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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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第17話 英雄の歴史

第八位階下位

 



 次は、魍魎使いのゼムとゼン。


 此方は、その記憶から異世界かどうかは分からなかった。

 このゼムとゼンは、簡単に言えば何処ぞの森の奥に住む部族のシャーマンであり、そして双子だ。


 その部族では、双子は魂が繋がっているとか同じ魂を持つとか考えられており、片方を殺す事で所謂精霊と言う物と深く交信出来ると考えられていた様だ。


 当代のシャーマンは、年老いたお爺さんか双子ではなかったただのシャーマンしかおらず、部族としてはようやく生まれた待望の双子だった。

 絆が深ければ深い程精霊との交信もより強くなると言う事で、仲良く大事に育てられた双子は、成人の儀式を終えた後、あっさり片方が殺された。


 その後、部族はこれまたあっさりとゼムとゼンによって滅ぼされ、そのそこそこに長い歴史に終止符を打たれた。

 そうして少年達は安住地を求めてあちこちを5年程放浪し、赤い枝角の様な物を持つ猪の魔物に激闘の末殺害された様だ。


 部族の信仰を全てかっぱらって行ったので、相応の力は持っている。



 次、神癒のヴィオレッタ。


 彼女は、ルステリア帝国が終わり、新たに誕生したルベリオン帝国の初期に生まれた転生者だ。

 治癒と結界と言う防衛系に特化した能力を持ち……当時異常な隆盛を誇っていた迷宮を駆除して回った英雄の一人。


 実力的には当時のリベリオン幹部クラスを少し越えるぐらいで、ネックなのは魔力不足。



 次、虐殺のアンドレア。


 この男は、同じく迷宮が隆盛を誇っていた時代の生まれだが、時期的には地脈の異常活性が起き始めた初期の方。ルステリア帝国中期に活躍した英雄だ。


 急激な地脈の活性により、当時狭く数も少なかった迷宮が頻繁に氾濫を起こし、雑魚魔物の群れが地上のあちこちで徒党を組んで人に襲い掛かる時代があったらしい。


 アンドレアが有名になった最たる要因は、彼が持つ魔剣が奪命剣の類いだったから。

 雑魚を切っては傷を治癒し、それを延々と繰り返す事で、単独で魔物の群れを退ける事が出来た訳だ。


 勿論、彼自身の蛮勇とも言える勇気と覚悟、受けるダメージと回復量の見極めに、致命打を受けない為の技量、時間を掛けて鍛え上げてきた地力なくして、その結果は生まれなかった。


 そして、彼は大迷宮で起きた大陸全土の危機とされる氾濫を収めるのに一役買って、永遠の眠りにつく事になったのである。

 ……結果的に永遠ではなかった訳だが。



 続けて、秘奥のシスカ。


 彼女は、転生者の子供であり、ヤカルナの弟子だった。

 時代はルベリオン帝国初期、東方諸国での事。


 犯罪者を使った実験で、死にたてで体も無事であれば蘇らせる事が出来る程度には高度の術を体得した。

 ある時、師の狂気に触れて怖くなって逃げ出し、未だ整備の済んでいなかったルベリオン帝国南部、旧隷国でそこそこ活躍を見せるも、ある大迷宮の深部で()の怪物に殺害された。


 僕が注目したのは、シスカ含む討伐隊が死んだ直後、手の怪物が迷宮核を破壊した事と、手の怪物が開かれていた門から出て行った事だ。


 ……当時の時点で既にレベル500くらいだったし、多分生きてるよね……?


 彼女は僕に捻り潰されるまでは確かな凶暴性を孕んだ知恵者だったので、ちょっとその後は想像したくない。

 空間魔法を自在に使えるので、下手したらディアリード並みの脅威だ。


 ディアリードは行動基準がはっきりしているので、単純な危険性で言うならディアリードを超えるかもしれない。


 なんでイベント報酬で身内の錆を見せられたのか納得しかねる。



 取り敢えずそれは置いておいて……次、不滅のタンブラ。


 こいつは、以前爺様もといデュナークが使役していた魔獣、シャドーキングと同種の魔物である。

 違うのは一点、天然物であり、ほぼ単独で王国を作り上げた、真に王と言うに相応しい怪物である事だ。


 発生地点は洞窟。そこから長い時間を掛けて、夜は地上へ、朝昼は地中へ進出し、配下を大量に生成して地底に大きな国を作った。

 が、それから暫くして、獣型の強力な魔獣が複数雪崩れ込む様にして王国は蹂躙され、一夜と経たずに滅んだ様だ。


 まぁ、地上で獣だけでなく人や亜人の村にも手を出していたので、その方面から援軍が来たと考えるのが妥当だろう。


 恐るべきは、レベル300程と推定されるタンブラが大した抵抗も出来ずに滅ぼされた事。

 不滅と称される通り、夜であろうとなかろうと影さえ有ればほぼ無尽蔵に回復したり防御したり出来る力を持つタンブラがである。


 尚、此方もこの世界かどうか分からないので、現状では放置せざるを得ない。



 次、王威のノーデンスは、悪魔系統の種族であり、はっきりとは言えないがおそらくこの世界とは違う世界の魔界出身である。


 ノーデンスがいた魔界は、広大で様々な危険地帯が存在し、様々な悪魔種が日々戦争を繰り広げている様な場所だった。


 ノーデンスはその中でも魔王と称される実力者で、想定レベルは300〜400程度。

 しかしカオスビーストが率いる群れに国が襲われたり、蝗害の様な小型のデモンビーストの大群に襲われたりしたあげくに、他の格下魔王に討ち取られた様だ。


 ルカナから聴取した所によると、少なくともグラシア家の観測上ではその様な激しい戦争は無いとの事。


 何よりそこが異世界だろうと判断した理由は……なんでもノーデンスの世界には七つの王権と言う神器があるそうなのだ。


 王権は無尽蔵とも思われる力を放ち、それの近くにいるだけで力を増す事が出来るし、装備すれば絶大な力を発揮する。

 その反面、弱者が王権を行使すれば凄まじい消耗により失神、事によっては弱体化、もっと酷ければ魂が壊れて死ぬんだとか。


 ノーデンスは王権を持たない木端魔王とされる者の一人だったが、極めて強力な角があったために弱小魔王に狙われ、おそらく死後に角を剥ぎ取られた物と考えられる。

 ……王権、ちょっと興味あるな。



 次、呪怨のタリジャ。


 出身は何処ぞの部族であり、情報不足によって世界の判別は出来ない。

 タリジャはゼムとゼンとはまた違ったタイプのシャーマンで……エランも実質シャーマンみたいな物だが、タリジャは神官と呪術師の間くらいのシャーマンだった。


 主に獣霊を使役し、単純な魔術が使えて、薬学に通じ、森に恵みを与える神、グリージャに仕える信徒であり、死者の埋葬や病人の治療を行なって来た。

 がしかし、ある時付近の火山が噴火し、森が死んで、グリージャの怒りを鎮める為に生け贄を捧げるも当然自然災害は収まらず、今まで事実として助けて来た人々に暴行を受けて殺された。


 その後は観測された信仰からの推測が混じるが……おそらくタリジャの死後、災害が更に勢いを増した事で、神官を殺してしまった事の重大さに気付いた奴等が畏怖の祈りを捧げ、それとタリジャ自身の憎悪が結び付き、リッチとなって復活。

 タリジャは呪術でそれはもう惨たらしくかつての同胞を呪い殺して、全てをアンデットに変えた後、軍勢を率いて災害から逃亡した。


 その後辿り着いたある王国で死の嵐を巻き起こすも、森の神グリージャへの誓約によって、タリジャ自身の無意識な認識による森と言う物の範囲から出る事が出来ず、森ごと焼き払われた。



 次、詩仙のエブラィジュ。


 時系列的には、マギ・ロジック・オンラインのプレイヤーが永遠の眠りについた後。賢神グリエルがいなくなってかなりの月日が流れた、エルフ国家ドランクール王国時代初期の生まれだ。


 吟遊詩人であるエブラィジュは、使用可能なマレビトの遺産である竪琴を入手し、音魔法を使って多くの戦場で活躍して来た。


 ……この、使用可能と言うのは、マギロジの武器が基本的に魔導鎧(マギステルアーマー)で、コアに所有権があるから出た言葉だ。

 永遠の眠りがどんなプロセスで行われるのか分からないが、多分インベントリに入ってる物は取り出せないだろうし、外に出してある所有権フリーのアイテムはそうそう無いのだろう。


 エブラィジュ自身の活躍は、要はプレイヤーがいなくなった事で防衛力が低下した中、全体を満遍なく強化出来る彼が重宝されたと言った具合である。



 続いて根絶のギラン。


 彼は、ある意味僕の……兄弟子とも言えるし弟弟子とも言える。


 そう、賢神グリエルの弟子の弟子の弟子の弟子なのだ。これを玄孫弟子と言う。

 正確な系譜は、賢神グリエルの直弟子、カーナシア・フィエルテの弟子、現在僕の配下にいる、ルステリア帝国の孤児だった者の更に弟子の弟子。


 ここまで来ると質は大した事ないが、ことギランに限って言えば、当時のカーニャにすら匹敵する強者だった様だ。


 死因は、ルベリオン帝国滅亡の原因となった邪神竜の復活とそれに伴う大戦。


 その詳しい所はギランの記憶からは汲み取れないが……どうやらギランはマレビトに魔法を教えたりもしていたらしい。

 つまり、ルベリオン帝国後期に、マギロジやアナザーと同じ様にプレイヤーが来ていたのだ。


 更に詳しく記憶を見た所、断片的な物からそのプレイヤー達がやっているゲームの名前が見えて来た。


 ——レイド・オブ・ウォーズ。


 レイウォーと略されるそれは、マギロジの魔導核(マギステルコア)の様な物は無く、一見して全員が今のプレイヤーと全く同じ様に見える。

 実際の所は全く情報が無い為分からない。



 それと……これまた断片記憶だが……どうやら、このルベリオン帝国、ドランクール王国に攻められていたらしい。


 ドランクール王国はその隆盛の全盛期、マレビトの遺産である所有権フリーだった魔導鎧(マギステルアーマー)を掘り出して……覇級一歩手前の鎧を4つも確保した結果相当調子に乗った様だ。

 海を隔てて細々と交流のあったルベリオン帝国に侵略戦争を仕掛け、ティアーネとエリザベート率いる帝国軍と小競り合い。


 その戦争には当時のマレビトも参加した様で、レイウォーはかなり悲惨なゲームだった様だ。


 最終的には4人の機士率いるドランクール機士団が幾つかの村や町を焼き払い、帝都を襲撃。

 ルベリオン帝国は壊滅的被害を受け、それらの負の力によって邪神竜が復活した。


 イケイケで攻めていたドランクール軍は邪神竜を軽視し、多少のダメージを与えた後ほぼ全滅。

 マレビトの幾らかもその終末戦争に参加し邪神竜に幾らかのダメージを与えて消滅。おそらくは元の世界で無事生きているだろう。


 ギランは後方で溢れて来たトカゲの大群を焼き払い、あるマレビトが師へと渡した補助人格付きの不明なコア状アイテムの力によって獅子奮迅の働きを見せ、命の火を燃やして民が海へ逃げる時間を稼いだ。


 幸運だったのは、負の化身に殺されたのでは無く、力の使い過ぎで魂魄が肉体から剥離、ぽっくり逝ってしまった事だ。

 負の化身による直接的なダメージを受ける事なく逝けた為、消滅の危機を免れた訳である。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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