ユキの手記 薬草と魔法薬
・薬草とは
万能回復作用を持つ草類を指す。
薬草、上薬草、霊薬草、神薬草の4段階あり、階級を分けるのは万能回復作用、生命属性魔力の細分属性、治癒属性の質である。
★初級ポーション
僅かな怪我等を即時に癒やす効果を持つ。
治癒属性魔力は過剰を減じ、不足を補填する力を持つ為、幾らかの病気の治癒、解毒、栄養の即時補給に使える。
・主な製法
①薬草を煮出す。
②薬草をすりつぶして絞った汁を水に溶かす。
③乾燥させた薬草を粉末にして水に溶かす。
④乾燥させた薬草を煮出す。
⑤乾燥させた薬草を煮出し、煮詰めて薬効の凝縮した粉を抽出し水に溶かす。
⑥乾燥させた薬草を煮出し、煮詰めて薬効の凝縮した粉を抽出し、蒸留した水に溶かす。
⑦⑥に屑魔石の粉を入れる等
・備考
煮出す事で水に万能回復作用を抽出する事が可能。ただしその抽出量は極めて少ない。
好例は生物の肉体と魂。薬草は煮出す事で、細胞壁に閉じ込められた僅かな生命力を取り出し、また魂魄表層から少しの生命力を取り出す。その大部分は魂魄や残存する物質体に残されたままである。
すり潰す工程を挟む事で、物質体の多くの薬効を取り出す事が可能。
また、水は蒸留した不純物の少ない物が良い。
乾燥させる事で、その他の不要な属性の多くを除外出来る。生命力も多くが排出されてしまうが、その代わり魂魄からより多くの生命力を引き出す事が出来る。
これは生者よりも死者の方が魂を操りやすいのと同義である。
★下級ポーション
初級ポーションよりも効果が高いポーション。
大きな怪我等を直ぐに塞ぐ事が出来る。
・主な製法
①初級ポーション⑥に精練した魔石の粉を入れる。
②大量の薬草を使った粉を屑魔石の粉と混ぜ、再度煮詰める。
③上薬草を使った初級ポーション製法①〜④。
・備考
ポーションは使用する薬草の物質体量が少ない程、飲みやすくなる。
より質の高い薬草程必要量が少なくなる為、より高次の薬草で低次のポーションを作れば、基本的な品質や飲みやすさと言う点で利がある。
ポーションには使用期限がある。それは水と瓶による封印から治癒属性が流出する事で起きる。
一般的な製法では、魔石を使った品質保持剤を入れて使用期限を伸ばす。また品質保持剤自体の品質を高める事でポーションの品質を上げる事は可能。
・品質保持剤の製法
①魔石を粉末状にしてポーションに使う。
②魔石を粉末状にして水に一晩晒し、煮詰めて粉を取り出しポーションに使う。
③魔石を粉末状にして水に溶かし、小さな魔石を核に高品質の魔石を生成(精練)し、それを粉にしてポーションに使う
★中級ポーション
大きな傷、致命的な傷を即時治癒させる事が出来るポーション。
・主な製法
①上薬草を使った初級ポーション製法⑤〜⑥
②上薬草を使った初級ポーション製法⑦、精練した魔石を使う。
・備考
一般的に街中にも散見される様な薬草と違い、上薬草はより生命力に溢れている場所でしか生えない。
条件を満たす地点は、森の中。滞留する魔力が常態の3倍程度濃い場所。街中でも構造によって魔力を濃くする事は可能。意図して構築すれば3倍程度は容易。
また、初級ポーション等を水代わりに与えれば上薬草の栽培は可能。
★上級ポーション
手足が千切れても直ぐならくっ付けられる、何なら首が取れても直ぐならくっ付けられる力を持ったポーション。
一般的なそれに喪失部位の再生効果は無い。
・主な製法
①大量の上薬草を使った粉に精練した魔石の粉を入れて再度煮詰める。
②霊薬草を使った初級ポーション製法①〜⑥
③霊薬草を使った初級ポーション製法⑥、魔晶石を使う
④霊薬草を使った初級ポーション製法⑥、精練した魔晶石を使う。
・備考
全ての品質のポーションは、治癒属性魔力をコントロール出来れば薬草無しで作る事が可能である。
また、薬草以外の薬種、薬材を使ったポーションの製法は、物によって大小変じる。
全ての品質のポーションは、作り手の生命力がどれ程練り込まれるかによってもその効能を大きく変じさせる。
効率的な働きが成されるポーションは、品質が下でも上のポーションと同等の効果を持つ場合がある。
それにより、僕のレシピで作成された上級ポーションは、僕の意志を宿す指向性を持った治癒属性を持つ為、魂のデータを参照して欠損部位の再生を行っている模様。
また、霊薬草にはある程度治癒属性に指向性を持たせる効果がある。
霊薬草が発生する主な地点は、竜等の高次生命体の根城やその痕跡がある地点。地脈の噴出孔等の高濃度魔力に満たされた地域。
★神薬
定義上、意志ある薬。物質の元より存在する作用では無く、意志を持って対象を癒やす薬。その意志が魂魄にまで及ぶ薬。
現時点で神薬草に分類出来る草類は確認されていない。
神薬草が無い為定型の製法は存在しない。
・製法
①僕の血。
②儀式により信仰を宿した何らかの素材の調合。
③何らかの信仰を得た魔物の素材、遺物を使う。
④生命の宝石を使う。
・備考
僕だけでなく皆が素材。
★マナポーション
魔力を回復させるポーション。治癒属性が積極的に触れた対象を癒そうと動くのに対し、マナポーションは純度の高い魔力が込められている為、飲まないとまともな効果は発生しない。
その階級を分けるのは、純度、魔力量、魔力質の合算値。
・製法
①粉末魔石を水に投入する。
②精錬した粉末魔石を水に投入する。
③粉末魔晶石を水に投入する。
④粉末魔水晶を水に投入する。
・備考
高次の魔石程魔力を保持する効果が高い。
治癒属性を僅かに混ぜる事で、マナが効率的な動きを見せ、魔力回復量が増加する。
魔石によっては毒となる生命力が多い為、水にさらす工程を挟む場合がある。
また、多くの場合一般的な製法では、水に魔力が宿る様にあれこれやっている。
魔力を固めて魔石を作り、粉末にして作りたい階級の分適量投入するだけの簡単なお仕事。儲け。
★異常治癒ポーション
何らかの異常状態の治癒に特化した魔法薬。
・製法
①ポーションに対象となる異常の原因因子を投入し、時間をおく。
・備考
主に解毒ポーションに適用。何らかの植物、魔物による毒を解毒する為に使われる。
何らかの生物の毒を対応するランクのポーションに投入し、治癒属性の形を解毒用に特化させる。この時、毒が強ければ治癒属性が消失し、治癒属性が強ければ性質が変わる前に毒が消失する為、毒の強さを調べておく必要がある。
汎用解毒ポーションを作るには、毒属性魔力を投入すれば良い。
ただし、ポーションには元々毒の中和、分解効果があるので、高位のポーションを買えない、または作れない時の代替案でしか無い為、重要性は低い。
例外として、固定の対象毒物を中和、分解する専門薬がある。それは一部の特殊な毒物は並大抵の治癒属性を物ともしない場合がある為。
例)鬼化状態
★能力強化ポーション
何らかの作用により身体性能等を強化するポーション。
多くの場合強化魔法で事足りるので、重要性は低い。
・製法
①何らかの魔獣素材を細かくし、水にさらす。毒である内在生命力を取り除いた後、それを薬草類と混ぜてポーションを作成する。
・備考
薬草類と混ぜる理由は、取り除ききれない内在生命力を治癒属性で中和、分解すると共に、強化効果を補強させる為。
主な素材は、硬い魔獣の甲殻。攻撃性の強い魔獣の爪や牙。属性値の高い魔獣の毛。またそれらの内臓器官や魔石等。
詰まるところ料理である。




