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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十五節 先達の攻略

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第36話 異界の竜

第八位階下位

 



 イベント会場から帰還し、直ぐに次に向かった。


 夢現の帝王と並ぶ試練の迷宮、月夜桜の園である。



 夢現の帝王とは真反対の山にある桜の木。その幹に刻まれているのは、桜の紋章が描かれた盾の六角形。


 触れて飛ばされた先は、夜の草原。


 目の前には森があり、その先に見えるのは連なる山脈。

 背後から吹く風には磯の香りが混じり、遠い浜辺には椰子の木らしき木々が等間隔に植えられている。


 製作者が好きなのか、それとも僕の性質が月に近しいからなのか、解放された試練の迷宮5つの内、実に3つが夜である。


 改めて森に振り返り、森の中にある構造物へ意識を向ける。


 かなり遠く、左側に見えるのが、薔薇の様な大型建造物。

 同じく遠く、右側に見えるのが、竜を象った装飾が散見される大型建造物。

 そして前に見えるのが、月光を反射して黄金に輝く大型建造物。


 更に遠く、木々に隠れてここからは目視出来ない場所に、もう一つ大型建造物がある。


 そして僕の直ぐ目の前にあるのが、小さな円形の舞台と、その中央にある六角プレート。


 舞台は4つあり、左手にあるプレートには薔薇の紋章、右手にあるプレートには竜の紋章、中央にあるプレートには蜂の紋章が描かれ、奥にある桜の盾の紋章は灰色をしている。

 これ見よがしにそれぞれの円形舞台から線が引かれ、桜の盾の舞台に集束しているので、他3つをクリアしたら解放される仕様だろう。


 さて、どれから行くべきか、そう悩んだのは一瞬の事。


 僕は竜の舞台へ足を踏み出した。


 いやなに、薔薇は花精霊の類いだろうし、蜂は試練級の昆虫型がどんなものか気になるけれど、それよりも竜の強者に興味惹かれたからね。





 転送された先は、おそらく竜の大型建造物の中。


 夢現の帝王の時と同じ様な広大な空間は、竜を象った柱が点在し、天井は高く、床は血の様に真っ赤。


 そんな広い空間に、4つの人影。



嵐天竜の幻影 LV650


炎天竜の幻影 LV650


闘天竜の幻影 LV650


刃天竜の幻影 LV650



 1番前にいる嵐天竜は、緑のエプロンドレスを纏った幼女。

 ニコニコと微笑む笑顔は見た目相応であり、その大きな瞳は間違いなく緑系統の魔眼だ。


 緑色の髪はツーテールに纏められており、その付近から生える双角は緑の結晶質。


 この中では最も幼げな容姿をしているが、先ず間違いなく最強格。



 その緑の幼女の隣に立つのは、炎天竜。


 緑の幼女と打って変わって、その装いは身軽そうなショートパンツとノースリーブ。

 燃える様な赤髪は短く揃えられ、目つきは鋭く、見た目不相応に老獪な気を感じさせる。実力と経験に裏打ちされる自信があるのだろう。レーベと同じだ。



 後方で腕を組み、堂々と仁王立ちする女は、闘天竜。


 豪奢なドレスに包まれた肢体はしなやかで、良く手入れのされた赤黒い長髪は、これまた豪奢なリボンで一つ結びに纏められている。

 そんな見た目に似合わぬ獣の様な笑みと、呼気に混ざる重い魔力が、彼女が戦闘狂の類いである事を告げている。



 そして最後、この中では1番年上に見える、青白い長髪の青年が、刃天竜。


 長い髪は高い所で一つに纏められ、幾らかの装飾が目立つ和装に身を包み、腰には一本の刀を下げている。

 すらりとしている様に見えてしっかりとした体付き、頭部に生える角は刃そのものであり、元の体は刃竜系の進化種で間違いないだろう。



 1番前にいる緑幼女が、微笑みながらお辞儀した。



「はじめまして〜! お兄さんのー? いちのアイボー! ーーでーす! よろしくね〜?」



 元気に拳を突き上げポーズを決める不明な少女は、やはり神級。

 人形の魔王に曰く、魔眼はホイホイと使える物ではない。ホイホイと使えるであろうこの少女が神級なのは、然もありなんと言った所か。



「うん、よろしくね」



 微笑みながら応える僕に、不明な神もニコニコ微笑みながら、真横の幼女の背に触れた。



「……うむ、名乗ろうか。私はレドラ。火天の継承者にして赤の因子を持つ高貴なる炎竜である。不本意ながら此奴の部下だ」



 さして不本意でも無さそうに肩を竦める少女。おそらく亜神であろうが、赤系統を持っているらしく、瞳を少し光らせた。


 レドラが言い終えるや、ドンッと拳を打ち合わせ、前に出たのが闘天竜。



「さぁ! 戦うぞッ!!」

「この馬鹿者はオルガメア。戦いに悦び浸る戦闘狂だ」



 レドラの紹介の通り、オルガメアからは猛る獰猛な気配がはっきりと伝わって来るが、その服装が明らかに戦闘向きでは無い。

 正しく誰かのお仕着せなのだろう。


 そして最後に、刃天竜。


 鋭い目付きで前に出て、牙を覗かせる口を開いた。



「俺はジーン。剣竜がいるな? それを出せ」

「気が向いたらね」



 ほぼ皆好戦的だな。やはり竜種とはそう言う物なのだろう。



 さてさて、挨拶も終わった所で、誰を出そうかな?



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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