第26話 嵐の前触れ
第八位階下位
分体から吸血鬼の国の戦力に関する情報が送信されてきた。
微に入り細を穿つ情報パックだ。
先ず、吸血鬼の国を支配する王とその妹とされる人物、ヴァンディワルとリブラは、レベルにして800相当。
装備は試練級と準試練級であり、永き時で鍛えられたスキルと集められた信仰から、実戦闘力はレベル850にも届き得る。
また、試練の装備、アリエルシリーズがあった事から、リブラ及びヴァンディワルはどちらかないし両方がマレビトと共にあったと考えられる。
またリブラにはおよそレベル700で準試練級の装備を持つ吸血鬼、紅蓮カルミエラがいる他、白百合の騎士と称されるレベル500クラスの吸血鬼50体と高位の武装を有している。
ヴァンディワルの方は、蒼血会なるレベル500相当の吸血鬼100体と量産された高位武装がある。
続けて三公。
個として最も強いのは、およそレベル700半ばはあると見られる暴君ウェンザード。
次に、レベル700前後の深淵フォーレン。
そして、レベル697くらいの美童アンテ。
フォーレンには隠し玉として、猛虎会なる量産型レベル500の子供吸血鬼がいる。各データは要回収。
その他、レベル200くらいから400くらいのロードクラスが40体程度。
その内覚えておくべきは、エングレイ侯爵なる吸血鬼の中の革命軍で、フォーレンの失脚を狙う一派。
エングレイ侯爵自身は装備込みでレベル500に届かないくらいの実力であり、その傘下はレベル100台のロードや幾らかのノーブル、一般吸血鬼程度。
続けて、レベル40くらいから100くらいのノーブルクラスが大体1,000体。
内幾らかは白百合会と青血会なる組織でレベル以上の実力がある。
後、レベル30前後の一般吸血鬼が十数万匹に、レベル10代程度のザコッパ吸血鬼が30万程度。
最後に、ザコッパ吸血鬼と同程度の力のダンピール達がおよそ1万と数千匹。
留意すべきはダンピールの中にある革命軍で、その実力は平隊員で一般吸血鬼と互角か上回る程度、強い者はノーブルクラスと戦える、レベル40〜70程度の力を持ち、中にはレベル100のロードクラスとも渡り合えるポテンシャルを持つ者もいる。
ざっと纏めると、レベル800代が2体。レベル700代が4体。レベル500代が250体。レベル300代が40体。レベル100くらいが1,000くらい。レベル30くらいが40万くらい。
後は、眷属型のなりそこない魔物、血と肉を混ぜれば幾らでも作れるフェイリュア・ヴァンパイアが……まぁザコッパ過ぎるので作ったとしても10万匹だろう。
そんな物作らずに生で戦う方が良いのであんまり出ないと思うが、一応地上を攻める際の水増し用にフェイリュアセットを用意してるかもしれないので、塵が舞うくらいの備えはしておこう。
最後に、超重要な負の化身の所在と状況についてだが、それは今夜分かるらしいので待つ事とする。
僕の分体はなんか見込みのあるダンピールや吸血鬼で夜まで遊んで来るらしい。
やり過ぎるきらいがあるので気を付けて欲しいところだ。
◇◆◇
分体が運んで来た情報によると、本体僕はスキルレベリングをしながら片手間に時給1,000億EPと大量の資材を使って月の開拓をしているそうだ。
まぁ、あの泥団子を開拓するとなると、局所的に異空化させて安定させた場所に何かを作るか、もしくは膨大なエネルギーを投下して星そのものの基礎を作るかしないといけない。
僕なら折角だからと後者だろうし、暫くはエネルギーの投入と調整が主になるだろう。
そして、調整くらいなら黒霧に任せれば良いので、実質負担はほぼゼロ。
間違いなく、何か作り始めるに違いない。
そうなるとやり過ぎるきらいがあるので、本体はちゃんと我慢して程々にして欲しい。
僕は我慢する必要が無いので、早速見込みのある連中を弄くり回してみようか。
対象は既に捕捉済み。
今朝からダンピールの孤児達の為に、吸血鬼を避けながら狩りをしているロイ一行。
取り敢えず彼等を分断し、適当な魔物を継ぎ接ぎした強力な魔物を当てて強化を測るとしよう。
素材にした魔物は、青血会が管理する上位の迷宮から持って来たレベル40クラスの雑魚を幾らか改良し、僕の分体を入れた物。
対ロイ用に蚊の蟲人型、対コルニ用に大猿、対ナターシャ用に大熊、対イーネシス用にシャドーウォーカーの強化版、シャドーランカー。
ロイとコルニは本当の死線を潜れるし、ナターシャはトラウマと相対する。イーネシスは操影に置ける格上の技を見れる。
きっと大きく成長するし、死んだら死んだでそれもまた良し。
折角の高ポテンシャル個体なので、当然魂の回収はする。
願わくば、生き残り、勝ち上がり、強くなって欲しい。
……まぁ、分体僕が主に操るので早々死んだりしないだろうけど。




