第35話 成果はここに 三
第八位階下位
ワンワン軍団の成果を見ていこう。
先ず、ボスのネロ。
彼は、モルド同様に一芸特化だ。
闇の炎は鎧を溶かし、しかし大地は溶かさない。
威力は絶大ながら狙いは正確。試しにヒヒイロカネの鎧も出して見たが、そこそこの抵抗はありながらもそれを溶融させた。
七匹のリーダー達は、それぞれの属性に特化し、属性魔力を練り上げる事で、単純な魔法の威力を向上させている。
他のわんこ達も仙気を扱える様になり、ワンワン軍団は名の通り一角の軍団となった。暇な時に軍団名を付けてあげよう。
三巨像さん達は、二重の魂魄を持っている、即ち宝珠や星珠、シリウスやレティ達の様な、演算補助が魂魄に搭載されている様な状態だ。
その為演算力には大分余裕がある様子で、仙気は勿論の事高純度聖属性の錬成も容易であり、金属体を強化して防御力をあげたり再生したりも自在であった。
神権も武技系とか防御系の概念をちょっと付けているだけなので、特化して何かが強いと言う訳では無いが、その戦闘力は上位迷宮のボスに匹敵し、技量と合わせれば準機神級と言ったところ。
常識もあるし、信頼できる戦力である。常識あるからね。
常識は大事だ。情報として知っていても、人の常識を獣が理解するのにはそれだけの期間を必要とする。
つまり常識は戦闘力よりも身に付け辛い代物なのである。
次は、常識のあるミルちゃん。
技のキレ。緻密な魔力操作。高い知能。優れた力を持つミルちゃんは、総合戦闘力で見れば、モルドの倍は強い。
流石にモルドに噛み付かれたらただでは済まないが、凡ゆる面でモルドを凌駕しているので、そもそも噛み付かれる様な状況にはならないだろう。
鎧はパンチで粉砕。ブレスで溶融。後は噛み砕いたり尻尾でぶん殴ったりとまぁ、単純に強い。演算補助付きの三巨像さんよりも強い。
多分一回死んでるのも強者足り得る理由だろう。
続いてアンデット組。
アッセリアとルーレンは、己の仙気、プロメテウスとパンドラの力に加え、神権の力を微かに使い、鎧を破壊して見せた。
対するその部下達は、アダマンタイトを破壊する事は叶わず、仙気を少し錬成して傷付けるのが精一杯と言った様子。
アンデット組は完全な死克では無いので、地力もやはり少し低いのだろう。
次、動物組。
ヴィーダ、四熊、六鹿、七猪。基本的には大差なし。
中でも、熊からは紅一点の鬼獄熊さん。鹿からは顕雷鹿、天閃鹿。猪からは金猪銀猪と仙猪。そしてヴィーダが頭一つ抜きん出ていたが……まぁ、ほぼ誤差みたいな物である。
蛇組は、僕の配下の中では十指に入りうる強者、ディルヴァと最も近くで戦って来た事もあり、一つ頭抜きん出ている。
狼家族は、ミュリアとルーベルが特別強いがそれ以外は他の子達と同じくらいだ。まぁ、娘が優秀だからかちょっとだけ強いけどね。
ゴーレムのアルフ君とルクス君は、方や焼き切り、片や捻じ切る様にして鎧を破壊。
ソルジャー達は仙気による斬撃で鎧に傷を付け、アーミー達は隊列を組みお揃いの竜殺武器で鎧を傷付けた。
単体の戦闘力ではソルジャー達に軍配が上がるが、アーミー達は群体で強化される為、隊列を組んでいる時はソルジャーと互角だ。
ワーカー達がお仕事でいないのが残念でならない。
次、アルナン。
寂しがり屋な所のある彼女は、ご機嫌取りをしてからの確認だ。
押せ押せでにぎにぎしたり密着したりすると、あっさり満足してく……いや、あっさりじゃないな、コレが普通だ。危うくメロットとウルルに騙される所だった。
アルナンに付与した神権は、豊穣や植物等の攻撃的では無い物なので、アルナンは鎧を傷付けるに留まる。
不満気な彼女を促し、次に大地に豊穣の力を使って貰った所、全てが森に飲み込まれた。
次、白雪。
白雪一行のセットで来て貰ったが、白雪に羞恥心は無かった。
もりっと成長して今やリナくらいの身長体格の白雪は、僕を執拗に抱きしめ、自己の属性魔力をグイグイ押し込んで来る。
本人はそこら辺無自覚っぽいが……吸うから与えるになったのは成長した証……だろうか?
白雪の凍結光線は、アダマンタイトの鎧に込められた高純度硬属性を破壊し、鎧を凍てつかせた。
単純な破壊と違って、一欠片に至るまで完全に硬属性が失われていた。
それはつまりアダマンタイトが凍り付いていると言う事で、元々金属が持っている属性すら失われているので、氷を破壊したら鎧も一緒に砕け散った。
氷白はそんな事は出来ない様で、凍結と破壊は出来ても属性はまだまだ生きていた。
後の狼君と冬将軍は、獣達やソルジャーゴーレムと同程度だった。
続いて猫代表レイーニャ。
雷と戦、猫の神権を僅かに行使し、猫の形の雷撃を放つと、鎧をめちゃくちゃに破壊した。
砕けていたり溶けていたりと様々だが、言える事は一つ。雷にゃんこ強い。
取り敢えずレイーニャを抱きしめておいた。
やめるにゃと言われたからにはやめるなと言う事でやめる訳にはいかないと言う事で照れるにゃ。
吸血鬼達は、強力な師と黒霧の介添えを得て、集団としての質は他より一枚上手だ。
レミアは元ポンコツだったが、才能に体が追い付いて来たのか、今や内面を除けば完璧だ。その実力はサンディアに次ぐ。
順番的には、セバス。サンディア。レミア。リアラ。アスフィン。メイド達。サンディアの配下。と言ったところ。
その後も、ルカナがようやく一皮剥けたり、桃花が順当に強くなってたり、クラウの練度が飛び抜けていたりと色々あった。
中でも特に優れていた者達は、おおよそ14名。
先ずはそう、シャルロッテである。
奴めは微かながらも確実に神気を技に取り込み、剣術は勿論の事槍技、拳打、各種属性魔法にまで、己の持ち得る神気で強化を施していた。
勿論、その量は本当に微かだ。
特化型の子と比べて明らかに少ない。しかし全ての攻撃に宿っている。
僕と比較すれば、その練度は豆粒程度だが……何というかこう……足元に及んで来ると言うか、足元で留まっていると言うか、足にくっ付いて来ていると言うか……。
まぁ、死ぬ以前に既に神気と言うべき存在に気付いていた様なふしがあるし、精神構造が他と全く異なるので、神気を微かにでも行使出来てしまう事には納得出来てしまう。
強い意志は強い信仰と同義だ。皆はそれを1本か、多くても5本くらいに絞って信仰により神気を動かしているが、シャルロッテは僕を介在する事で全てに信仰を宿しているのだろう。
こう言うところが、普段の不信心な動きや態度からは想像出来ない程にヤバイ狂信者な証明なのである。




