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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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第14話 兎駆ける

第七位階上位

 



 ほぼ同時に突入したのに、雲を抜けた時にはウルルが陽炎竜を蹴散らしていた。



「……むぅ」

『あら、御早い。此方も負けてはいられませんわね!』

「……うむぅ」



 大物を取られてしまった。


 ユキともう一度合体するには相応の戦功がいる。

 仕方ないので竜の群れへと飛び込んだ。


 亀の竜が立ち並ぶそこに滑り込むや、それなりの威力の蹴りで甲羅を砕き、瀕死の重傷を与えて放置する。

 倒れた敵は黒霧が回収するから気にせず倒して回る。


 単純なルーチンワーク。雑魚処理も数を稼げばそれなりの戦功。

 ご褒美に期待。


 強い気配。次の獲物が来たかと空を見上げれば、ミールが青い竜とぶつかりあっている。


 致し方なし。雑魚狩りを再開する。



『ぎゃあぁー!!』

『なんたる強さっ、我等の甲殻をこうも容易くっ!?』

『とても敵わぬっ、宗主様を——げぶっ』

「ふむ?」



 暫しつまらない狩りをしていると、聞こえて来たのは地響き。


 地表を舐める様に3つの強い気配が近付いて来る。



『メイドールが次席、フタが願い奉る、偉大なる神獣よ、御照覧あれっ!』



 木々を突き破り現れた竜。その突進を片足で受け止めた。


 見た所樹木の竜。

 捻じ曲がった双角、体内を循環する強大な生命力、真奥に宿る竜玉の輝き。


 どれをとっても大物。当たり——


 横合いから振るわれた大鎌の一撃を浮かせた剣で受け流す。

 同時に逆側から突き込まれた一角を旗で払い除けた。



『珍しい昆虫の竜種ですわね。ユキちゃんもきっと喜びますわー!』

「……そう」



 カマキリとカブトムシらしい。方や大鎌を持ち、方や巨大で鋭利な角を持つ、堅固な甲殻と鱗の生えた巨軀の蟲竜だ。

 両者、樹木の竜に負けず劣らずの大物。


 3匹も狩れば戦功としては十分だろう。



『がぁぁっ!! 死にやがれぇっ!!』

『此奴、強い……!!』

『私が抑えようっ、主等はその隙を打てっ!』



 角と鎌の攻撃を避け、払い、受け流していると、次の瞬間——突如飛来したルクスが二匹の蟲竜を掻っ攫って森に飛び込んで行った。



『なっ!?』

「……ちっ、横取り」

『まぁ……』



 間抜けにも硬直する樹木の竜の顎を蹴り砕く。



『がっ!?』



 大きく上体を逸らした竜に、鎚を叩き込んで吹き飛ばした。


 ……さっさと始末すれば持ってかれなかった。反省。



 さぁ、次の獲物は——


 そう、背中を向けた刹那、木々を突き破り、最初と同じ様に樹木の竜が飛び出して来た。



『舐めるなぁっ!!』


「——……知ってる」



 膨大な魔力と生命力に物を言わせた全力チャージを、十分に練り上げた気を宿した回し蹴りで迎撃する。


 一瞬の拮抗もなく振り抜かれた足。


 竜、それも相当な大物の全力は、確かに大陸を揺るがし得る力だった。


 ただ——それはあまりに大雑把過ぎ。


 敵の竜が纏う神気は竜を大きく強化し、瞬間的な出力も大幅に上げた様だけど……自力で扱えていない様子。

 ただ神気を呼び寄せ、それを活性化させているだけに過ぎない。


 神気の操作が出来ない相手に正面から押し負ける道理はない。


 竜の全身を強化している神気に倍する力を込めた回し蹴りは、竜の頭部を砕き強固な角や甲殻に深刻な罅を入れ、遥か森の奥まで吹き飛ばした。


 ……それでもまだ、死んでない。


 それだけの強大な生命力を、あの竜は保有していた。



『追いますの?』

「……当然」



 仕留めるまでが戦功だから。それはそれで次の獲物は探すけど。


 倒れた木の道を駆け出すと、ダイヤは訝しげに呟いた。



『……殺さず、生捕りでしてよ?』

「…………まさか」



 ダイヤは今の一蹴りでもう倒したと言ってるみたいだけど……そんな事はない筈。

 だってレベル600は霊験門(イニティウム)を越えんとする者の領域。


 たかが頭を潰されたぐらいで死ぬ道理はない。


 ……それとも、ここの竜達はそれほど無能だとでも言うの?



 移動しながらも思考を続けていると、それは起きた。



「むむ……」

『あら?』



 地響き。いや、轟音。


 頭上を隕石の様な何かが通り過ぎ、浮遊島全体が少し傾いた。


 大きな力だ。

 赤の竜や青の竜、雲の竜に匹敵し得る強大な力。


 戻ればそれをやれるかもしれない、進めば生きているであろう竜を瀕死に追い込めるかもしれないが……既に瀕死かもしれない。


 迷いは一瞬。


 即座に追撃に移ろうと島の奥へ視線を向けた瞬間——



 ——飛来した何かを咄嗟に蹴り飛ばした。



『うさちゃんですわ』

「む?」



 ……うさぎ?



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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