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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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第16話 香り立つ赤い花

第八位階下位

 



 次のイベントに向けて暇潰しをしていた皆に連絡し、空間魔法を用いて召喚した。



「それじゃあ説明した通りに。魔力を探知して潜む強敵を探してね? 報酬はクエストの他にポイント制で管理するから、奮って参加して欲しいな」



 それぞれの返事が地底湖に響き、狩りが始まる。


 僕の感知した所によると、強い個体は8体程。


 ……より詳しくサーチした所、それ以外にもう一つ、この地底湖の上に妙な気配を感じ取ったが、それの確認は後で行なおう。



 僕の仕事は、名もなき蟹君を手のひらに乗せ、地底湖の中心でそれっぽく瞑想する事。


 蟹君と僕の縁を繋ぎ、僕の知覚力と吸収力を利用して、本来の蟹君の回収範囲を遥かに超越する領域を展開する。

 見る人が見れば、地底湖に巨大な魔力の渦が発生している事が分かるだろう。


 特に魂の領域に関わる事なので、少々の神気や信仰を利用している為、楽に見えて結構大変な作業なのだ。


 まぁ、僕の修行にもなるし、中々面白い状況なので観察もする。


 蟹君は力を取り戻せて嬉しい。皆は報酬が貰えて嬉しい。僕は蟹君と皆が嬉しくて嬉しい。あと未知の研究にもなって嬉しい。三方良しである。



◇◆◇



 ユキさんの紹介で、クエストに参加する事になった。


 さっきは無様を晒したけど、今度はそうはいかない。

 ……って言いたい所なんだけど……お姉ちゃんとかマシロさんとかシキナさんとかがいるからちょーっと厳しいかなぁ?


 その上で可能な限り高得点は取りたい。


 魔力感知を働かせ、付近の強い気配を探る。


 見つけた! と思った頃には、マシロさんとかタクさんとかが既に向かっている状況の中、幸運にも誰も向かっていない強い獲物を発見した。



「よーし!」



 浅瀬を走り、バシャバシャと水を掻き分けて、一気にそこへ向かう。


 そこにいたのは、私の身長よりも高いメタリックな身体を持つ蟹。

 その両腕は大きく重そうで、直撃したら流石にやばそう。



「先手必勝! ばんばんばーん!」



 拳銃と予備の銃を抜き放ち、基本の魔力弾を撃った。

 カンカンカンと軽い音が鳴り、弾が蟹の甲殻を滑る。


 やっぱダメか。湾曲してるし、鉄板みたいな感じだったから無理だとは思ってたけど。


 ……よく見たら傷は付いてるし効かない訳では無いかな? それなら……!



「弾丸形成。属性は……火かな? 魔術構築、刻印、爆裂弾……良し!」



 巨大な爪を振り上げて、そこそこの速さで此方へ向かって来る蟹。

 そのうぞうぞと動く脚へ銃口を向け——



「——爆ぜろ(ファイア)!」



 ——燃え上がる赤い花が咲く。


 轟音が地底湖内を反響し、砕けた石や金属片の様な物がパラパラと飛び散る。



 ……あっぶな。これ、地下でやっちゃダメな奴だったかな? いやでも広いから大丈夫か。それにユキさんいるし。


 崩落の心配が無くなった所で、土煙が晴れて来た。



「おぉ……」



 そこにあったのは、片方の爪が半ばまで弾けた蟹の姿だった。


 嘘でしょぉ……? こんな蟹に防がれるの? 結構魔力消費したのに……。


 ……そう言えばユキさん、ここの強い個体は僕をして手間と感じるくらい強い個体の力の一端を受け継いでるとかなんとか言ってたし、やっぱ強いんだなぁ。


 よーし、決めた! 近々ユキさんに弾を保持出来るマガジン作って貰おっ。


 その為にも……。


 向きを変え、此方に巨大な爪を向けて威嚇する蟹を見る。



「あんたには私の踏み台になって貰うからね……!」



 再度同じ様に弾丸を形成する。それを片方の銃に込め、もう片方には有効そうなただの火属性の弾を込めた。


 爆発系の弾、コストキツいからなぁ……現状だと、銃自体の予備魔力も含めて3か4くらいしか作れない。

 ペース配分を考えるなら爆弾は2個まで、あとは牽制用の弾と身体強化に使うべき。



 火弾を撃ちながら接近し、蟹の振り下ろしを跳んで回避。

 バゴンッと凄い音がなって、床の岩がバッキバキに壊れた。重機かな? ヤバすぎ。


 感覚的には多分、打属性の闘気を纏ってる。


 そんな考察をしながら、先ずは一つ、目を頂く。



「あはっ」



 パンッと乾いた音。


 弾ける蟹の目玉。


 軽く魔力を纏わせた足で蟹の甲羅を蹴って反対側に着地する。

 その間に構築した弾丸で、今度はもう片方の目玉もバンッ。



「あははっ」



 さぁ次、蟹がめちゃくちゃに暴れて逃げようとするので、爆弾で脚をバンッ。

 思ったより砕けなかったけど、片方の脚は無くなった。


 蟹が魔力を奮わせ、爪を地面に思い切り叩き付ける。


 グラリと揺れが生じ、広範囲にひび割れが起きる。


 おこな蟹に飛び乗って、無意味な揺れを回避。甲羅の割れ目に両方の銃口を突き込んで——



「あははははっ!!」



 ——バンッバンッバーンッ!!



 飛び散る肉と、青い液体。焼けて焦げる、芳ばしい香り。



「——ははっ…………もう終わりなのぉ?」



 ビクビクッと痙攣し、大きな蟹は、もう動かない。



「むふぅ……」



 揺蕩う煙の中、余韻に浸り、敵の様子を思い出す。


 ……そっか、強い敵は魔力の流れを見てもダメなんだなぁ。強化しなくても元が強いから。


 甲殻が硬いのも魔力による強化ブーストじゃなくて、元々長い時を掛けて強い魔力が練り込まれているからで、となると……やっぱり魔力の流れを見ての先読みは同格か格下にしか効かないと考えるべき?

 ……いやでも大技を使う時とかは大きな魔力の流れがあるし……まぁ、達人級の敵に対しては魔力の流れを注視するより普段通りにしていた方が良いって事かな?



「……うん。次はそれで行ってみよう!」



 それはそうと、これで幾らかな? マガジン作って貰える?



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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