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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十五節 先達の攻略

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掌話 彼等のイベント



 兄さんがクロギリさんと交渉してるのを横目に、私はニコニコ微笑んでおく。


 笑顔は対話の常。


 友好には友好を、敵性には油断を誘い出す常套の手段。

 まぁ、クロギリさんに効くかは分からないけど、それはそれとして笑顔でいるのは良い事だよね。



「成る程な、ならチケットを使って貰う事で——」



 とは言えクロギリさん、こっちを見向きもしないし……掲示板で情報収集しとこうかな?





 話は無事纏まり、次の色チケットイベントにクロギリさんが着いて来てくれる事になった。


 それに伴う諸々の注意点は兄さんと佐助さんが纏めてくれているけど、基本的な部分は運営主催の最低保証イベントと同じで、提供されるアイテムに制限があるとか、アイテムの購入はイベントインベントリを介した物々交換であるとかだ。


 最低保証と違う点は、出張料金が掛かる事と、参加者を此方で選別出来る事。

 つまり、お金が掛かる事以外は個人と運営主催両方の基本的な部分が組み合わさっているって感じ。


 そんな訳で、兄さん達は今、都合が付く人達にフレンドリストからレギオン招待を送っている。

 掲示板のモンスターカードの所の皆も参加予定で、今回も500人全員が埋まりそうだ。



「ねぇミヨ、残り枠どうするか決めた?」

「んー? えっと、一応マナポーションが良いかなって思うんだけど」



 ちょっと浮き足だった様子で、マヒル……じゃなくてテルマが話し掛けて来る。

 かく言う私も、色チケットは最低一晩は泊まりだし、掲示板の人達と会うのも初めての人がいるしで、ちょっとワクワクしている。



「えー? マナポーションばっかりあっても精神回復が追い付かないんじゃない?」

「それはほら、時間なら沢山あるし、休み休みやれば良いと思う」

「そっか、そう言えば色チケは1日掛かりだったわね……毛布とか持ってく?」

「地面に寝れば良いよ?」

「……(そう言う所脳筋だと思うのよ)」

「ん?」

「なんでもないわよ」



 全く、マヒルちゃんはお兄ちゃんが言うとなんでも頷いちゃうんだから。そう言う所盲目だと思う。


 ……そう言えば、荷車持って行けるし、クロギリさんが来るなら前の計画出来るんじゃないかな?



「お兄ちゃん」

「ん? なんだ?」

「戦車持って行けない?」

「……そっか、行けるな」



 やっぱりね。色チケの会場は一応なだらかだし、馬を買えて補給も出来るならまともに運用出来る筈!



「それじゃあミヨ……とテルマ、ネネコ、共用から150くらい目標で纏めといてくれ」

「はーい!」

「任せて!」

「任せるにゃ!」



 まぁでもクロギリさんに相談すれば大体しっかり纏まるし、態々保護者枠ネネコさん付けなくても良いと思うんだけどなぁー?





「予算150万MCですと、先ず馬の購入と魂の保護、強化、進化、時間の延長に85万MC。残り65万MCで戦車の購入、メイキングを行うのが良いかと思われます。強化した馬であれば中型の馬車まで一頭で牽引出来ます」



 ほらあっさり。


 もうそれで良いかなと思うけど、戦車の装備とかを確認しておきたいかな?



「一応先に戦車の性能だけ見たいのと、持続時間を……色チケットだとどれくらいあった方が良いですかね?」

「持続時間は2時間程度あれば都合良いと考えます。増やす場合は1時間で36万MC。予算内には収まりますが、戦車に武装を積めなくなります」

「そ、れ、はー……ただの馬車ですね!」

「馬車です」



 ……天下の桐生や鈴森なら流鏑馬やぶさめくらい鼻歌混じりだろうけど、私達の中に弓が上手い人はいない。

 投擲はそれなりだけど、それならレンタルマジックバックで事足りる。


 ここはやっぱり備え付けの重量武器を乗せてドカンドカンと打ちたいし、欲を言えば装甲も欲しい。

 馬は危ない時は送還すれば良いだろう。



「停車時のみの射撃を考えているのならば、車輪に振動吸収ギミックを仕込む必要はありません。単なる荷馬車の改造であれば安く抑える事が可能です」

「そうですか……乗せる武装次第で値段はどのくらい変わります?」

「それこそピンキリですが、予算内に収められる物のみご紹介します」

「お願いします」



 やっぱりクロギリさんなんだよね。


 提示された武装は、おおよそ3種類。


 弩を含む、重量負荷は大きいが威力がある砲撃型兵器。車体全体が破城槌の様になっている近接兵器。燃費は悪いが威力が段違いの魔法型兵器なる物の3種。


 その内近接兵器は却下だ。


 破城槌型は、色チケットが城壁を破らなければならないけど門を破る訳ではないので却下。

 刺々の付いた装甲型は雑魚散らしには向いているかもしれないけど、兵器を積む最大の目的は大型獣ないし巨大な幽霊の撃破なのでこれもまた却下。


 一方魔法型は、魔法の種類が多々あり、同じ魔法でも馬車の必要な大型兵器と携帯出来るぐらい小型の物があった。

 より小型になる程高いけど、小型なら馬に直接付けられる。


 何より、属性石を投入する事でリチャージ出来るのが大きい。


 値段的に考えると大型で馬車に乗せる方が安く済むんだけど……いずれは小型化していくんだろうな。


 戦略的には、単発式で1発の威力が高い反面外した時のリスクが大きいし、なんなら高威力の物はデカくて高いからこれぞって言う物が買えない。よって保留寄りの却下。



 最後、砲撃型は、大砲なら一番小さい……レベルが上がった今なら、何なら携帯出来る物しか買えない。


 弩は馬車と兼ね合いでもちゃんとした大きな物が買えるし、矢尻に破石や爆石を付けて貰えば十分な威力が期待出来る。

 更にはちゃんとした照準器サイトが付いてて真っ直ぐ飛ぶから命中率も十分。



 クロギリさんと相談し、悩みに悩んだ末に、私はフレンドチャットを開いた。



「お兄ちゃん! 予算もっと出して!」





 その後あれこれ相談した結果、作って貰ったのは弩。

 人の身長程もある大きくてとんでも無く重い弓で、矢をセットすると魔力を消費して自動で組み上げてくれる。


 馬車自体は四輪式で、大きいが高さが無くて重い為横転の心配は低く、360°全方位に向けられるけど射角は大きく変えられないから高過ぎても低過ぎても駄目。


 それから爆石付きの大きな矢を5本積み、最後に……その戦車を装備としてモンスターカードに付けて終わった。


 装備を付ける機能は、装備が破損しないと言うチート染みた効力を発揮する代わりに装着に装備の代金と同額が必要になり、以降の強化には倍の金額が掛かる様になるんだけど……戦車まで装備扱いだったなんて思いもしなかった。


 あと、残念ながら消耗品は消費される仕様らしい。



 掛かった費用は、特注戦車一台18万MC、改造バリスタ一基48万MC。爆石付き特注矢6本3万MC。装着費66万MC。

 これに馬の強化分を含め、締めて220万MC。


 尚、馬君はレベル5で成体に、レベル15でバトルホースになった。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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