第28話 探索隊の戦果
第四位階上位
ギルドを後にして、鉱山の前に着いた。
既にリッドが家になっているので、皆帰って来たのだろう。
家の周りにいた配下の皆を労い、送還する。
家の中に入ると、アランはキッチンにいて、中庭ではタクとセイトが模擬戦をしている。
女子組は部屋にいる様だ。
うさーずとメロットが外にいなかったので、引き込まれたのかもしれない。
時刻を確認すると、先に全員ログアウトした方が良さそうなので男子組に声をかける。
「アラン、お料理は順調ですか?」
「え? あ、ああ、ぼちぼちかな。夕飯も期待しとけよ?」
「ええ、アランの事は、信頼。していますから」
「っ!?」
「時間も時間なので、皆さんに休む様伝えて来ます。アランも、良いですね?」
「お、おう……」
続けて模擬戦をしている2人。
「お二人共、そろそろ夕餉のお時間です、お休みになられてはいかがでしょうか?」
「あ? もうそんな時間か」
「え? え? …………えっと、ユキさん?」
「セイト様? いかがなさいましたか?」
「え? あの」
「さっさとログアウトするぞー」
「えぇ……」
「では私も失礼致します」
これで男子組は皆ログアウトするだろう。
続いて女子部屋に行くと、案の定皆で兎を愛でていたので、取り上げて送還、全員にログアウトする様促した。
僕もベッドに入り、ログアウトする。
ログアウト後は、夕食と雑事をパパッとこなし、ついでに甘えて来るアヤを撫でて寝る準備を終わらせた。
今日はもうギルドに行くつもりは無いので、スノーモードは解除しておく。
タクの情報メールを確認すると、どうやら西の森で進展があったらしい。
三人の二つ名持ちを筆頭にした探索部隊は、森の奥でゴブリンの大群と遭遇、大将と思しき大きなゴブリンの様な魔物を目視、探索部隊はほぼ全滅したとの事。
戦闘開始後すぐに総大将の大剣士が撤退を指示したが、拳姫が単独で突撃し大量の上位ゴブリンに囲まれ敢え無く死亡。
それが時間を稼いでいる間に撤退を開始した。しかし、既に森の中には伏兵がおり、それらと戦っている内に本隊に追い付かれた。
大剣士率いるプレイヤー集団は、なれば少しでも道連れに、とゴブリンの大群と戦い、ゴブリンの大将と大剣士の一騎討ちになったらしい。
なんでも激闘の末敗北したのだとか。
その後はプレイヤー達が各個撃破されていき、唯一生き残ったのが沈黙の殺戮者率いるプレイヤー集団。
それらが逃げおおせたのは、沈黙の殺戮者の奮闘のおかげらしい。
たった一人森に残った沈黙の殺戮者は、如何なる能力を用いてか、追撃に走るゴブリンの大群を単独で退けてみせた。
拳姫が敵の上位ゴブリンに殴り込み、孤立無援の状態で多くの上位ゴブリンを痛めつけた。そのおかげで、次の大剣士率いる冒険者部隊が優位に立ち、上位ゴブリンを壊滅させる事が出来た。
大剣士自身も健闘し、ゴブリン大将に手数を負わせる事に成功し、その結果、追撃に来たゴブリンは全てが下位のゴブリンで沈黙の殺戮者単独での大戦果を可能にしたのだろう。
と言う考察がつけられていた。
まぁ、そうだろうね。惜しむらくは、最初にほぼ無駄死にした拳姫だろう。
功を焦って突撃した物と見て間違い無い。
結果から見ると、おそらく件のゴブリン大将は、二つ名持ちの三人が協力して三対一で戦えば勝てる、くらいの魔物だろう。
また、王都内でも進展があったらしい。
街の要所要所に看板の様な物が立てられ、其処には王城でパーティーを催す旨が書かれていたのだとか。
情報掲示板では、ゾンビ軍団vs.蒼銀の天使、に続く新たな大イベントとして、殆どのプレイヤーが参加するらしい。
それと壊滅した事を以って、探索部隊は一時休止、イベント終了後に再度、今度は更に大きな部隊を結成し、ゴブリンの大群と戦うつもりらしい。
僕としては、そのゴブリンの集団が王都に攻めて来る前に殲滅してしまいたい所だ。
取り敢えず、今日中に鉱山の依頼を終えて、あわよくば鉱山を攻略。
明朝に街を抜け、昼までには王都へ帰りたい。
帰還後は、地下水路から配下を引き上げ、その足で西の街に移動、転移して復活したワーカーゴーレム達を設置。その後に配下を率いてゴブリンの大群を殲滅しよう。
皆の経験値を奪う様で悪いが、ゴブリン集団に攻められてパーティー中止、なんて事になってもつまらない。
せっかくティアが作ってくれたドレスも無駄になってしまうと言う物。
須らく手早くやるとしよう。
目蓋を閉じてログインする。
「オープンゲート」
意識がブツリと途切れた。




