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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十六節 エルダ帝国の攻略

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第27話 試練は此処に

第四位階下位

 



 今朝見た変な夢。


 それはもしかしたら、警告だったのかもしれない。


 いつも通り、監視役から吸血鬼がいない迷宮を教えてもらい、たいした事ない迷宮を進んで狩りを進めていたら、突如として迷宮の雰囲気が変わった。

 ピンと糸が張る様な嫌な気配が充満し、自然と足が止まる。


 まるで強い獣と相対した時の様な気配。一瞬何かの怯えが伝わって来た気がした。



「……撤退するぞ」

「う、うん……」

「なに、これ……? 何が起きてるの……?」

「お、落ち着きましょう、撤退はまだ容易な筈です」



 少し遠い場所に、唐突に何か強い気配が4つ現れた。


 これが稀に起きると言う迷宮の大変動なのか? ……誰が、何に怯えて、こうなった? それともさっきのは勘違いなのか?


 分からない、だが、一つはっきりしているのは、このままでは不味いと言う事。

 皆がそれを感じている。



「殿は俺が——」



 そこまで言った次の瞬間、地面が光を放った。


 赤黒い闇の中で弾けた光、それが収まった時にはさっきと全く違う場所にいた。



「くそッ! 最悪だ……!」



 目の前には強力な獣の気配。そして、遠い場所では、3人が3つの強い気配と相対しているのが分かった。


 ——悪意を感じた。


 何者か、意志ある者が、俺達を殺そうとしている……!


 もしかしたらそれは……戦士達が口を揃えて言う、迷宮の中でふと感じる視線の様な物。迷宮の主の意志なのかもしれない。


 ともかく急いで合流しなきゃならない。特にナターシャとは。

 あいつは戦えない。どうにか逃げてくれよ……!


 俺は剣を構え、敵を見上げた。


 激しく流動する赤が、奴が強い事、決して見逃してくれる様な相手では無い事を告げている。

 何と無くの気配だが、スキューアに似ているか?


 速度に注——


 刹那、高速で飛来したスキューアの針を避け、直撃した足に弾き飛ばされて冷たい床を転がった。



「ぐっ」



 早い……! が対処できる!


 即座に起き上がり、此方を振り返った敵を睨む。


 加速する瞬間に、赤が激しく動くのが見えた。

 動き方から見ても、突進は真っ直ぐにしか出来ない筈!


 良く見ていれば躱せる、多少無茶でも速攻で倒すぞ!



◇◆◇



 ゾワゾワっと変な感じが背筋を駆け抜けた。


 それはいつも迷宮で感じていた、血を水で薄めた様な殺意とは違って、より明確で強烈な殺意。

 ただ……それだけじゃない。何処か懐かしい……沢山の大人や友達に囲まれていた子供の時に感じていた……怖くない何かの気配……でも、そんな筈ないよね?



「……撤退するぞ」

「う、うん……」

「なに、これ……? 何が起きてるの……?」

「お、落ち着きましょう、撤退はまだ容易な筈です」



 皆が慌てている中で、私も気を引き締める。


 変な感じはするけど、殺意は本物だ。ぼーっとしていられる状況じゃない。



「殿は俺が——」



 ロイがそう言った次の瞬間、地面に変な模様が現れ、目も眩む程の光を放った。


 気付いた時には皆いなくなっていて、目の前には大きな獣がいた。

 遠くにも似た様な気配が幾つかあって、皆がそれらの直ぐ近くにいるのが分かる。


 なんか良く分からないけど、でもナタちゃんとイネちゃんを1人にするのはマズイ。

 直ぐに助けに行きたいけど、コレに背を向けるのはキケンだ。


 2足で立った獣は、威嚇する様に太い両腕を上げ、大きな胴体の胸元を叩いて咆える。


 そこへ私は、棍棒を振り下ろした。



「んッ!」



 バスッと鈍い音。


 両手で振り下ろした棍棒は片手で止められ、振るわれたもう片方の拳に蹴りを合わせる。



「わわっ」



 押し込まれ、後退る。


 危ない、凄い力だった。



「むぅ」



 直ぐに駆け付けるのは無理かも。


 ナタちゃん、イネちゃん、何でも良いからとにかく生き延びて……!



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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