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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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第31話 そこは盤上

第八位階下位

 



 暫く白い世界を進んでいると、急に景色が変わった。


 見えるのは、湿地帯の様な場所。


 白い花を咲かせる水草が生え、マングローブの様な木が立ち並ぶ。

 水の流れが早い所、遅い所、深い所、浅い所、淀んだ泥水、澄んだ小川。


 魚にカエル、虫、ワニの様な奴や大型の哺乳類等、色んな生き物がいる。


 見覚えがあった。そう、人形魔女の迷宮の最深部、湿地帯エリアだ。


 真っ先にこの景色が見えたのは、それがオリ白蛇君の原風景だからだろう。

 そして、本体が近い証である。


 襲い来る小さな白蛇を倒しながら進むと、場面が切り替わる。


 相対するのは黒い蛇の魔物。


 間違いない。邪神竜の欠片だ。


 かつてのオリ白蛇君はそれと戦い、喰らって進化した。



 また、場面が切り替わり、次に見えたのは……おそらくクランゼル王国から西に行ったところか?

 オリ白蛇君の視点から見える物は、破壊し尽くされた様な山と、クランゼル王国を南下し始めた黒い多頭蛇。


 オリ白蛇君はそれから逃げる様に、西の海へ飛び込んだ。


 断片的な感覚の記憶と僕の知る情報を組み合わせるに……南にはアシュリア、北には火属性の結晶を生やす巨大蟹がいるので、両者の強い気配を感じ取ったオリ白蛇君の逃げ道は西にしか無かった。



 そこからは、漏れ出る記憶の残滓があまりに少なく、情報が殆ど拾えなかった。


 白い空間に映る虫食いの視覚情報や微かに取得出来るその他の感覚から……ベルツ大陸西の海域でオリ白蛇君が次々と海魔を喰らい、進化して行っているのが分かる。


 だんだんと記憶の残滓が無くなって行くのは、オリ白蛇君がそれだけ強固に自己を維持している証。

 要らない記憶や大きな記憶が少しだけ漏れ出ている。


 少し進むと、大きな記憶の欠片を見付けた。


 映っているのは……黒い力の塊。


 少しの警戒する気持ち。しかし、直ぐに自分を喰らった負の力では無いと気付く。

 これ幸いと、オリ白蛇君はそれを食べた。



 唐突に、新たな風景が浮かぶ。



 大空を覆う巨大な積乱雲。


 その中にある大きな浮き島。


 その深部に安置された、強大な神獣の力を秘める黄色の宝石。



 場所は……南。ある大陸の近く。



 オリ白蛇君は、迷わず南へ進路をとった。



『……』



 …………これ、ディアリードじゃん。


 黒い力の塊は、少しの竜属性を帯びた悪魔の宝珠(デモン・オーブ)

 おそらく悪魔竜ベルゴに埋め込んだ悪魔の宝珠(デモン・オーブ)を回収した物か。


 玄帝玉がイヴに預けられた事を知り得るのは、当の2人を除けば数が限られる。

 眷属にすら知らされていなかったのだから、それを超える程に強力な存在しか知る事は出来ない筈だ。


 即ち、熾天使アシュリア、魔皇ルヘーテ、悪魔皇帝ディアリードの3人。


 手を出すのは困難だが、知る事は出来ただろう。

 手を下すのは困難だが、誘導する事は出来ただろう。


 ディアリードは魔王(ぜつぼう)を作り勇者(きぼう)と戦わせて勇者(きぼう)をより強く輝かせる様なお仕事をしていたらしい。


 この時代のディアリード的勇者は……多分七聖賢と五大賢者だ。


 ……結果だけ見ればものの見事に誘導されている。


 オリ白蛇君は、イヴとミシュカ氏が協力し、爺様やザイエもその戦いに参戦していれば、ギリギリ勝てる様なレベルだ。


 悲しいかなディアリードはあのシャルロッテでさえ詰めを誤り討たれる程の手腕を持つ。

 邪神竜との一戦で犯したミスは、偏に僕と言う異分子が唐突に現れたからに他ならない。


 つまり、ディアリードは幼神である僕に匹敵しかねない辣腕を振るい、今尚お仕事真っ最中と言う事である。


 ……シャレになってないぞ。


 この一件の裏にディアリードがいると言う事は、神獣フラトニルスが誘導されたと言う事で、それは即ち各地の神獣達すら盤上の駒に数えられている可能性が高く、そしてディアリードはお仕事真っ最中。



 ……落ち着け。良く考えよう。この時代のディアリード的勇者は誰だ?


 マレビトだ。


 マレビトに対する仕込みはされている筈だが、それも黒の大戦後、神がマレビトを召喚すると宣言してからの仕込みの筈だ。


 ……いや、そういえば賢神グリエルは爺様とザイエ+αくらいの難易度だったな。となると現代の五大賢者も勇者の内?

 ……多分ティアも勇者判定を受けてそうだし……かなりの数の勇者候補がいるのデハ?


 …………現代でも、ディアリードにとって僕と言う存在は盤面を覆す異分子の筈だ。奴は勇者以外の犠牲は仕方ない物として寧ろ推奨している感があるし、僕がどうにかするしかない。



 決意と共に見上げた僕の視線の先に、あまりに巨大な白の神蛇が現れた。


 先ずはオリ白蛇君を下す。


 話はそれからだ。



『行くよ、白蛇君』



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
― 新着の感想 ―
[一言] なるほど、D(だいたい)D(ディアリードの)S(せい)か。
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