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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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掌話 ミナモに映る世界 二

 



 にぃ達と合流しパーティーを組んだ後、一度教会に行ってうみにぃのお金でお布施して、バッジを貰った。


 エイシャさんはいなかったけど、何とか祭司の人からバッジを貰う事が出来た。


 その後、私達は一番近い初心者向けの迷宮に向かった。





「……此処が初心者向けの迷宮……?」

「ミナモ場所間違えたかぁー?」

「いや此処だよ。資料見ながらメモしたもん」



 此処で間違いない筈。


 そんな事を思いながら、目の前の祠を見る。


 小さな扉が付いた小さな祠だ。



「……失礼しますよって」

「え゛?」

「お?」



 どうした物かと悩んでいると、唐突になるにぃが祠の扉に手を掛けた。


 なんて暴挙をっ!?


 そんな事を思いつつも、好奇心には負けて中を覗き込む。

 そこに有ったのは、例の女神像とお供え物を置くらしき金属のプレート。



「あれぇ、何かあると思ったんだけどな……」

「もう……なるにぃ、罰当たり!」

「……仕方ない。アニキが見なかったら俺も調べてたさ」



 それにしたって祠は神様がお休みなされる所なんだから、みだりに覗いたら行けないんだからね!

 ……まぁ、にぃ達も知ってるだろうしゲームだけどさ……。



「まぁ、隠しパラメーターでカルマ値とかあるかもしれないし、デバフとかに備えてお供えだけでもしとこうか」

「した方が良い」



 ゲームとは言えモラルは必要だよ。


 うみにぃがポーチから青い石を取り出し、プレートに置いた。



 次の瞬間、気付いたら知らない場所だった。



「……え?」

「……は?」

「……ああ、プレートに触れると入れる仕様だったか」

「ええ……」

「なぁるほどなぁ〜」



 うーん……まぁ、そう言う事なら……。





 後ろには同じ様な祠があり、引き返す事は出来たみたいだけど、元から迷宮に入って見るつもりだったからそのまま進んだ。


 人工的に整えられ、装飾は無い岩の道を通っていると、胎内くぐりをしている様な不思議な気分になる。

 一点気になるのは……灯りも無いのにやけに明るい所。どう見ても岩肌なのに細部まで見通せるのが、えも言われぬ不可思議で何処か神聖な雰囲気を醸し出している。


 何というか……気持ちがすっと軽くなる様な……これはお清めの泉に入った時に近いかな? 魂が洗われる様な感覚だ。



 敵が出るかもしれないと言うのに、暫くその雰囲気を堪能、もとい呑まれていると、唐突にうみにぃの嫌そうな声が聞こえた。



「げっ、まじか……」



 その視線の先、洞窟の奥を見ると、そこには十字路がある。

 分かれ道か……分かれるのかな。



「んんー? 何か……いるね(・・・)



 なるにぃの言葉に目を凝らして見ると、十字路の真ん中の空中に、水の玉が浮いてるのが見えた。


 なにあれ……無重力?



「……エレメント系だ。どっかに小豆みたいな核があって、それを壊すか魔法で攻撃しないと倒せない。まぁ、川で魚突くくらいの気持ちで行けるんだが……」

「問題はその魚が攻撃してくる事、か」

「そゆこと」



 ふーん……アレが生き物なんだ……確かに、よく見ると青い小さな石が真ん中らへんで動いてる。



「因みに攻撃は水を飛ばして来るのと、隙あらば水の玉で頭を包んで来る」

「どうって事無いなぁ……よし、ここはミナモ、行ってきなー」

「……もう。分かった」



 初戦闘で一対一だからって、別に譲らなくても良いのに……。


 そう思いはするが、やっぱり初戦闘だし、心配な事があるのも事実なので、ありがたく挑ませて貰う。



 背負っていた槍を持ち、エレメントとやらに近づく。

 少し進むと、エレメントの球体が崩れ、此方へふわふわと寄って来た。


 いつでも避けられる様警戒しながら歩み、ふと球体の中で何かが動いたと思った時には、水が飛んで来ていた。



「っ! ……」



 分かった様な気がしても避け切れず、肩にびしゃりと水がかかる。


 視界の上の方にある緑のゲージがほんの僅かに減る。

 水がやけに冷たい。



「水のエレメントの攻撃を受け過ぎると、凍えって言う状態異常になる。単にやたらと寒いだけだからどうってこたぁないがな」

「オーケー」



 確かに、この程度の冷たさならどうと言う事でも無い。


 ただ、この服着心地悪いし動きにくいし、濡れて不快感が倍。それに……可愛くないし。



 取り敢えず走り、槍を横凪に振るった。


 それとほぼ同時に飛び出た水の玉は、腕や足を濡らして体温を奪う。

 構わず2度目の槍を振るい、小さな青い石を弾いた。


 次の瞬間、浮いていた水が全てばしゃりと地面に落ちる。


 ……これで倒したって事?



「来るぞー」

「っ」



 うみにぃの言葉で後ろに跳ぶと、それと同時に地面に散らばっていた水から小さな玉が複数浮かび、雨の様に飛んで来た。



「一撃でやれないんかなぁ?」

「いや、端に当たったな。勢いも足りなかった。大体核に当てられれば一撃だから、あと少しでもダメージ与えたら倒せる筈だ」



 後ろで言ってる事を聞きつつ、雨を受け続ける。

 ほんの少しずつ、じわりじわりと緑のゲージが減って行く。


 核はどこ? ちょっと寒くなって来たんだけど……!


 保護色になっている地面を見回していると、地面より少し上で、水が集まり始めたのに気付いた。



「そこッ!」



 今度は叩き付ける様に槍を振る。


 パキッと小さな音が鳴った。



「……」



 警戒しながらそこを見下ろしていると、じわりと青い粒子が溶け消え、残った真っ二つの青い石を拾う。


 今度こそちゃんと勝ち、かな?



「初勝利おめでとう」

「ナイスファイトー。良い戦いだったゼ!」

「……次なるにぃだからね」

「うっす。任せなぁ」



 取り敢えず、初戦闘だったけど……いつも通りやってればまぁまぁ行けそう、かな?





 うみにぃの地図スキルのおかげで、枝分かれする迷宮を迷う事なく進めた。


 敵は水のエレメントだけで、曲がり角には必ず1体。後は1体で通路を徘徊しているくらいで、一度の戦闘で2体に遭遇する事は無かった。


 特に苦戦する様な事もなく、なるにぃと交互にエレメントを倒して進み、十数分程度経った頃、水流を模したと思われる装飾がされた扉の前に着いた。



「ボスだな。一応回復しておこう」

「例のくそ不味いって奴な」

「覚悟しとくよ」



 革の鞄から取り出した、緑の液体が入った小瓶を見下ろす。


 蓋を開けるや、直ぐにそれを傾けた。



「ごくっ」

「……ごくっ」



 ……。



「……吐きそう」

「……まずっ!?」

「高い薬は普通にジュースみたいだぞ」



 高い薬買える様に頑張ろう。そう決めた。


 視界の上では緑のゲージが急速に回復し、半分程度だったそれは満タンになった。

 視界の端にあるパーティーメンバーの所も、なるにぃの緑ゲージが回復したのが見える。



「よし、それじゃあ行くか」



 うみにぃが扉に触れると、それは自動的に開き始め——



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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