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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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第25話 城に迫る

第八位階下位

 



 人形が蔓延るこの島は、広い森に覆われている。


 四方の浜辺から中央の城へ曲がりくねった道が続き、一つの道につき2つ。合計8つの平原と砦、そして1つずつ、合計4つの大砦がある。


 それぞれにボス級ユニットが配置されている他、様々な場所で通常よりちょっと強いユニットやそれに輪にかけて強いユニットが徘徊しており、砦や平原等では魔法使い型や盾型、軽装やら馬やらの役職特化型が徒党を組んでいる。



 そんな大戦場を駆け回り、激しい攻防で東奔西走して徐々に狭まる戦場を破壊し尽くしたのが、ウルルとリターニァ。


 ウルルはすれ違い様にアガーラの渾身の一撃を受け、動きが大きく鈍った所をリターニァに襲われて敢えなく死亡。

 疲弊したリターニァはエヴァによって殺害された。



 また一方では、猛獣使いエランと猛獣のゲッシュ一体が魂合し、その他のゲッシュ4体を率いて暴れ回る。または魍魎使いのゼムと魍魎のゼンが大量の死霊を用いたゴースト系の軍勢を率いて暴れ回る。等のそれなりの戦力が必要になる戦闘があった。


 敵の戦力を見た時に少し過剰戦力だったかとも思った物だが、英雄級のボス達がいい仕事をしてくれた。


 僕の見立てによると、その中でも頭一つどころか明らかに強すぎる個体が3人混じっている。


 そう……アガーラだ。彼は明らかに強過ぎる。


 次点で、リターニァ。此方も、力を使い熟しているのが分かる。

 僕に心臓を破壊された後で、レベルや魔力総量、スピードで優る筈のウルルに食らい付けていたのは、それだけ戦いのセンスが優れている証だ。



 そして最後が……ナハトロン。



 アガーラ、リターニァ、ナハトロン。この3人は、僕が知るどの情報にも存在しなかった。


 だが、地力の高さ。その戦闘センス。極めて優秀なこの3人が、アルバ大陸やベルツ大陸の歴史に存在しないなんて事はないだろう。


 ……アガーラに限って言えば、二つ名が無貌と言うだけあって陰に生きていたと言えるだろうが、リターニァだけは多分歴史の何処かにいる筈だ。

 失われた数千年の歴史にいたのか、全く違う大陸にいたのか……或いはこの世界ではなく別の世界の者である可能性も大いにあるね。



 さて、そんな実力者3人の中で、ナハトロンだけ出自が判明した。


 情報提供者は、テリー。


 テリーこと、テリオヌス・グラシア。



 彼の話を要約すると、ナハトロンの正式名称はナハトロン・グラシア。


 知性を重んじ知識を蒐集するグラシア。悪魔達の中にあって異端たるその集団達の地盤を固めた、古き世代の大悪魔の1人。

 最も若く、最も強く、未来を嘱望され、群雄割拠する魔界で多くの悪魔達を震え上がられせたらしいグラシア切っての武闘派。



 ——灼星のナハトロン。



 話を聞くに、冥域から這い出して来た巨大な濁冥獣(アビス・ビースト)と激戦の末、冥域に姿を眩ませたらしい。


 生きていると信じた者が多かったらしいが……死んでたみたいだね。



 そんなこんなの英雄級を打ち倒し、部屋から一歩も出ないボスのボス部屋前で、最後の確認だ。


 先ず、撃ち漏らしはいない。


 島はもはや最後の棒を残すのみ。棒倒しも佳境である。


 入手アイテムは、土や水や木材を除けば大量の金属と大した事ない魔道具や装飾品、華美な魔導書。

 それからドールのコアに身体の欠片に武器、防具。


 珍しい所だと、地下に鉱脈があったらしく鉱石の類い。

 浜辺にあった、属性魔力を宿す貝殻に、同木材。


 新たに分かった事は、フィールド制限が島を覆う様に球体をしている事と、砦のボスや大砦のボスが形状的に無地や色のボスの上位互換だと言う事。

 それから、砦と大砦はボスを倒すと安全地帯になる事か。それがあったと思わしき場所に球体状の見えない何かがある。



 確認はこれで終わり。さて……。



「……」



 チラリとそれを見る。



 方や、無傷のメロット。


 方や、多少の負傷が見られるミルちゃん。


 強い奴と戦いたい桃花。


 はたまた武勲をあげたいエヴァ。同アトラ、白雪。


 そして笑っているシャルロッテ。



 強いオンナ達が強敵(えもの)を前に圧力を発し、強いオトコ達はそれを傍観する。


 武勲をあげたい者達も、それらを前にして、一歩下がって様子見中。



 ここにウルルがいれば多少違うのだろうが、ウルルは僕が強いと評した2体に挟まれ撃沈したので、致し方なし。


 情報整理が終わったので致し方なし。



「……よし、レイエル。行こう」

「ケロッ!?!?!!?」



 レイエルはね、そろそろ神器が御霊に行き渡る頃だと思うんだ。


 この期に乗じて一気に進化を進めよう。


 しょんぼりしてる皆にそれぞれ指差しで指示を出し、硬直するレイエルを抱えて最後のボスと相対した。





《【イベントクエスト】『万色の鎧と人形(ドール・)の城(キャッスル)』をクリアしました》



 レイエルと魂合し、その魂の深淵を覗き込んだ。


 そこに据えられていた清水大聖心虹雫は消えてなくなり、レイエルの魂にはその多大な神性が満ちている。


 やはり、思った通りだ。清水大聖心虹雫は、神結晶のあり方の一つなのだろう。

 そこに込められていたのは、神格の様な物。


 深い愛と、大いなる水の神気が魂を満たしている。



 生み出したのは、水球。


 神気により生成されたそれは、重く、硬い。



 レイエルはここまでの強度の水球を生成出来ないだろうし、レイエルがやれる事と言えばそれを無数に作ってボコボコ殴るぐらいだが、僕がやればこの通り。


 6属性を宿す万色の鎧は水球に閉じ込められ、四肢から順に捩じ切られ、最後に残ったコアはど真ん中を深く抉られ、力尽きた。


 力を馴染ませる様に、またはやり方を教える様にゆっくりやったので、些か時間が掛かったが、これでレイエルも間も無く進化する。かもしれない。


 また、その間に配下の皆が暇になる事を見越して、組み手や魔力操作訓練をさせた。

 少しの時間だが、多少の経験にはなった事だろう。



 イベントクエストクリア報酬は、驚異の5,000万EP。


 それに徘徊ボス討伐のエクストラ評価やら砦ボス討伐やら宝物庫やら禁書庫やらで、5000万EP。


 入手アイテムは、流石に修正が入った様で、一回のクエスト毎に土等のEP変換可能量が定められた他、持ち帰り可能量も定められ、残りは捨てると言う選択肢しかない事に相なった。

 一応1回目でEPに変換し切れなくても、2回目をクリアすれば変換出来る様になるが、2回目も変換し切れない量を取るので結局変換し切れない。


 しかしそれもまた定めである。


 土、水、木材、石材、持ち帰り切れない最大魔王鋼までのドール部材、大量にある其れ等を泣く泣く売り捌き、得られたEPが20億EP。

 EPは実質MCと同額なので、一回のイベントクエストクリアでこんな大金が得られると思うと……いやまぁ、インベントリとかの高額スキルは10億からだから大した額ではないな。



 それと、もう一つ重要な情報として、イベントクエストからもイベントクエストに参加する為のチケットが出た。

 数は万色一回分には満たないが、その半分程度はある。


 ドロップ形式は見ていた感じ確定では無く確率で、おおよそ50%くらい。

 こう言った物は幸運系スキルの影響範囲内だと思われるので、影響した上で50%と言う事なのだろう。



 また、新しい情報が二つ。


 イベントクエストクリア後、選択肢が一つ現れた。

 それは、帰還ポイントの選択肢だった。


 選べる場所は、鍛錬島の浜辺か転移門広場の何処か。


 僕は全ての転移門広場に移動出来るが、システムの傾向から考えて、知ってる転移門広場だけ選べる様になるのだろう。

 差し当たって全員を、最も上の方にあるオムニメイガスに送った。


 掌握したエリアには都度転移門を設置する事が決まった。



 二つ目は、その転送後に直ぐ分かった事だが…………どうやら時間合わせとかの為に、イベントクリア後に魂魄がおおよそ1日分程度休眠させられる様だ。


 至れり尽くせりである。


 システム構造的には、多分空間固定や加速等が関わっているので、抵抗しようと思えば抵抗出来るだろうが、する意味が無いのでしない。


 これで皆も連戦が出来ると言う物だ。



 差し当たって黒霧に連絡して、次のイベント開始時刻に万色チケを複数登録して貰——



『——私の主人(マイロード)、緊急事態です』

「むむ?」



 連絡が繋がった瞬間、黒霧は珍しく困った様な声音で、緊急事態を告げた。



「要点を」

『ルベリオン王国王城内でクーデターが発生しました』

「……」



 ……そう言えば人間の動向はあまり詳しく調べさせて無かったなぁ。


 じゃなくてっ。



「直ぐ行く」



 ティアはレベル的に無事だよねっ?


 流石に無垢なプレイヤー達にゲーム感覚で人の命を奪う咎を背負わせたくは無いぞ。


 他国の介入だけは勘弁してっ。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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