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【書籍化】錬金術師ユキの攻略 〜最強を自負する美少女(?)が、本当に最強になって異世界を支配する!〜  作者: 白兎 龍
第一章 Another World Online 第十四節 ルベリオン王国の攻略

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第28話 実戦、実践

第八位階下位

 



 5日目。


 午前を徹底的な復習と闘気操作に当て、午後が終わる頃には、皆が闘気を実戦レベルまで扱える様になった。


 休憩も兼ねた講習は『使用後の魔力の再利用とその際の損耗、及びその理由』や『攻勢意思と防勢意思、自己治癒による、本当は無敵じゃない強敵講座』等々を教え、最低限必要な知識を身に付けさせた。


 これでようやく皆はヴァルハラナイツと同格になった訳である。


 イェガ上で行われた本日の夜会では、皆の席とヴァルハラナイツ主力の席を近付けて交流を行わせて顔を繋ぎ、イェガ謹製の打ち上げ花火を楽しんで貰い、最後にイェガが地上を焦土に変えた爆音付き体感型映像を見て貰って終幕。

 ……未だ人間レベルの者達と化物クラスの者達では温度差が酷かったが……まぁ、いずれはそれが普通になるので気にしない。



 僕自身の神気操作修行も順調だ。


 相性の悪い神気はそもそも存在崩壊に繋がるので扱っておらず、現時点では魂魄内での神気操作とスキル模造、それらを魂魄外に出したり戻したりする体外操作、他の物体に付与したり加護を付けたりまで行なった。


 頑張れば単純な神降ろしや神懸かりではなくちゃんとした構造を持つ加護も付けられる。


 尚、理法典では神気の再現が出来ないので、使っている力は自前の物である。



 単純な操作だけではなく、ちゃんと実験も行なった。


 先ず加護に付いてだが、数値にしておよそ100の神気を擁する加護を作成し、複数対象に付けてみた。

 その結果、クリエイト・ライフによる通常の魂魄を持つ生き物には少なくとも短時間は問題なく加護を付けられたが、フェイク・ライフでは若干の存在崩壊により消滅までの時間が早くなった。インスタント・ライフに至っては、加護をくっ付けた瞬間に魂魄がクシャリと潰れて死亡した。


 多分魂の構造が脆くて加護の重さを支えられなかったのだろう。


 この事から、通常の魂魄もまた、強大な加護を与えるには相応の魂魄の量や質が求められる物と考えられる。


 また、加護を付けていた時間が短かったからだろう、使用した神気は99%戻ってきた。

 まぁ分かっていた事だが、神気は変質しにくいと言う事が証明された形である。



 そんな感じで成果を得、翌朝。



 6日目がやってきた。



◇◆◇



「それじゃあ行ってらっしゃい」



 ニコーとあどけない笑みを浮かべて、ユキさんは扉を閉じた。


 パタンと優しい音がなり、次の瞬間、私たちが出てきた扉。ユキさんが中にいた筈の扉——砂浜に建つ小屋が、壁を四方に倒れさせて崩れ去った。

 落ちた簾の屋根の下には、ユキさんはいない。



 沈黙。



「……よし、行くぞ」



 タクくんの言葉に従った訳じゃないけど、私は島の中央に見える大きな城を見上げた。


 あの城の天守にボスがいるのね……。



「お、ね、え、ちゃんっ」

「わっ、もう……カオル、急に如何したの?」



 回された腕を掴んで振り返ると、ニマニマとだらしない笑み。



「如何したもこうしたも……いよいよ実戦なんだよ?」

「……あぁ」



 カオル、乱射するの好きだもんね……カオルに実戦なんてさせて大丈夫かな? 癖になっちゃうかもしれないわね……。



「カオル……カオルがおかしくなっても私はカオルの味方だからね」

「ちょっと、それおねーちゃんに言われたくないんですけどー?」

「どう言う意味よ?」

「……べぇ〜つにぃ〜?」



 なによこの子ったら、せっかく心配してあげてるのに……反抗期かしら?



「おふたりさーん、敵が来ますよー?」



 シキナさんがウインクしながら指差した方を見ると、ちょうどマネキン人形の様な一団が森を掻き分けて出てきた所だった。


 いけないいけない、ここはもう戦場なのよね。集中しないと。


 ……ドール。木製。弱点(ウィークポイント)は心臓部。距離およそ25メートル。射程圏内。武器、木剣。木槍。遠距離武器無し。防具無し。風向き良し。風速良し。弾丸形成(バレット・メイク)完了。



「っ」



 放たれた弾丸は、狙い違わずドールの弱点を貫通し、コレを撃破。


 続け様に生成された魔弾(マナ・バレット)へ突属性を込めて徹甲魔弾ピアシング・マナバレットに改造し、後続を殲滅した。



「ふっ……」



 ……やっぱり弾を一から再設計するのは手間が多い。けどユキさんはそれも修行の内って言ってたしなぁ。


 更なる増援が来ない事を確認してから、ユキさんが作ってくれた魔鋼製とか言う銃をホルスターに戻した。



「……そう言うとこだぞ」

「え? シキナさん、何か言いました?」

「ううん? ナツナさんは何も言ってないんだぞ?」

「あ、ごめんなさい。つい名前で」

「なんも……じゃなかった。気にしないでー」



 うーん、やっぱりちゃんと気にした方が良いわよね。普段から気を付けないと、いつまた同じ事するか分からないもの。


 決意を新たにしつつ、私達は森の切れ目から島の奥へと歩みを開始した。



◇◆◇



「アハハッ!」



 カオルちゃん、もといクンは、新しいおもちゃを買い与えられた子供の様に無邪気な笑みで銃を乱射した。


 炸裂した弾丸は小爆発を起こし、複数体のドールの手足を破壊、倒れたそれのコア部分に2〜3発の爆裂弾が直撃し、機能停止した。


 実際の所、クンならコア部分を狙い撃ちする事は出来ただろう。

 捕まえた蝶の羽を捥ぎ取るその諸行は、鈴森の家訓を根っこにしている。


 鈴森は森を管理する鈴護の分家、木々の管理と言う点では桜庭にも近しい所はあるが、その実鈴森が森を管理していたのは、進軍する敵を森でゲリラ的に殲滅する為だ。


 鈴森は根っからの武家であった。


 実際お山の後ろの森には、幾らか古い石垣の様な物がある。

 それはかつての鈴森が作った、少数精鋭で敵を殲滅する、森の要害の名残だ。



 鈴森に曰く、其を見定めよ。其が仇たれば根絶せよ。



 それを体現する様に、クンは笑って敵を甚振り、キリサメは無表情の中に微かな笑みを浮かべて敵を即死させる。


 嗤う姉妹(スマイリー・シスター)として一部界隈じゃ有名らしいな。



 そんな鈴森姉妹が襲い来るドールの小隊を次々殲滅するので、今の内に情報整理をしておこう。



 目標は、ユキ曰く、このイベント会場を模した島の中央にある城。そこの頂上に待つ鎧のボス。

 イベントクエストのクリア条件はそのボスの討伐だが、EPなるイベントの報酬に直接関わって来るポイントの入手方法は、敵を倒したりアイテムを回収したりする事らしい。


 中には、隠しボスの討伐や隠し部屋の発見等の特殊なEPの稼ぎ方もあるらしいが……要するに敵を殲滅してしまえば良いと言う事だ。


 幸い……と言うかユキの読み通りだろうが、魔力感知が出来る様になったおかげで、なんとなく敵の位置が分かる様になった。

 取り敢えずは一度砦とやらに一当てしてみて、その手応え次第でパーティーを編成して島内を殲滅して回るとしよう。



 

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永遠未完『魔物解説』……ネタバレ含む。

よろしければ『黒き金糸雀は空を仰ぐ』此方も如何?
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