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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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第6話 信頼故に

第八位階下位

 



 雑魚の殲滅作業を一時取りやめ、外壁沿いに集まる皆。


 そう待つ事なく、それらはやってきた。



「ちっ……そう言う事もして来るのね」

「マジか……こりゃあ面倒いぞ」



 ザッザッと足音だけが響く。


 一部の子が青い顔でそれを見ている一方で、何名かは戦意を滾らせている。



「……多過ぎ」



 ——現れたのは軍勢。



 外壁内のドール達が隊列を組み、最前列の盾持ちに合わせて、ゆっくりと進軍して来ている。


 皆はそちらに目がいってる様だが……音の反響から鑑みるに、逆側からも来ているぞ。

 十中八九、無貌のアガーラ等の隠しボスユニットには指揮能力があるのだろう。


 さぁ、皆はどうするのかな?


 そんな気持ちで見ていると、アマネが溜め息を吐いた。



「はぁ……まさかこんな手前で切り札を切らされるなんて」

「……仕方ない」



 リナが慰める様に微笑み、その英断を支持する。

 2人してチラッと僕の方を見るのは御愛嬌である。ニコリと微笑んで手を振ってあげた。何も考えてナイヨ。


 方やはぁっと深く溜め息を吐き、方やニヘッと笑って手を振り返す、そして状況は動き出した。





 放たれたのは矢の雨。魔力で形成された無数の矢は一瞬の内に千のドールを貫き、その半分以上を機能停止に追い込む。


 ふらりと立ちくらむリナを支え、次の刹那、放たれた1発の矢が大爆発した。

 爆音が反響して響き渡り、大きなクレーターが生じる。


 被害はざっとドール100。更に500近くが衝撃波で損壊し、付近の全ドールが転倒する。


 嘘みたいな光景だが、それをやった当人アマネはリナよりも重傷で倒れ掛けたので、取り敢えず支える。

 これで神器ではなくデチューンした武器なのだから、本人達の地力が透けて見えると言う物だ。


 瞬間的に演算力を酷使し、魔力もすっからかんの2人は、暫くは戦えない。

 身体強化を行使して2人を壁際に連れて行き、休ませる。


 そうしてる内に、次の指揮官に内定していたキリサメが殲滅の指示を出し、前衛がドール達に襲い掛かった。

 間も無くドール達は殲滅されるだろう。


 と言う訳で、僕はキリサメをつんつんする。



「? ツキさん、何かありましたか?」



 僕はニコリと微笑んで、反対側を指差した。



「? ……!?」



 直ぐに気が付いたキリサメは、少し黙考し、僕を見詰めた。



「……ユキさん」

「ツキだけど」

「そ、そうでした……ツキさん、残敵の殲滅に加わってください。殲滅後直ぐに切り返して迎え撃ちます」



 2人の護衛は自分で十分と判断した様だ。



「じゃあ行って来るよ」

「はい、お願いします!」





 残り千程度の残敵は、健常な物が数体程度だったのであっさりと殲滅し終わった。


 僕等が戻らぬ内から、既に敵影は見えていた様だ。


 戻る頃には、その全貌が見えていた。



「ふむ?」



 その総数は、先程と同じ程度。僕が首を傾げたのは、その中に一体奇妙なのが混じっていたからだ。



猛獣使いエラン LV?


猛獣のゲッシュ LV?



 猛獣使いエランは、他のドールと殆ど同じ姿をしているが、武器が杖なので他と違う事は一眼で分かる。


 肝心の猛獣のゲッシュは……人の背丈の倍程はある大きなゴリラ型ドールだった。


 レベルは多分30程度だと思うが、単純なパワーや保有魔力量は他と比べてかなり大きめ。

 戦闘力と言う点では、レベル45のボスである鎧にも迫るだろう。



 敵軍は戦場の惨状に気付いたか、少数を捻り潰す為の密集陣形を変更、およそ2000の兵士を分散配置した。


 ……どうやら、ボスユニットには視覚の様な器官があるらしい。



 対する此方側は、足手纏い2つを背負って戦うのは難しいと判断した。


 即ち、防御を固める安全策ではなく、個々の戦力を最大限活用する白兵戦だ。



 キリサメは戦場を9つに分割した。


 敵の後衛右、左、中央に、中、右、左、中央、前衛の右、左、中央だ。

 その内、後衛はおよそ300程度の弓持ち。中800程度は槍と剣、前衛が同じく800程度の大剣と大盾。巨大ゴリラがいるのは右前である。


 此方の配置は、先ずボスユニットである猛獣使いエランとその猛獣を倒す為、右前にマガネ、アラン、桜庭姉妹を送り出し、左前にミサキとノアちゃんを出した。

 僕は前中を担当し、キリサメがその最終防衛ラインとなる。



 ……まぁ簡単に要約すると、敵の後衛を倒せる者がキリサメだけになってしまった為、防衛戦だと後衛の処理が追いつかない。

 要保護対象がいる状況で防衛を頑張っても、敵にはやたらとパワーがありそうなゴリラがおり、それを真っ向から受け止められそうなのはマガネだけ。他の場所に突っ込まれたら止められないと判断した。


 そう考えた結果が、弓兵を無力化ないし利用する為の白兵戦であり、真っ先にボスを潰す布陣である。

 僕の役割は、キリサメと共に前中を足止めし、左右の殲滅が終わるのを待つ事。



 さぁ、ここが正念場だよ。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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