である。
3つ目は、モンスターカードの特殊進化ルートの提示。
基本的にモンスターカードの進化ルートは、通常ルートとして正統進化、大型系統、身体強化系統、魔獣系統、属性進化の5種類しか無い。
そこに、特殊進化として、杖や魔道具を素材に用いた魔術師ルートや、上位魔物の素材を用いた変異進化ルート等を、黒霧側から提案出来る様にした。
これにより、魔術分野の専門家がプレイヤーに付く事が可能となり、講義内容の深掘りが出来たり、上位魔物の素材価値が一段と上がったりする筈だ。
それ以外にも、畑用の貸し土地と畑管理ドールの登録とか、闘技祭の混雑対策として、水や果汁、乳飲料等飲み物の自動販売機設置等、細かい調整が入った。




