コ
一方の山内さんと祭さんなのだけれど、俺とコノちゃんが話をしている間、ずっと騒いでいたらしかった。
集中して彼女の話を聞いていたせいか、少しも声が聞こえなかったのが驚きだね。どうしよう。
①混ざる ②遊ぶ ③話をしている
ーここは①を選択しましょうかー
もう絵は描き終わったようだし、コノちゃんは満足しているようなので、そろそろ二人に混ざるとしようかな。
せっかく四人グループなのだから、二人ずつに分かれていちゃいけないだろう?
それにコノちゃんと二人にしてくれるのは嬉しいけれど、山内さんには少し、気を遣っている感じもする。
恋人も大切だが、友だちも大切。
俺にとっては同じように、友だちだって、ほとんど出来たことのない存在。
なのだから、一緒にはしゃいで遊びたい。
「行こうか、コノちゃん」
「うん、そうだね。二人ともっ、コノたちも行きますよっ!」
山内さんと祭さんが騒いでいるところに、コノちゃんは走っていき突進。
その行動には、全員が驚きを隠せない。どうしよう。
①俺も突進 ②引く ③微笑む
ーここも①を選びますー
しかし、コノちゃんがこれだけ曝け出してくれているんだから、俺もっ!
周りはみんな味方なのだから、何を恐れる必要もない。
友だちだと信じて。友だちを信じて。
「行くぜっ!」
こんなに笑ったのはいつぶりだろうか。そんなことを思ってしまうほどに、お腹が痛くなるくらいに、俺は大爆笑をした。
祭さんはわからないけれど、コノちゃんだって、山内さんだって、そうなんじゃないだろうか。
リア充共とは微妙に時間をずらした、少し早めの時間に食事も風呂も行ったので、人混みに巻き込まれることなく全てを終えることが出来た。
俺と山内さんの男子班が部屋に戻ると、もう女子班の二人は戻っていたらしかった。
いくらでも待つ覚悟で鍵を預けていたので、別に大丈夫だったのだが、早めに上がってくれたのだろう。
そしてやるべきことを終えたからには、素敵な夜が待っている。どうしよう。
①楽しく ②美しく ③淫らに
ーここも①ということになりますー
コノちゃんと二人きり、素敵なときを過ごそうじゃないか。
なんてそんなことは、もう恥ずかしくなってしまって無理だから、友だちと一緒にはしゃぐとしようじゃないか。
それに、山内さんに気を遣わせるわけにもいかないしね。
まぁ、彼には好きで気を遣ってる感すらあるし、平気で邪魔だってしてくるものだから、なんとも言えないんだけれど。
「今夜は朝まで寝かせませんから。覚悟しておいて下さいね」
にやりと笑みを浮かべて、こんなことを言ってくるような人だしさ。どうしよう。
①覚悟する ②お前こそ ③微笑む
ーここは②を選ぶんだそうですよー
いつまでも彼がにやりを崩さないものだから、俺もにやりで返す。
「覚悟が必要なのは、あなたの方ではありませんかね。山内さん、覚悟なさいっ!」
そんなことを言いながらも、四人でふざけて遊んで、結局一時ごろには全員が眠っていたわけではあるのだが。
翌日の朝は心配したのだが、いつもどおり七時前には、きちんと目を覚ましているのであった。
これが慣れと習慣のなせる業ということなのだろう。
「あ、お目覚めですか? おはようございます」
「おはよっ」
既に山内さんとコノちゃんは起きていたようで、俺が起きたのに気が付くと、二人ともすぐに挨拶をしてくれた。
慣れでゲームをやろうとしてしまうけれど、今回はゲームを持ってきていなかったことに気付く。
一緒に修学旅行という行事を楽しむ。それを目的としているので、ゲームという誘惑を持って来てはいけないと、そう考えたのだ。
「おはよう。今日は自由行動ですけれど、どうすることになったんですか?」
適当な予定を書いて、適当に提出しただけなので、班の中では詳しく決まっていないままなのだ。
俺が訊ねると、二人はうーんと唸る。俺が聞いていないだけではなくて、やはり決まっていないままなのだ。
「どうしましょうかね。ただ歩くっていうのも、ありかもしれませんよ。見慣れない場所ですし、楽しめるんじゃないでしょうか」
考えることも面倒になったかのように、山内さんはそんな提案をしてくる。
彼が全てを書いておいてくれただけあって、詳しいのだろうと思ったけれど、それっぽいところを書いただけだというのだ。知っているところを書き連ねる、その適当さは、山内さんのイメージに合わない意外な一面だったりもする。
しかしだれもが真面目であり続けるはずがないからね。
教室内で騒がないからって、何もかもが真面目なスーパー真面目ちゃんなわけじゃあない。どうしよう。
①賛成 ②反対 ③調べる
ーここは③を選択しますー
何か魅力的な場所があるかもしれないし、調べるだけ調べてみようか。
まだ祭さんも起きないから、朝食へは行けないということで、三人で調べてみて、行きたい場所を相談することに決まった。
そして祭さんが起きたなら、彼女の意見も取り入れれば良いさ。
当日の朝になって調べるという、少し遅くないかなところはあるけれど、時間があるんだから全く問題がないだろう? 班の勝手さ。




