第12話 おやすみは泥に沈む様に
第八位階下位
桃して修行して夕食を摂り、更に修行した夜。
コウキ一行が雪原の迷宮をクリアした。
解放された中位環境迷宮は、大雪原。
氷海や氷の柱、氷の洞窟等を擁するその迷宮の裏ボスは、氷海の奥の方に存在する氷山。
その正体は、スピリット系の亜精霊、超巨大化の進化を辿り、氷を纏う結晶精霊。
その名を、デミレッサーリトルハバチュリオン。
地上部では申し訳程度の雪で塞がれた穴があり、乗ると地底まで滑落、その時点でおおよそ死亡。
仮に生き延びても、氷で形成された魔物やスピリット系が彷徨く氷の迷路を登って行かなくてはならず、足場は最悪、緩やかな坂は足を滑らせれば地底行きである。
解析した所によると、セフィロタスの様に殺害した獲物のデータを確保して模倣する事が出来る様だ。
氷塊の真ん中付近にいる本体は動きこそしないものの、用意できる最高位の戦力を従えている上に、巨体故の膨大なエネルギーで再生と強化と魔法の連打をしてくるので、撃破は基本的に困難。
一応とばかりに地上部へ歩いて出る事が出来るのは、本体を殺し得る同格の敵を外に排出する為だろう。
踏破報酬は、氷精鋼、リオール希少鋼の連弩。付与結晶、凍結の氷矢。氷天耐性。
気になる点を挙げるなら、デミレッサーリトルな点。
レベル250の時点でデミレッサーリトルと言う事は、本物はレベル700以上なのではないだろうか?
そうなると、想定されるサイズはイェガ並み。戦闘力も相当に高い筈…………何匹か貰っとこうかな?
肉体の再編はレベル500クラスまでなら大した手間では無いし、魂の融合も情報量が希薄な亜精霊やゴーレムみたいなのなら案外楽。
白雪達の配下にちょうど良い。のんびり捕獲して行こう。
その後は、夜というどうしてもログアウトしないと行けない時間になる為、心の赴くままに強化開発を行なった。
最初に使ったのは、聖戦機神・アヴァロンの報酬。
火天龍の闘争。風天龍の優美。水天龍の静謐。土天龍の慈愛。闇天龍の凶兆。光天龍の吉兆の6つ。
僅かな調整を経て、火天龍の闘争は火の竜帝、紅珠竜・ガルナ・カーデイへ。
水天龍の静謐は水の竜帝、蒼珠竜・アルトナ・ペーリアンティエへ。
風天龍の優美は音の竜帝、囚牛のケスト・スピケスへ。
土天龍の慈愛は土の竜帝、大地竜・ヴィーナ・エングラハへ。
闇天龍の凶兆は銀の霊合者、夜奏竜・ルミア・エレミスへ。
光天龍の吉兆は金の霊合者、陽炎竜・ディエス・アグニムへ与えた。
銀と金の霊合者は完全に贔屓だ。
天龍装備は元々演算補助装置であり、小さな龍が体に纏わり付く様に具現化するアイテムだが、態々具現化させる必要が無いのでそこら辺を取り払い、代わりに任意で具現化出来る様にした。
尚、闘天龍の研鑽は別口で使う予定を組み、残しておいた。
続けて、同じくアヴァロンの報酬、龍脈の英雄を消費し、ジオの更なる底上げを実行。
ラニには理論結晶の義体義魂を改良した物を入れ、竜生九子の顕現をより簡単に行える様にした。
次に闘天機神・エリュシオンの報酬、天下崩滅。天下浄斉。天下命豊。天下生誕。天下聖瑞。天下天昇。6色のマルチウェポン
これを各地にいるうさーずに投入し、戦力の底上げを行なった。
元より体が自在な精霊種である為、マルチウェポンの適性は極めて高い。
順当に行くならそろそろ進化する筈だ。
次、氷源の冥馬。
悠久機神・シャングリラの撃破報酬の馬だ。
特段手を入れる必要は皆無の準試練級装備。これを与えるのは、名を新しくした冬将軍、レアシエスことレアス君だ。
白雪と氷白は強化したが、レアス君ともふ神様はほぼ未強化なので、多少手を入れても良いだろう。
馬具と鎧を付けた馬に跨る鎧武者のレアス君は、中々に様になっている。
シャングリラみたいに強くなってくれる事だろう。
最後に巨人の栄光。
対応するエネルギーを供給する事で神権に及ぶ装備を作成してくれると言う神器級アイテムだ。
白い指輪の形をしたそれは、神珍鐡と不明な金属の合金だ。感覚的には情報系の特異神性を持つ金属の合金と見られ、神血を濃縮した様な気配を放っている。
神珍鐡が入ってるだけあり、指輪の形をしたそれはとんでもない質量を有し、膨大なエネルギーを受容可能。
内部に存在する広大な世界を利用した工場が形成されており、対応する神器を生み出せる様である。
早速端材投入により作成した装備は、神性に関与する程の物と言うだけあり、試練級に伍する装備であった。
莫大な水流を操り清める水色の羽衣。
水の巨人を顕現する青い三叉銛。
嵐を引き起こす緑と黄色の扇。
広範囲の大地を操作する茶色の籠手。
勝利の神性を宿す剣。
自在に動く大きな五方手裏剣、と言うか星。
光を吸収して力にする青白い大盾。
火と光の操作を可能とする赤いマント。
光と闇の力を持ち、黒から青、白へと変遷する結晶質の大剣。
攻勢意志を分解する融和性質を持つ秩序の小槌。
観測した事象を再現する本。
指定空間ないし対象の時間を加速する力を持った双剣。
これら構築された神性を多少宿す装備を抽出するなり再構成するなりして、適正なメンバーに分配した。
水流と清水の羽衣は水の様に形状自在である為、少し調整するに止まり、イヴとシャルロッテの被害者である亀さん、聖海竜・ナク・ユクシアに。
水の巨人を形成する三叉銛は、自在に動かせる3つの補助装置に形状を変え、深海竜・マリエナ・ペーリアンティエに。
嵐を引き起こす風の扇は、塵芥竜・ヴァザグ・バハードの甲羅と砲に融合させ、大地を操作する籠手は同じ様に練巌竜・ガラド・バハードに。
自在に動く巨大手裏剣もどきは、少し調整して閃脚竜・フー・フランに。
光を吸収する青白い盾は、樹盤竜・フタ・メイドールの肉体に融合させ、秩序の小槌は同じ様に宝花竜・ファラフィア・メイドールに。
火と光を操る赤いマントは、緋蟒竜・ナオ・ユーロンに融合。
事象再現の本は、虹晶竜・シャクナ・エリクレアに融合。
最後に、勝利の剣を剣聖竜・ヴァルトラ・メタリオン。闇と光の剣を冥刃竜・クーラート・メタリオンに融合させた。
時間操作の双剣は、コントロールが難しいので専門の実力者にあげるか、それ用に使い手を生み出す必要がある。
巨人の栄光を使ってみた感想としては、完成した物の出来に対する投入したコストが1.2倍程度、つまり2割に及ぶロスがあったので、僕が全く動けない時に即戦力が必要になる等の特殊環境以外ではほぼ使わないだろう。
ただの魔力タンクとして黒霧に預けておこう。
さぁ、今日はこれで終わりだ。
もう意識飛ぶ寸前なので寝る。




