第22話 モノ作り
第八位階下位
イベントに向けての方向性が決まり、4〜5時間程度暇な時間が出来たので、早速研究と実験と開発をして行く。
昨夜の内にワクワクしながら沢山準備をしておいたので、溜まっていたタスクを一気に処理出来る。
先ず最初に取り掛かったのは、弱っちい人形の迷家のドールとゴーレムの改良だ。
このままでは、万色の人形城を攻略する際、そのまま肉壁的雑兵にしかならないので、手を加えて少しでも良くしようと思う。
材料は、シャクナ討伐報酬。虹晶冠から回収した高濃度属性魔力。
これを用い、六属性各5体ずついるゴーレムを精霊金属から大精霊金属へ格上げ。
経験値粉をぐりぐり練り込んで、レベル150から2倍の300まで押し上げた。
これで少しは役に立つだろう。
続けて、僕や黒霧と共に戦った129体の先達ドール達。
様々な属性や形状に分化していた、と言うよりも多様性と対応力の都合上分化せざるを得なかった彼等を、模倣作成した劣化神血と虹晶冠の残り魔力、経験値粉、及び肉生成の為のエント水やララ水を用い、進化させた。
それはオートマタの様に半機械、または半肉体の体を持つが、その両方に劣化神血が流れる機構人類の様でもある。
強いて言うなら半端者。どちらでもない名無しのそれには、機鋼人と名付けておいた。
残り1,000体のドールは、マシナリアの進化に合わせ、エント水とララ水、及び竜寝殿の大結晶から回収した魔力を用い、オートマタに進化させた。
全体的なブラッシュアップの次は、極一部の強化。
複数のゴーレムを合体させて演算力を補っていたゴーレム、スワンプ、フォートレスシルダー、ロボティクスの3体を、本格的に作り直す。
先ず、バラバラだったコアを統一。
水の体を持つスワンプゴーレムには、少し考えた末、竜寝殿で大量に確保した龍頭魚、鰲魚の…………余り部位を纏めた物を与えた。
一番強い角部分は、研究の為に下げ渡してしまったので、弱い鱗やヒレと赤身肉しか残ってなかったのだ。
まぁ弱いとは言え、竜属性を含有する鱗を錬成でゴリゴリ纏め上げて調節した代物なので、竜王級の力は有している。
それらを媒体に、スワンプゴーレムのコアを再生成し、完成。
名前はドラゴン・ゴーレム。
浮遊する水の球体の中に青い龍が泳いでいる様に見えるが、実際は水も体の一部であり、飛び込んだら最後、物言わぬ藻屑となる。と良いな。
ちゃんとコアの竜も水中を動けるし、強固な体と牙を持つし、僕メイクの回路を刻んだ龍角もあるので魔法も使えるし、ブレスも吐ける。中々良い仕上がりだ。
ロボティクスゴーレムは、元々の仕様通り、体を分解出来る様にしてある。
此方は、コアこそ明確だが、分解される体に子機を埋め込み、遠隔でも問題なく操作出来る様にしてある。
肉体は他のゴーレムと同ランクの魔王鋼。
巨体と強固な肉体は単純に脅威だが、的が大きいと言うのも間違いでは無い。
まぁ、それも込みでの引きつけ役である。
武装としてイェガの主砲をデチューンした物を搭載した。
砦攻めとか城攻めの時に活躍するだろう。
フォートレスシルダーゴーレムは、形状を大きく変更した。
元々が多数のギミックを持つ壁であった所を、コアだけにしたのである。
その詳細は、リオンの討伐報酬。ロジッククリスタル、武装都市核の付与だ。
これは、砦を生成して武装を自由に取り付けられると言う、攻勢城塞作成に特化した迷宮核の様な物で、魔力と時間さえあれば、防御面では結構な強さを発揮する。
差し当たって、そのコア内部を空間魔法により拡大し、今までの体やちょっとした金属と木材等、砦の材料を入れておいた。
新たな名前は、アーマメント・ゴーレム。
経験を積んで行けば様々な場面で頼りになる存在になると思われるので、期待しておく。
さて、続けて……兼ねてから考えていた事がある。
クラウの事だ。
彼女はルムや白夜を従えており、類稀な魔力操作能力を持つが……2人と違って大きな攻撃力を持たない、もといパッとしない事を、ちょっとだけ気にしてる様なのだ。
という訳で、折角なのでこの機会に、思考する神血を設計する。
エヴァ・イコル、ミシュカ・イコル、劣化神血のデータから、基本のイコルをぱぱっと作成。
それに各々の因子をおり混ぜ、僕手ずから調整を施し、それぞれにビリオン単位のMCを投じて金属を生成、イコル化させ、クラウ含む全13人のオートマタに混ぜ合わせた。
完成したのは、機構人類。
これで、クラウ達は準エヴァ級の力を得るに至った訳である。
もう引け目を感じる事は無いだろう。
……これでエヴァの繁殖欲求も多少は抑えられると良いんだけどね。
折角イコルの設計をしたので、この波に乗り、もう一体分のイコルを作成した。
……金の卵を産む雌鳥量産計画。それを、当初の計画から大幅に変更した形で実行しようと言う企みの礎だ。
材料は、ダイヤの王に貰った本『誰が為の富か』。まめちゃんから貰った神珍鐡合金の鎚『打出の小槌』。ジャックから、もとい天の巨人から貰った金属が増える袋と金の卵を産む雌鳥像。
これらに加え、残り3つある人形の宝珠をベースに、数が心許ない形代金を使い、おまけで空っぽの虹晶冠を仕込み、抽出したり複合したり魂を繋いだりして、完成。
金属ベースではあるが、変幻自在の形代金とその他の神霊金属の合金であり、何者にもなれる。
前回作ったペルセポネと似たコンセプトで、大量の魂魄の代用品としてイコルを使っている。
ディザイア LV604
髪の色はダイヤの王の因子に引っ張られたか金髪。虹の輝きを持つ双角が側頭部から生えている。
目はダイヤの因子と僕の因子を受けたからか綺麗なブルースピネル。
能力は、シャルロッテが持つ聖宝創造の力に近く、様々な財宝を生み出し、それにゴーレムとして命を与える事が出来る軍団生成系。
これにより、頑張れば独自の神話を獲得出来る様になっている。
「ディア、調子はどうかな?」
「おほほ? くるしゅうないですわ?」
「それは良かった」
……まぁ、いきなり言われても分からないよね。
差し当たってディザイアは黒霧に預け、比較的弱い敵の多い深淵に向かわせた。




