表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十六節 エルダ帝国の攻略

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1255/1539

第6話 顔で行ける

第五位階下位

 



 軽く調べも付いた所で、目的を再度整理しよう。


 今回の潜入における僕の目的は、邪神の欠片、負の化身の所在、状況、総合力の調査。


 吸血鬼の軍勢の詳細な戦力の計測。


 そして、伏兵の有無の確認。


 内2つの目的達成に有力なのは、権力者と繋がる事だ。


 幸い個人の識別は殆どされていないので、適当な雑魚を擁立して権力者と繋げば良い。

 一人で繋がるのは目立つが、複数を複数に繋げるのなら問題無い。

 その中に僕が混じっても問題はあるまい。


 最後の3つ目に関しては……敵が過小評価している手札を持っていたり、そもそも気付いて無かったりするから、自分の足で調べ回るしか無い。



 と言う訳で、最初にやるのは程良い仲間探しだ。





 大陸で捕獲した連中は順次投入するとして、既に投入済みの連中には遅滞工作をして貰う。


 具体的には、廃棄寸前の家畜の購入。ダンピールへの餌やり。3日後に大陸侵略宣言が行われると言う嘘の流布。本当かどうかは知らないが。


 まぁつまるところ、人的資源の消費を抑えるのが目的だ。

 人間は一応嗜好品の類いの様だし、悲願の祝い事が後数日となるとそれに合わせたくもなるだろう。


 彼等にはそれに専念して貰いつつ、余力が有れば情報収集をしてもらう。

 万一重要情報を掴んだ場合は、最も位の高い吸血鬼にそれを集めておくように言ってあるので、わざわざ一人一人聞きに行く必要はない。


 と言う訳で、やって来たのは町の冒険者ギルドもどき。


 ここに集まるのは、極少数のダンピールと下位の吸血鬼、紋無しのノーブルクラスが基本。


 下位の吸血鬼はそのほぼ全てが紋章を持たない吸血鬼で、人で言うなら一般市民レベル。

 生殖のサイクルは極めて遅いが、そのあり様は人間とさして変わらない。


 増してや下位の吸血鬼なんて、ダンピールじゃないと言うだけの血が薄い連中。中にはダンピールより弱い者もいる始末。

 だからこそダンピールに対する迫害が強い訳だ。


 開けっぱなしの扉から中に入る。


 広く薄暗いそこには、幾らかの吸血鬼がちらほらと管を巻いており、依頼板らしき物には目もくれていない。

 まぁ、朝は吸血鬼達にとって夜の始めなので、特に弱っちい下位の吸血鬼やダンピールは気怠い時間だろう。


 件の依頼板に目を向ける。

 

 貼られているのは、迷宮から魔物の血肉を回収する依頼のみ。

 詰まる所、雑魚の有り余る力を食糧集めに使おうと言うコンセプトの施設な訳だ。


 それらは基本的に常設依頼。過度に血肉を持って来られても、廃棄直前にダンピールか弱い吸血鬼に安く売れば損はしない。


 まぁ、そもそも吸血鬼達は食糧を長期間摂取する必要がないし、代謝も人とは違うから衣服も殆どいらないし、住居だってそもそも雨晒しにならないから最低限で良い。

 吸血鬼達はあまりお金が必要無いのだ。それ故、依頼もあまり回らない。


 勿論、人間に近いダンピールや血の薄く弱い吸血鬼はその限りでは無いので、それなりに経済は回っているが。


 主に経済を回しているのは、より強く、より高みを目指す為、上位者に何かを献上する者や、嗜好品の人間が美味しいからそれを買う為に日々頑張ってる者、もしくは見栄の為に金を使うロードクラスくらいだ。



 取り敢えず常設の依頼を全て見て覚え、ギルドもどきを後にする。


 あちこちのギルドもどきを見て回って良さげな人材がいたら捕獲しよう。





 幾つかあるギルドもどきを巡っては、適当な紋無しを捕まえて教育し、チームを組ませて迷宮へ派遣する。


 それと同時に情報収集も行なった結果、3種の紋章持ちの傾向と、上位者へコンタクトを取る方法が見えて来た。


 簡潔且つ具体的には、虎は金、剣は武力、鳥は美しさ。


 上に取り入るのは楽勝と言っても良い。


 金を稼ぐなら迷宮だ。迷宮は各地に点在しており、吸血鬼達は野心を持つ者以外は浅層での軽い狩りしかしない。


 野心を持つ者は大体虎の血統で、そう言った連中は強い力を持つ割にそのコントロールやセンスが無い、もしくは鍛えられていない。

 虎は金で上に行けるが故の弊害だ。それ故虎の者達は、金や血の報酬で下々を操り、血肉の売買や人間牧場等で更に上を目指している。


 虎の上位者は迷宮にそもそも入らず、ザコッパを操り迷宮浅層で狩りをしている訳だ。


 一方鳥の血統は、数自体が少なく、そのかわりに質が高め。

 人数が少ない為、支配地の迷宮は定期的に回るのみ。


 剣の血統は、数はそれなりで質も基本的に高く、力だけはあって柄が悪い。

 支配地の迷宮には剣の上位者までも訪れる。


 即ち、虎の支配地にある迷宮の深層、鳥の支配地の迷宮全般、王家の支配地にある迷宮全般、誰の支配地でも無い場所の迷宮、ダンピールが住んでいる地区、大空洞の壁際。合計5区画で大規模な狩りが行えると言う事だ。


 然らばやる事は、紋無しを程良く集めて使役し、迷宮狩りを行なって資金を集める事。

 吸血鬼は捕食系能力の適性が高い種族なので、迷宮狩りでレベルを上げつつ、血肉を食らう事でも更なる強化が出来る。


 稼いだお金で何人かの代表に献金させて虎に取り入りつつ、戦力を上げたザコッパの群れを使って剣の血統に殴り込ませれば、虎と剣は攻略したも同然だ。


 後はそうだな……ダンピールの一団に取り引きを持ち掛け、その戦力を利用するのが良いだろう。


 何せ奴等は酷い差別を受けていて、物を売る時は安く買い叩かれ、買う時は足元を見られる。

 それは半分とか倍とかのレベルでは無く、何かと難癖付けられた末に通常売価の2割や1割で買い叩かれたり、5倍とか10倍とかで売られたりする。


 吸血鬼達はダンピールが死に絶えても一向に構わないからこその暴利だ。


 そこの部分を普通の吸血鬼が代行するだけで、取り引きとしては十分どころの話ではない。


 選択肢の無い追い詰められた者を操る事なぞ、誰にでも出来る事である。



 鳥は顔パスで行けるから、三公家は攻略したも同然だな。



 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ