第23話 マカイゾウ
第八位階下位
常に疑問系なディアを送り出し、次。
先も使ったエントクリスタルとララースァクリスタルの利用だ。
これは、現行の戦力の強化に使う。
具体的には森海の主だ。
先ずは、エントクリスタルとララースァクリスタルを最も相性の良い本人、ノゥ、ネィ、ララに投入した。
これにより、3人の魔力保持容量が何のデメリットも無く増大する他、変換しやすい生命エネルギーを自動で生産出来る為、配下の樹木魔物を生み出しやすくなる。
ちょっとした強化だが確かな一歩である。
また、白い夜の神話を再利用し、適当な創世神話をでっち上げた。
本来のあらすじだと、ユース神が人の悪徳に愛想を尽かして隠れ、そのかわりユース神の一側面であるグァラン神がにょろっと出て来て世界を終わらそうとして、ユース神の妹であるラノン神と戦うと言うシナリオだ。
これを、ちょっとだけ手を入れ、ユース神は死んでいない事にした。
元々お隠れになられただけなので、別に死んでないからね。
そして、ラノン神がグァラン神を弱らせる事でユース神が復活する様にした。
これは要するに、グァラン神の不死身の権能を弱体化させる措置だ。
そう、不死身は発動しない。何故なら死ぬ前に負けるから。
これで、結果が記されていない白い夜の戦況がラノン有利になった。
更に、倒されたグァラン神をラノン神が吸収する仕様に変更。
こっちは、元々ユース神が持っていた太陽の神権と月の神権。その内月の神権を支配するグァラン神をラノン神に吸収させる事で月の神権を移し、相互作用する光と闇を切り離した事で闇の弱体化を行い、その上でユース神とラノン神が兄妹神である事を利用して、ユース神とラノン神だけが相互作用により強くなる様にした。
縁の結び目を解き、繋ぎ方を変えた訳である。
ダメ押しでラノン神の部下、見えざる巨人ナァトのリーダーをネィトに。新たに作った部下、見えざる小人ヌォンのリーダーをノーンにした。
筋書きは大して変わらないが、最終的には兄妹神で所謂死と言う物を乗り越え、生まれ変わった世界を統治すると言う、至ってシンプル且つハッピーエンドなシナリオだ。
これを僕の配下全員に頒布し、3人ともう1人の中にある神性の形を変える。
信仰と言う程の強固な意志は無いが、認識しているだけでも十分な効果があるので、直ぐにでも結果が出るだろう。
3人はこれで良いとして、次はルメールだ。
渡したのは、マジックツリードロップ。
意志に応じて進化する、七色の豆。
その構造から、常態なら300。十分な魔力を用意すればレベル500代程度の力を持つ何かが生み出せる強力なアイテムである。
その豆全てを解体し、その構造を組み合わせ、星珠にも匹敵する魔力を流し込み、一つの技能力を形成。魂魄の武装として確立し、ルメールに装着した。
能力の詳細は、一定期間を掛けて作られるマジックツリードロップと同じ様な構造を持つエネルギー結晶をストックしておけると言う代物で、即ち生属性魔力よりも使いやすい魔力を大量ストック出来る様な物だ。
後はそれを使うルメール次第である。
天殻樹本来の姿を顕現させる事も出来るし、イェガの様な巨大ゴーレムを作り出す事も出来るし、強い配下を多数生み出す事も出来る。
必要なのは、時間と貯蓄のみ。
……イベント戦は仮想世界での戦いなので、長期間の溜めが必要な物を何度でも試す事が出来る。
神気含む必殺級の術の行使にもってこいの環境だ。
最後に、森海の主の重戦車こと、砕牙竜・ザヴァンと白塵竜・ヴァラン。
こちらは、区画整理の際に回収した竜属性魔力をそのまままるっと流用した。
竜寝殿で最も広かった森エリアを一挙伐採し、無秩序に広がっていた地下の迷宮を解体して再設置、アレコレと不要な部分を魔力分解し、丁寧にきっちり整備した際の余り魔力である。
これにより、61体の樹竜は強固な肉体と高質の竜玉、結晶質の双角を獲得し、全員が竜王級の力を得るに至った。
信仰的に特に優れた番の2体は、神話の変化によって最終的にラノン神の部下となる為、死の神性が弱まって月の神性が優勢になり、双角が銀の輝きを纏っている。
次の強化対象は、夜闇の魔女のサキュバス達と夢明の研究者の悪魔達。
経験値の分配をしていた為、昨日今日の狩りで十分な経験値を得ていたが、取り敢えず粉や飴でレベル300に統一。全員を悪魔王と淫魔女王に進化させた。
これで、雑兵共も少しはマシになったので、次は一部配下の強化だ。
具体的には、蛇達である。
先ず、ディルヴァには竜の胎動を与えて能力の拡大を行なった。
無尽蔵に増殖し、破壊を撒き散らすのが彼が持つ能力の本来の姿だ。
ニュイゼには、いまいち使い道の無い大地の石を改造した自領域を与えた。
黄金郷めいた装飾を施し、アウロラが自在に操れる武装を配置、外敵を誘い込んで叩き潰せる仕様である。
風天蛇君には、ニュイゼ同様に改造した遊雲城の自領域を与えた。
それに魂の方を改造した魔力流動体、唄う風を封入し、領域の管理を任せた。
デカ蛇君には世界蛇の蛇眼珠が適合したので、それを捻じ込んだ。
そのおまけで、緑の瞳の力を使わせて世界蛇の夢幻鞭と大怪蛇を融合させ、無数の蛇を使役出来る様にした。
一方デカ毒蛇君には、世界蛇の蛇装を解体して魂に仕込んだ。
これにより、保持魔力容量の増大と共に更に高度な毒魔術を行使出来る様になった。
そのおまけで、鱗には回収したヨルムンガンドの魔力結晶、毒と竜の力を持つそれらを丹念に練り込み強化を施した。
また、世界蛇の煌刺又もどうせ使わないので、メキメキ分解してマレの角の補填に使った。
すり潰した角の因子、ラニに全部あげちゃったからね。
一応この武器も同じ因子を持っているので、補填としては十分だ。
後は時間を掛けてゆっくり直して行けば良い。
ラニにはヨルムンガンド結晶から回収した魔力の中から竜属性のみ抽出して捻じ込み、ジオには毒属性を魔力に分解した物を捻じ込んだ。
これで当座の強化は完了。
試練の武器の魂を改造しまくったので、結構な消耗になったが、天空に大戦力が控えているので問題はない。
イベント、迷宮、防衛、全てに、必要十分な戦力を配備した。
イベント開始が実に楽しみである。




