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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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第15話 地底にキラリ

第八位階下位

 



 さて、次の白チケットまで時間があるが、今日は竜寝殿を襲ったり整備したりと大変だったので、あまり消耗したくないしさせたくない。


 特にこれと言って予定は無いので……兼ねてから気になっていたアレ(・・)を確認しに行こう。





 内心傷心中のシロを連れて、気になる旅に出た。

 最初にインヴェルノの地下墳墓に行ってみたが、残念ながらハズレ。


 最初の印象通り、彼はその役目を僕に受け渡し、永遠の眠りについたのだろう。



 シロと一緒に花を添え、ちょびっとだけ心の中でお話しをしてからその場を後にした。


 ……ミシュカが生きてて良かったね。



 そんなこんなで、次に向かったのは地底湖。



 目的のブツを探す為、良くサーチする前に、直ぐに異常に気付いた。



「むむむ」

「……? あれは……岩……ゴーレム? いえ、蟹……?」



 そう蟹だ。


 それも、岩で出来た蟹だ。


 岩蟹だ。



「むむむむむ」

「遠くてはっきりとは分かりませんが……強い魔力を帯びていますね」



 サイズは大した事ない。一抱えあるかどうかと言った所だ。


 内部にはコアと思わしき存在がいる(・・)


 だが、問題はソイツじゃない。


 この地底湖のあちこちに大きな力を持つ蟹達がおり、更に敵の平均レベルが向上している。

 精々レベル10代程度だが、強い者は50近い。


 ベルツ大陸時代のランク設定を参考にすると……ざっとC級魔境と言えるレベルになっている。

 元が大きく見積もってもE級程度だった事を考えると、大き過ぎる環境の変化だ。


 アンデット組を迷宮探索から帰還させてから殆ど放置していたが……まさかこんな事になっているなんて……。


 幸い、王都を守護する為のエネルギー源である大結晶は無事だ。寧ろ魔力が想定より多く補給されている。


 原因は……結晶(クリステア・)大王蟹(アークキング・クラブ)の死である事は明白。


 おそらく、死亡した時に拡散したエネルギーが地底湖の生物、とりわけ蟹達に吸収され、時間を掛けて強化された他、地脈の活性化も無関係ではないだろう。

 拡散したエネルギーが呼び水となって、地脈のエネルギーが地底湖に噴出したか。


 このまま放置すれば、多分B級くらいで落ち着くだろう。



「まぁ、取り敢えず……マシロ、アレを倒してみて」

「分かりました」



 剣を抜き、浅瀬に入るマシロを見送り、僕は目的のブツを探す。少し目を凝らすと、目的のブツは直ぐに見つかった。


 ふむふむ……これは……また面白い事になって……。


 マシロがぱちゃぱちゃと水を跳ねさせ、一息に岩蟹に接近すると、岩蟹もそれに反応してマシロに鋏を振るった。

 マシロはそれを軽く避け、斬属性により切り落とす。


 即座に蟹は逆の鋏を振るい、マシロはそれを回避、闘気を宿した蹴りを撃ち込む。

 胴体に直撃したそれはしかし、蟹の練り上げた闘気により防御され、ヒビ一つ入らない。


 マシロの隙を突いて、破壊の闘気を宿した鋏を振るうも、マシロは回転しながら飛んで回避、着地と同時に跳ねる様に蟹へ接近し、斬撃でもう片方の鋏と足の何本かを切り落とした。


 即逃走を図った蟹はしかし、マシロの投擲した剣で足を粉砕され、接近したマシロに胴体を蹴り砕かれた。


 次の刹那——


 ——砕けた蟹の胴体の隙間から光る何かが射出され、湖へと落ち——



 ——る前に僕が念動力でキャッチした。



 一瞬泳ごうとした後、ジタバタ藻掻くそれを手元に引き寄せる。

 それは僕の手のひらサイズしかない、小さなイキモノだった。



クリスタルクラブ LV32



 透明な結晶で出来た、ゴーレムの様な魔物。


 コアは無いが、強いて言うなら魂がそれに該当する。



 コレが、目的のブツ。


 ——結晶(クリステア・)大王蟹(アークキング・クラブ)の転生体だ。



 肉の体に宿らない事で、こんな短い期間で転生を果たしたか。

 てっきり魂のまま彷徨いているか、または死に切って拡散してしまったかと思っていたが……。


 やはり、レベル800近いと予測される生物の強さと言ったら半端では無い。

 魂の8〜9割を搾り取られても、負けじと蘇るのだから、正気の沙汰では無い。



 取り敢えずテイムだ。


 レベルこそ下がっているが、記憶や刻まれたスキルは殆ど失われていないだろう。


 だからこそ、死の原因となった僕に対し反発があったものの……まぁ、ぐりぐりと、ゴリゴリと、現状最も得意であろう魂の戦場で虐めてあげたら、間も無く陥落した。


 しょぼーんと萎びるクリスタルの蟹に、チュッと軽いキスを落とす。虐めてごめんよ。



 寄ってきたマシロに、蟹を見せる。



「お疲れ様。ありがとね」

「はい……それは?」



 僕の唇を見詰めつつ問うマシロに僕は微笑んで見せた。



「神になる獣さ」

「…………うーん、分かりません。少し強い様ですが……確かに結晶としては今まで見た中でも最高ですが、神になると言う程ではないと思います」

「うんうん……そーなんだよねぇ」



 僕は辺りを見渡した。


 この地底湖の各地に、力を得た強個体がいる。


 何から力を得たか? 結晶(クリステア・)大王蟹(アークキング・クラブ)からだ。


 つまり、彼の器はここにあり、それを満たしていた力は、複数の小さな器に注がれた。

 おそらく、スキルの断片や記憶の一部も拡散した物と考えられる。


 ここから効率的に力を取り戻すには、拡散した力を回収する方が良い。



 即ち——湖掃討戦だ。



《【伝説(レジェンド)クエスト】『大王継承戦争』が発令されました》



「……クエスト」

「……皆も呼んどこう」



 まぁ、銀の力がより大きな銀に引かれる様に、彼の力も彼の魂に引かれる。

 近くで敵を倒せば、スキルや記憶と言った強力な欠片は彼の元に戻るだろう。


 それに、皆も次のイベントまで暇だろうしね。巻き込まれて貰おう。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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