第4話 期待の報酬
第八位階下位
治療、最低限の情報供給、分体の同期をしつつ、クリアしたワールドクエスト、現界の試練、不老者の試練と血鬼郷の夜明けの報酬を確認する。
前者のクリア条件はリブラの討伐、後者は吸血鬼の国を壊滅させる事。
後者の細分条件は、竜血鬼や吸血鬼帝、吸血鬼王等をそれぞれ皆殺しにする事で、全ての達成及び捕獲の達成でエクストラ報酬が結構出ている。
得られた物は、先ずリブラの件でスキルポイントが150P。ロジックポイントが200P。血鬼郷の方は、スキルポイント89P、ロジックポイント20P。中々の稼ぎ。
アイテムのはリブラの方が、竜血鬼女帝のと名の付く、血の形状自在武器『竜血器』。赤い結晶体『血竜身』。黒いマント『血竜影』。蝙蝠と竜の混じった異形の白像『血竜骸』。
それから、スキルが再生系と耐性系で、新たなスキルは『竜属性』のみ。あとは例の涙滴結晶に、『竜血鬼女帝の御霊』。そして最後に『赤の残滓』が 1個。
続けて血鬼郷の方が、金に赤い宝石の付いた杯『血竜杯』。赤黒い線の走る大剣『血壊』。百合が象られた白い片刃剣『血白』。鳥が描かれた白い面『血友』。黒い牙らしき物が描かれた注射器『血多』。
その他、白百合からと思わしき白い形状自在武器『白花』50個。蒼血からと思わしき蒼液体状武器『蒼流』100個。猛虎からと思わしき黒い形状自在武器『黒牙』100個。
おまけに再生系等スキル結晶。
一つずつ見ていこう。
リブラの形状自在武器『竜血器』は、血刃系の武器としては最高峰の代物だ。
竜の性質を強く持ち、鬼呪性質を多分に含むそれは、主に竜の顎門や爪の創造に適性が高く、呪傷系の力が強く働いている。
高い攻撃力と行動阻害能力を持つ自在に動かせる武器と言う事だ。
難点があるとすれば、強過ぎる力を制御するセーフティを排除すると、所持者をも蝕む呪いの武器になる事。
まぁ、レベル700超えの僕の配下達なら調伏出来る程度だし、吸血鬼に与えれば事実上の強化なので、大した問題では無い。
次に、『血竜身』。
此方は換装前提の装備であり、赤い結晶体は換装すると精霊体化して心臓付近に装着される。
起動時に結晶の内在エネルギーが全身に行き渡り、術式が根を張る様に伸びて、完全な装着が完了。刻まれた力が解放される。
能力としては、絶対強者クラスの身体強化。
竜翼、竜角、竜腕、竜脚、竜尾が生じ、身体性能が向上する。
次、『血竜影』。
黒いマントに見えるそれは、実質竜血器と同じ形状自在の武器であり、手足の様に扱う事も出来る影のマントだ。
竜血鬼の代物だけある性能で、凡百を一段格上げする。
次、異形の白像『血竜骸』。
これは生きた骨で出来た手のひらサイズの像で、血肉を与えて起動する事で血肉を骨ごと押し固めた様な竜らしき生物が生成される。
一見ぐちゃぐちゃの肉塊に見えるそれは、良く見ると肉片にしっかりエネルギーの流通路が出来ているので、言うなれば血肉の鎧を纏う竜を作る装備である。
また、血肉や骨をかき集めてユニットを生成する事も可能で、蝙蝠竜の特徴を持った地上型や水中型、飛行型の肉塊生物を生み出す。
その強度は最大レベル500程度で、コアを有する本体の最高強度はレベル650程。
やはりユニット生成系の装備は、エネルギーを外部に依存する分強力だ。
最後に、竜属性は一層竜属性への適性と耐性が向上し、赤の残滓は例によって僕には適性無し、プラスパワーは再生力超強化とレベル650クラスの操血、操影の付与に、身体強化と言う性能だった。
次に、血鬼郷の方。
地金が金で出来たアダマンタイト製の杯に、コアとなる竜血鬼の因子で形成された魔力結晶が装飾された『血竜杯』は、竜血鬼として極めてプレーンな、個性のない、純粋な血を生成し続ける杯だ。
竜血鬼は血が竜核の様な物。もはや血が本体と言って良い生物で、個性は肉により変ずる。
然らばこれは、竜血鬼として真に純粋な力の源を生み出し続ける装置と言えるだろう。
魔力を注入する事で生成を早める事が可能だ。
次、『血壊』。
赤い剣身に赤黒い線が走る大剣。大剣に剣が描かれているとも言える。
製法は高次の錬金術による融和だと思われるが、同じ物をより低次の方法で作るならば、高レベルの鋼にひたすらに帝王級吸血鬼の血肉を入れて鍛える鋼魂錬磨法か、強力な闇属性の剣で帝王級吸血鬼を切り殺し続けるか、もしくは帝王級吸血鬼の魂を捩じ込むかだろう。
その性質は、血を取り込む事による瞬間的な付与能力の増強と、恒久的な能力の向上だ。
即ち、血を吸って成長する効果がちょっと付いてる剣である。
基本的な性質は担い手の身体強化であり、同時に強力な操血の力を付与する力を持つ。
次、『血白』。
剣身こそ白いが、性質は闇と炎の剣。
血壊同様に身体強化と操血を付与する力を持つが、これは更に火を操作する力と、血を炎にする力を持つ。
次、『血友』。
優美に舞う大鳳の様な物が描かれたその白面は、魅了系の力を主に有する武装である。
これも他同様に身体強化と操血や操影を付与するが、どれも控えめであり、専ら魅了系に特化した吸血鬼装備と言った所。
次、『血多』。
片面は真っ白で、もう片面は黒い牙らしき装飾で覆われたその注射器は、まるで彼の二面性を表しているかの様だ。
黒い牙の口内に覗くのは、赤い液体。
その性質は、強力な鬼化と強化を与えると言う物。
まぁ実質、フォーレンが作った鬼化薬の調整版であり安定版であり強化版である。
一応鬼化毒なので、耐性の無い者は眷属化待った無しだし、耐性があっても侵食に抵抗しなければならないしで、攻撃としても使える。
何なら他の3つと同様に身体強化と取り分け操影に特化した強化付与もあるので、ちゃんと武器だ。
最後に、『白花』『蒼流』『黒牙』。
全てに身体強化と操血、操影の付与効果があり、白花はより身体強化に特化、蒼流は操血に特化、黒牙は操影に特化した性能を持っている。
どれも強力だし、配る相手にもあまり悩まないのが良い。
割とシナジーの強いアイテムばかりで、何なら血竜骸で生成した肉塊竜に血竜杯で生成した血を与えて、白花とか蒼流とか黒牙を装備させるだけで……血鬼郷や竜寝殿くらいの集団だったら壊滅させる事が可能だろう。
勿論、莫大な魔力の供給が必要だから、それを考えるとその分の魔力を押し固めてもっと強いモノを作れるが……大事なのは手抜きしてもそれが出来てしまうと言う事だ。
取り敢えず、竜血器を竜血鬼として完成しているレミアへ、血竜身を竜血鬼になれなかったアスフィンへ、血竜影を基礎が完璧のリアラへ与える事とする。
血竜骸と血竜杯はサンディアの管轄として月紅宮に取り付け、サンディア麾下の強化や勢力増大に使わせるのが良いだろう。
神器クラスの4つはそれぞれの帝王達に渡すとして、神器クラスには遠く及ばない形状自在武器達はそれぞれ白百合、蒼血、猛虎に与える事としよう。




