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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十五節 先達の攻略

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掌話 彼等のイベント 十

 



「スラッシュ!」

「スタンプ!」

「スピア!」



 色んな武器を持った前衛戦士達が、魔力を気にせず化け物の胴へ武技を連発する。

 魔力が切れたら離脱し、後続が戦列に並んで武技を放つ。


 剣に槍、鎚、盾やら弓やら投擲やらが次々武技を放つ中、勿論敵は無抵抗じゃ無い。



「喰らえ! ドラゴンスピア!」

「そっち行ったぞ!」

「ホーククロー!」

「ラピッドシザー!」



 第一陣で火竜戦にも参加していた強者の槍が当たり、化け物の腕が弾かれた。

 そこへ珍しい鎌持ちと変な鋏みたいな剣を持った奴が、専用武技を放つ。


 出現した大きなオーラの猛禽は、高速で飛翔し腕へ鉤爪を叩き付ける。鋏の様な剣はオーラが一気に伸びて化け物の腕へ突き刺さり、ジャキッと刃が閉じて人の胴体くらいの傷を刻んだ。


 ドラゴン系の武技には劣るが、それでもかなりの威力だ。


 大きなダメージを負った腕は透明度が落ち、暫く動きが鈍くなる。

 そうこうしてる内に反対側でも腕が沈静化し、両腕が同じ状態になると——



「——来るぞ! 全軍後退!」



 ググッと両腕が体を抱き締める様に動く。


 どう見ても分かる。溜めの動作、次の瞬間——胴体の触腕が津波の様に押し寄せた。


 十分な距離を取っているからこそ大丈夫だが、初見じゃ防御固めた前衛が纏めて呑み込まれて散々な目に遭ったもんだ。


 この状態は一種の防御形態でもあり、伸びた触腕は魔法や武技による攻撃で数を減らせるものの、胴体に攻撃するよりは効率が劣る。

 ただし、敵もその場を動かなくなるし、攻撃範囲外に出れば無傷でやり過ごせるので、此方も態勢を立て直せるって寸法だ。



「各員、魔力を補給しろ! 補給手段の無い者は後方警戒!」



 うぞうぞ蠢き四方八方に伸びる無数の手は、見ていて気持ちの良い物ではない。

 増してや、元はゴーストだ。此方へ伸びる無数の手には、何かしら感じ入る部分もある。


 そんな感想を抱きながらも時を待ち、此方の準備が万端に済んで間も無く、敵に動きがあった。


 肥大化した胴体がググッと一気に縮まり、澱んでいた両腕が元に戻る。



「全員進軍! 投擲、遠距離攻撃持ちは胴体へ攻撃を集中しろ!」



 近接戦士が前に出て、専用武技持ちが両腕側へ回る。

 戦士達が接近する前に、石塊やナイフ、少数の矢に、幾らかの魔法が飛び、化け物の胴を削る。


 そんな中で、ミヨから報告が上がった。



「装填完了! 十分な距離もあるよ!」



 戦車だ。


 化け物相手にどれほど威力が通るか。試しも兼ねた一撃。


 必中だ。なんせ的がデカイ。



「良し、撃て!」



 命ずると共に放たれた矢は、狙い違わず化け物の胴体に突き刺ささり、爆発。


 深々と刺さった矢が内部で弾け、化け物の体が傾いた。

 地面につかれた片腕へ、専用武技持ちがおっかなびっくり武技を振るう。


 やっぱり表面で爆ぜるより突き刺さった方が威力が高いな。当然っちゃ当然だが。



 順当に胴を削り、腕を沈静化し、全体攻撃から退避してを繰り返していると、その時は来た。



「っ、来るぞっ!! 全員、衝撃に備えろッ!!」



 防御姿勢から復活するタイミングで、化け物が両腕を振り上げた。


 これこそが、俺と拳姫が両腕側に控え、一切の攻撃をしなかった理由。

 やって来るかどうかも不明な、極稀にする超広範囲全体攻撃。


 腕が当たったら即死、当たらなくても、爆散する様に広がるゴーストの群れによる状態異常『恐怖』もしくは『気絶』。からのHPMP吸収。


 囲んで優勢だったプレイヤーが一気に殲滅され、敵はほぼ全回復する、正しく盤面を覆す初見殺し。



「拳姫!」

『言われなくても! ネコシェイプ!』

「ドラゴンネイル!」



 強化系武技を使い、前へ出る。


 それにパーティーメンバー含む何人かの高位専用武技持ちも続いた。



「迎え撃つぞ! 俺に続けッ!!」



 応じる声を背に、大剣を掲げた。


 僅かな溜めの後振り下ろされた腕へ、合わせて大剣を振り下ろす。



「ドラゴンッ、キラーッ!!」



 生じた竜が腕と衝突し、追随する竜の一部や肉球、他様々な武技が腕へ殺到する。


 反対側でも同じ様な光の爆発が起き——



 ——化け物の腕は弾け飛ぶ。



 それと同時に化け物は無数のゴーストを周辺へ放ち、その体積を縮めた。



「全軍、進撃! ゴーストを駆逐しろ!」



 鬨の声を上げ、投擲も盾も剣も関係なしに、散らばったゴーストへ武技を放つ。


 突然の白兵戦でフレンドリーファイアもあるが、ゴーストを放置したら相手が回復するし、そこら辺は致し方ない出血だ。



 そこからは簡単だ。


 多少の血が流れるも、ゴーストはほぼ駆逐。


 大きく体積を減らした化け物は、最早大した敵では無く、次々と武技を受けてはどんどん縮み、最後に残った半透明の高位ゴーストへドラゴンキラーをぶち当て両断。


 なんだかんだ言って最後の高位ゴーストも無抵抗ではないし、何ならそれなりに強いが、これで化け物狩りも終了だ。


 結果を見ると、何人か退避をミスったりでやられているが、人的被害は最小限。

 アイテムはもう殆ど残っていないだろうが、後はボスだけだから問題ない。


 順当な勝利ってとこだな。



 ……ドラゴンキラー2連発はキツイなぁ。





 その後、大した敵のいない天守を殲滅し終え、残すところはラスボスだけ。

 ボスの戦闘力は通常のワンダリングボス並みで、一パーティーでの対処は十分可能だ。


 立候補者の中からルーレットでボス戦に挑むパーティーを決める。


 ルーレットは、クロギリさんに参加人数によって変動する手数料を払う事で出来る。

 これが何人いてもちゃんと目に見える形でやってくれて、しっかり公平だ。


 参加する全プレイヤー達の視界に水晶っぽい円盤と針が映り、キラキラと光を帯びて針が回転する。

 大した額では無い割に結構豪華な演出だ。


 それから、選ばれた第二陣のパーティーがボスと戦い敗北。次の第一陣パーティーは仲間がやられてフルメンバーじゃないからかまた敗北。

 最後に第二陣のレベルも低めなフルメンバーが弱ったボスと激戦を繰り広げ、イベント戦は終わった。


 この後は参加者全員で迷宮狩りだ。


 幾らか整理や休憩の時間は設定してあるし、何でかイベント後は疲れが尾を引かない。


 問題無く進められる。と良いんだがなぁ〜。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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