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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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第6話 夢の旅人

第八位階下位

 



 ちっこい身長のレリアがバッサバッサと大きなシーツを振り回すその目の前に降り立った。勿論気配を最小に抑えてだ。


 姿は隠していない為、目前に突然現れた僕を見て、レリアはシーツをぎゅっと抱きしめた。



「おわっ!? びっくりした……心臓に悪いっすよ!」

「それはこっちのセリフだよ」



 幻術で音を乱しつつ、何事? と首を傾げるレリアに問う。



「あの3人は何処から来たの?」

「3人……あぁ、ギルドに依頼したっしょ? それっす」



 何でもない様に言うレリアに対し、僕は空を仰ぎ見た。


 ギルドの依頼、本気だったのか……。


 確かに、そこら辺はレリアの自由裁量と言う事にしていた。



「……シスターは何か言ってた?」

「あぁ、なんか知り合いだったみたいっすよ?」



 ……それも確かに、あり得る。そしてレリアもシスターの知り合いだから採用に至ったのだろうと言う事も想像がつく。


 唯一の問題……いや、シスターにはそこら辺の報告義務を課していないし、なんだったら気付いてると思ってる可能性もある。故に問題はなかった。


 懸念はそう、何故彼女等は気配を絶っていたのか、だ。

 僕がいる事に気付いていて気配を絶つと言う事は、僕に気付かれない様にしていたと言う事。その上でシスターに接触すると言う事は、僕に関する事で何かを頼りに行ったと言う事。



 とにかく、一度ちゃんと話をしに行かなければならないだろう。



「取り敢えず3人と話してくる。場合によっては連れてくからね?」

「えー!? 初めての部下なのに、そんなのって無いっすよー!」

「次はもっと普通なのを雇ってよ」

「普通じゃないんすかー? 確かに凄い美人ばっかりっすけど」



 ある意味引きが良いよ、レリアは。


 ぶーたれるレリアを置いて、屋敷の方へ一歩踏み出、した所で少し振り向く。



「あーそうだ。レリア、僕この国の国王になったから、必要だったら国名義で募集掛けて良いよ。給金も上げとくね」

「……はい?」



 さて、さっさと話を付けに行こうか。





 屋敷に入ると、1人目が直ぐにやって来た。


 身長は僕の1.2倍はあるか、爆発する様に広がった白い癖っ毛に、大分成長した茶色の巻角。

 ただし、瞳を意識して良く見てみると、その髪は虹色を纏い、角は虹の結晶になっている。


 眠そうな瞳は僕を捉えると大きく開かれ——



「——ママ……!」

「ママ違う」



 え、なに、どう言う事? しゅーたんが何かした? 侵食した?



「……そうだった」



 そこまで言うと、羊人の姿をした女性は居住まいを正し——



「——シュクラムのママになってください」



 ——宣った。



シュクラム LV802MAX



「ならないけど」

「ありがとうございます」

「ならないけど」

「末長くよろしくお願いします」



 極めて優秀だ。


 レベルもさる事ながら、何より夢の神性を扱う力があまりに強大。

 言ってる事も寝言みたいな辺り本当に夢の旅人である。



「……言っておくけれど、しゅーたんだって僕の娘ではないからね」

「……」



 何も言わず、しょんぼりとするオリしゅーたん。


 気配を隠していた割に、どうやら特に害意はない様だ。



「僕から隠れて活動していた理由は?」

「……本当にママがママなのか確認した。ママだった」

「ママじゃないけどね」



 頑なだなこの子も。1,000年以上生きる神仙の類いとは思えない。やはり夢の旅人か。


 レベルが高く、長い時を生きた割に僕に対する意思は真っ直ぐな思慕の念。

 普通なら禅鬼の様に驕りとも言える感情が見え隠れする物だが、まるで嵐の中拠り所を見つけた小鳥の様に縋って来る。


 もっと深くを見ないと分からないが、力が力だ。此方も慎重にならざるを得ない。


 だが、最も弱い術式で本に登録すればそこら辺も解決だ。

 何せ、いつでも抵抗できる術で魂を差し出す様に問うのだから。



 ……まぁ、別に、良いけどね。



 しょんぼりしている大人シュクラムを、取り敢えず抱き締めた。



「っ……」



 僕が抱き上げれられる程だった幼いしゅーたんと比べて、随分と大きくなった背中を撫で、癖っ毛でふわふわな頭も撫でる。



「ママではないが……もし君が僕を愛するなら、僕はそれ以上に君を愛するよ」



 僕は僕の直感を信じる。


 1,000年生きたからって、愛がなくても生きていける訳じゃない筈だ。

 僕はママにはなれないけれど、その代わりにはなれるから。



 大人しゅーたんは一瞬パチクリと目を瞬かせ、その瞳をキラリと輝かせた後、眠そうな顔をふにゃっと歪めて微笑んだ。



「……これがママのつんでれ芸」



 ……しゅーたんにツンデレを教え込んだ輩がいる様だな。



《《【世界(ワールド)クエスト】『聖獣の第8試練:未の(ゾディアック)試練・ザ・シープ』を『匿名』がクリアしました》》


《【世界(ワールド)クエスト】『聖獣の第8試練:未の(ゾディアック)試練・ザ・シープ』をクリアしました》



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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